坂本勇人、菅野智之、岡本和真といった生え抜きスター選手が中核を担う球界の盟主・巨人(読売ジャイアンツ)。2000年以降のドラフト史を振り返り、「神ドラフト」「残念ドラフト」それぞれの年を探ってみた。

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◆神ドラフト=2006年

【高校生】
1 坂本勇人(光星学院)内野手
3 田中大二郎(東海大相模)外野手
4 伊集院峰弘(鹿児島実)捕手

【大学・社会人】
希望枠 金刃憲人(立命館大)投手
3 上野貴久(NTT東日本)投手
4 円谷英俊(青山学院大)内野手
5 深沢和帆(独立リーグ香川)投手
6 寺内崇幸(JR東日本)内野手
7 深町亮介(中京大)投手

【育成】
1 鈴木誠(JR東日本)投手
2 下山学(青森大)外野手
3 松本哲也(専修大)外野手
4 隠善智也(広島国際学院大)外野手
5 芦沢明(シダックス)内野手
6 作田啓一(苫小牧駒大)外野手
7 大抜亮祐(中京)投手

 守備力が優先される遊撃手のポジションで、打力も兼ね備えた選手は長いプロ野球界の歴史を見てもそうそう出てこない。20年シーズンに31歳の若さで通算2000安打を達成した坂本勇人の指名は、巨人にとって幸運だった。06年高校生1巡目で愛工大名電の遊撃手・堂上直倫を入札も競合となり、抽選で外して中日入り。巨人が外れ1位で指名できたのが坂本だった。高卒2年目からレギュラーを獲得し、球界を代表するスーパースターとなった。

 坂本1人でもお釣りがくるほどの大当たり年だが、育成指名の松本哲也が09年新人王を獲得するなど期待以上の働きは嬉しい誤算だった。大学・社会人「希望枠」の金刃憲人は通算17勝(楽天移籍後に6勝)とまずまず。

同6巡目の寺内崇幸も通算670試合出場と複数選手がチームに貢献した。

◆残念ドラフト=2011年

1 松本竜也(英明)投手
2 今村信貴(太成学院大高)投手
3 一岡竜司(沖データコンピュータ教育学院)投手
4 高木京介(国学院大)投手
5 高橋洸(日本文理)内野手
6 江柄子裕樹(東芝)投手
7 田原誠次(三菱自動車倉敷オーシャンズ)投手

【育成】
1 森和樹(市柏)投手
2 土田瑞起(独立リーグ愛媛)投手
3 柴田章吾(明治大)投手
4 芳川庸(洛北)捕手
5 雨宮敬(独立リーグ新潟)投手
6 渡辺貴洋(独立リーグ新潟)投手

 並んだ選手の名前を見ると巨人ファンには悪夢がよみがえることだろう。1位で単独指名を目論んでいた菅野智之が日本ハムと競合し、抽選で外した。外れ1位指名の松本竜也は、巨人複数選手が関与した不祥事「野球賭博問題」により、1軍登板のないまま球界を去った。4位指名の高木京介も野球賭博関与で16年に1度は契約解除された(翌年、再契約)。

 3位の一岡竜司は、FA移籍した大竹寛の人的補償として2年目オフに広島へ。

移籍後に中継ぎとして大ブレークし、期待の若手をプロテクトしなかった球団の姿勢に批判の声もあがった。今村、田原といった活躍している選手以上に「マイナス面」が先だってしまう残念ドラフト年となった。

【まとめ】
 2000年代序盤は「自由獲得枠」制度を有効活用して内海哲也らが活躍。ドラフトが入札制度になって以降、1位の抽選クジ勝率が極端に低いものの、代わる選手をうまく指名し、外れ年は少ない。FA補強も並行したチーム作りは安定しているが、坂本、岡本に続くチームの大黒柱となる生え抜き選手の出現が待ち遠しい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]