失われた信頼は回復できるか。復帰が遅れていた巨人・梶谷隆幸外野手(33)が25日のイースタン・DeNA戦(横須賀)で実戦復帰する見込みとなった。


 梶谷は7月10日の阪神戦(甲子園)で右手甲に死球を受けて、その後、右第3中手骨骨幹部骨折と診断を受けて、リハビリを続けていた。順調な復帰ロードを歩んでいたかのように見えたが、暗雲が漂ってきたのは、その後のこと。今月7日のイースタン・日本ハム戦で実戦復帰予定だったが、腰痛の影響で見送られ、その後もリハビリ班の一員として時を過ごし、結果として当初の予定より3週間も遅れての実戦復帰となったのだ。

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 この「超スローペース調整」にはネット上でも「ちょっと遅すぎる」「もうCS要員でいい」「死球骨折のリハビリまではしょうがないが、復帰間近の腰痛で今更感がどうしても拭いきれない」など辛らつな声が上がっている。

チームはここにきて盛り返しているが、9月はここまで20試合を戦い、6勝9敗5分けと苦戦(24日現在)。丸、岡本といった中軸の不振なども響き打線の形成に首脳陣も頭を悩ませていた。


 「本来ならばチームが1番苦しかった9月上旬に戻って、不調の丸に代わって梶谷が活躍できれば、完全に『救世主』だった。ただここにきて、丸や中田にも当たりが出始めている。外野手には育成出身で足もある松原、守備もいい新外国人のハイネマンもいる。戻ってきたら、当然層は厚くなるが、スタメンが確約される状況にないのではないか」(球界OB)

 FAでDeNAから移籍。今季が4年8億円(年俸は推定)と超大型契約の1年目となる。復帰が遅れれば遅れるほど、梶谷を取り巻く環境は厳しさを増す一方だという。

それは指揮官・原監督との関係性にも影響を及ぼすと見られる。

「どの監督にもいえるが、原監督は、特に選手に体の強さを求める傾向がある。有名なのは、昨季、日本シリーズ直前に二軍戦で不運なケガをしてシリーズ絶望となった捕手の小林に対し『職場放棄』と厳しい言葉を投げかけたことも話題となった。小林の場合はプレー中のケガで仕方のない面もあったのですが、それであの言葉ですから。梶谷の場合はこれからよほど結果を残さないと厳しいでしょうね」(同)

 元々ケガの多い選手として知られていたが、梶谷は左太もも裏の違和感で5月25日に登録を抹消。復帰までに約1か月を要している。

その後、7月初旬の死球で離脱、さらに復帰が長引いているとあって「FA選手としての役割は正直いってここまでは果たせていない。一発逆転があるとするなら、優勝が決まる試合で大爆発するとか、ポストシーズンでの活躍が最低条件」(同)

 状態が上がってこないのは一番本人ももどかしいだろうが、チームの残り試合数も23と待ったなしの状態となっている。歓喜の瞬間には間に合うのか。ギアを上げての調整が
必要となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]