ネリとの壮絶な打ち合いを制した井上。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 波乱のスタートからの猛烈な巻き返しに、列島が熱狂した。

 5月6日、東京ドームでは34年ぶりとなるボクシング興行が行われ、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、WBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回1分22秒TKOで撃破。2年ぶりとなるタイトル防衛に成功した。

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 勇猛果敢な悪童を自らの拳で懲らしめた。井上は1回に接近戦からネリの左フックをもろに被弾。まさかのプロ初ダウンを喫し、会場からは悲鳴に似た声が上がった。だが、「ダメージはさほどなかった」と振り返る怪物は、その後に圧倒。

3度のダウンを奪っての逆転勝利に繋げた。

 歴史的な一戦でのドラマチックな展開を世界も驚きを持って報じている。英紙『The Guardian』のドナルド・マクリー記者は「凄い試合だった。ナオヤ・イノウエは初回にいきなりプロ初のダウンを喫したが、そこから立ち上がり、なぜ自分が優れているかを見せつけた」と絶賛。さらに「彼は特別な選手だ。イノウエを見ることができるのは幸運だ」と脱帽しっぱなしだった。

 また、米格闘技ジャーナリストのケビン・イオーレ氏は、27勝無敗24KOとなった井上の通算成績を紹介したうえで、「イノウエは史上最高の選手だ。本当に素晴らしいし、彼のような選手は滅多に現れない」と褒めちぎった。

 各国メディアの識者たちを唸らせるKO劇。その余波は、まだまだ広まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]