3月19日スタートのドラマ『グレースの履歴』(NHK BSプレミアム・BS4K/毎週日曜22時)より、滝藤賢一演じる主人公と尾野真千子演じるヒロインが愛車グレースに乗るメインビジュアルが解禁。また、主人公が旅先で出会う人物を演じるキャストとして、伊藤英明、柄本佑、林遣都、山崎紘菜、広末涼子ら15名の出演が発表された。



【写真】伊藤英明、柄本佑、林遣都、山崎紘菜、広末涼子ら『グレースの履歴』追加キャスト陣

 源孝志の同名小説を源自身の脚本・演出で実写化する本作は、車で旅する中で「妻の真相」と「夫の過去」が次第に浮き彫りにされていくロードムービー&ミステリー。主人公の蓮見希久夫役を滝藤賢一、ヒロインの蓮見美奈子役を尾野真千子が務める。

 「グレース」という愛車に乗って成田に向かった妻。そして、南仏で妻を襲ったバス転落事故。遺品として残された妻の愛車のカーナビには、夫に内緒で日本各地を訪れていた旅の履歴が残されていた。妻の不貞を疑った夫・希久夫はその謎を解くため、カーナビの履歴をたどる旅に出る。
藤沢、松本、近江八幡、尾道、松山…自然豊かな日本の原風景を名車でたどるうちに、思いがけない人々との出会いが重なり、絶望と孤独に沈んだ希久夫の人生が、やがて新たな希望で彩られていく。ラスト、全ての真相が明らかになった時、物語はこう問いかける。「この夫婦愛、ありだと思いますか?」

 伊藤英明が演じるのは、美奈子の元恋人・藤木俊彦。脱サラして茅ヶ崎でそば店を営んでいる。子連れの年上女房と結婚し、悠々自適に生きる男だ。伊藤は「滝藤さん演じる生真面目な希久夫とは正反対のワイルドな男の役でしたが、滝藤さんとご一緒できたことがとても嬉しかったです」と感想を。


 柄本佑が演じるのは、希久夫の弟・富樫由紀夫。滋賀県近江八幡の酒蔵で蔵人頭を務めている。30年前に生き別れた兄・希久夫とは、それきり会っていない。柄本は「相変わらずの源組の仲間達が元気に生き生きと仕事されている姿が見られて、とても嬉しい現場でした」と撮影を振り返った。

 林遣都が演じるのは、ヒッチハイクの青年・羽田純哉。青森出身で、地元の新聞社を辞め、ヒッチハイクで京都を目指す。
滋賀の伊吹山のふもとで希久夫に拾われ、旅を共にすることになる。林は「源監督が生み出す物語はいつも人間愛に満ちていて大好きなのですが、脚本を読ませていただき、今回は特にそのスケールの大きさに驚き、とても感動しました」とコメント。

 山崎紘菜が演じるのは、仁科征二郎の孫娘・仁科晴香。バイクのメカニックである祖父の影響で、無類のバイク好き。偶然出会った希久夫のことが気になっている。山崎は「祖父の征二郎と希久夫さんと、3人で過ごした時間はとても穏やかで、忙しい日々の中で、しっかりと息を吸って吐き出すことができるような、そんな優しい時間でした」と撮影を振り返る。


 黒谷友香が演じるのは、藤木の妻・藤木紗江。元プロサーファー。明るくおおらかな性格で、自由奔放な年下夫をうまく操縦する、包容力のある女性だ。黒谷は「源監督の世界観に生きる人物を演じることは本当に愉しくて、現場にずっと居たくなる程」と感想を。

 中原丈雄が演じるのは、希久夫の父・蓮見敬一郎。かつて大手ゼネコンのトンネル工事の技術者だった。
妻と離婚後は、長男の希久夫を男手一つで育てる。中原は「今回のドラマでは、陽を浴びてキラキラと光る静かな水源の様な源孝志の世界に浸らせて貰いました」と話している。

 丘みつ子が演じるのは、希久夫の母・間宮(蓮見)千江。再婚し、琵琶湖畔に次男夫婦と共に暮らす。離婚時に長男・希久夫を手放したことが、今も心の傷となっている。丘は「思い出に残る作品に出会えたこと、感謝しています」と言葉を寄せている。


