開幕前から状態が不安視されてきた藤浪。そのパフォーマンスに対する評価は実に厳しいものだ。

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 シビアな現況をいかに抜け出すか。藤浪晋太郎の真価が問われている。

 メジャー2年目の今季の藤浪は、開幕前にメッツと年俸335万ドル(約4億9580万円)に、85万ドル(約1億2580万円)の出来高が付帯する1年契約を締結。しかし、春先から状態が上がらずにマイナーへ降格すると、3Aのシラキュースでも9登板で防御率14.09、WHIP3.13、与四球率19.96と低調なパフォーマンスに終始していた。

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 現地時間5月13日にはメジャー昇格と同時に、右肩痛による15日間の故障者リスト入りが発表された。これは40人のロースター枠を担保するための球団の施策であり、藤浪の現状を大きく変える発表ではない。

 メジャーへの本格挑戦の道がなかなか見えてこない。そんな藤浪のもどかしい現状に、地元メディアも苛立ちを隠せずにいる。日夜メッツの情報を発信する米専門サイト『Rising Apple』のティム・ボイル記者は、オフに獲得した新戦力を評価する特殊記事において、「シンタロウ・フジナミほど、前年にメジャーで結果を残せなかったにもかかわらず、大々的に宣伝されてやってきた選手がいただろうか?」と強調。ここまでの投球パフォーマンスを最低の「F」と評価し、こう記している。

「日本時代の成功を含め、フジナミのポテンシャルを信じる者は多かった。さらに年俸も300万ドル強で、お手頃。

そしてマイナーリーグへのオプションがあるため、ロースターに柔軟性を持たせることができる契約だった。実際、フジナミは奮闘した。しかし、ストライクを投げることへのそれだった。今シーズンはマイナーですら不発に終わっている」

 さらに「フジナミを再評価せざるを得ない。それは簡単な決断だ」と断じたボイル記者は、「残念ながら彼はメッツのフリーエージェント市場で獲得した選手の中で最大の失敗であり、それに近いものは他にない」と糾弾した。

 阪神時代からの“悪癖”を露呈し、地元メディアからも逆風に晒されている藤浪。

今後は右肩痛による不安を取り除き、マイナーでも“結果”を出すことが求められる。

 30歳の怪腕のメジャーキャリアは間違いなく正念場を迎えている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]