マイナーでも厳しい日々を過ごしている藤浪。はたして、暗いトンネルを抜け、メジャー昇格の道筋を見いだせる日はいつになるのか。

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 暗中模索の日々が続いている。メッツ傘下の3Aシラキュースに所属する藤浪晋太郎だ。

 チャンスを与えられている。藤浪は現地時間4月28日に本拠地で行われたコロンバス・クリッパーズ(ガーディアンズ傘下)戦とのダブルヘッダー第2試合で4点リードの6回から3番手で登板。先頭打者に中前打を打たれ、いきなり出塁を許すと、続く打者はフェンス手前まで飛ばされるもなんとか左飛に打ち取る。しかし、そこから連続四球を与えた30歳は1死満塁のピンチを招く。

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 何とか凌ぎたい局面だったが、ストライクを取りに行った4シームを中前へと痛打され、2点適時打で失点。4試合連続を喫したところでベンチから交代を告げられた。

 1死しか奪えず、6失点で降板した今月25日のクリッパーズ戦に続いて、再び1イニングを投げ切れなかった藤浪。この日の最速は96.7マイル(約155.6キロ)とまずまずだったが、ボール先行の投球で四球を与え、そこからペースを乱す悪循環を変えられず。メジャー昇格が遠のく苦境に立たされている。

 今年2月に85万ドル(約1億2580万円)の出来高も付帯する335万ドル(約4億9580万円)の単年契約を締結した藤浪だったが、フォーム修正に取り組んだ春先から課題である制球難が改善されず。

獲得時には夏場のトレードを見込まれてもいたが、ここまでマイナーでも苦しい体たらくだ。

 防御率15.88、WHIP3.35、被打率.261、与四球率20.65と、とことん精彩を欠いている。この戦力となり切れていない現状には、現地の実況者も思わずぼやかずにはいられない。

 28日のクリッパーズ戦の降板直後だった。マイクのスイッチを切り忘れた地元放送局『SNY』の実況アナウンサーが、「あぁクソ……。長い一日だ」とFワードを用いて吐露。

そして興奮気味に「シンタロウ……なにやってんだよ! チームメイトがホームランボールをキャッチしてくれたじゃないか、勘弁してくれ! いい加減に耐えられないぞ」と絶叫したのだ。

 さらに諦めたかのように「まったく酷い選手だよ」と漏らした実況は、「メジャーにはとてもじゃないが昇格させられないと思う。彼ほどの選手が3Aに残れるぞ、素晴らしい」と皮肉も続けた。

 贔屓局の実況からも「自慢の4シームを痛打される投球内容を見ても、現状ではメジャー昇格は夢のまた夢。1年契約というシビアな状況だけに、いち早くキッカケを掴みたいところだが……。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]