 石橋蓮司が演じるのは、美奈子から遺言を預かった弁護士・袴田信。妻を失った希久夫を温かく励ます。石橋は「源組の脚本は、演れば演るほど奥が深くなり、役者としての現在性を問われているよう」とコメント。

 宇崎竜童が演じるのは、晴香の祖父・仁科征二郎。信州・諏訪湖畔でバイク屋を営む。実はオートバイ世界GPで監督を務めた伝説的メカニックで、エスハチの開発者の一人。宇崎は「監督の繊細な演技指導あってのキャラクターの深掘りは楽しくも有り、難しくも有りましたが、沢山の学びを頂きました」と振り返る。

 広末涼子が演じるのは、希久夫の元恋人・伊川草織。米国人と結婚したが、8年前に離婚。一人息子を残し、失意のまま日本へ帰国。今は愛媛県松山でガーデンショップを営む。10年前、希久夫を裏切ったことに、自責の念を抱いている。広末は「大人の極上のロードムービーをたくさんの方にご堪能いただけると嬉しいです」と言葉を寄せた。

 このほか、羽田純哉の義理の兄・角田純作役を木村祐一、希久夫の会社の後輩・杉本哲太郎役を平埜生成、美奈子が事故に遭う観光バスの添乗員・柏木理津子役を美波、富樫由紀夫の妻・富樫阿弥子役を徳永えり、美奈子の親友で女医の宮川恵津子役を美村里江が演じる。

 プレミアムドラマ『グレースの履歴』は、NHK BSプレミアム・BS4Kにて3月19日より毎週日曜22時放送。

 伊藤らのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■藤木俊彦役・伊藤英明

 2~3話のゲストで、美奈子の元恋人役を演じました。滝藤さん演じる生真面目な希久夫とは正反対のワイルドな男の役でしたが、滝藤さんとご一緒できたことがとても嬉しかったです。また、久しぶりに源監督、黒谷友香さんとも現場をご一緒して、懐かしく、とても良い雰囲気の中で撮影ができました。劇中でサーフィンしているシーンもあります。10月の湘南の海で、早朝から日暮れまで撮影するのは、色々な苦労がありましたが、源監督からは「ナチュラルに演じてもらえて良かった」と言ってもらえたので、放送を自分でも楽しみにしています。

■富樫由紀夫役・柄本佑

 およそ5年ぶりの源組です。「空白を満たしなさい」の時、ワンシーン一緒だった滝藤賢一さんの弟役でした。どことなく似ているところがあるように思います。そして尾野真千子さん、林遣都くんと共演させていただきました。相変わらずの源組の仲間達が元気に生き生きと仕事されている姿が見られて、とても嬉しい現場でした。

■羽田純哉役・林遣都

 源監督が生み出す物語はいつも人間愛に満ちていて大好きなのですが、脚本を読ませていただき、今回は特にそのスケールの大きさに驚き、とても感動しました。今日もこの世界に生きていられることの喜びを感じさせてくれる愛に満ちた作品です。是非ご期待ください。

■仁科晴香役・山崎紘菜

 仁科晴香役を演じさせていただきました山崎紘菜です。この度、晴香として、希久夫さんのささやかで愛おしい旅路に関わらせていただくことができ、とても光栄でした。わずかな時間でしたが、祖父の征二郎と希久夫さんと、3人で過ごした時間はとても穏やかで、忙しい日々の中で、しっかりと息を吸って吐き出すことができるような、そんな優しい時間でした。晴香として希久夫さんの旅路が素敵なものになるよう、心から祈っています。

■藤木紗江役・黒谷友香

 源監督とのお仕事は、刺激溢れる素敵な時間でとても愉しかったです。美奈子さんの謎を追ってやってきた希久夫さんを、待っていたと言わんばかりに迎え入れる旦那さんに、最初は戸惑いながらも、2人を見守り包み込む姉さん女房の紗江。紗江の懐の大きさをどう表現するか? そこが演じていて面白いところでした。源監督の世界観に生きる人物を演じることは本当に愉しくて、現場にずっと居たくなる程。原作の小説も素晴らしく一気に読んでしまいました。「グレースの履歴」この映像化は私自身も大変楽しみです。是非、ご覧ください。

■蓮見敬一郎役・中原丈雄

 源さんの作品には何本か出させて頂いておりますが、その度に脚本の良さ美しさ、そして選び磨かれた言葉、台詞には感嘆しておりました。特に今回のドラマでは、陽を浴びてキラキラと光る静かな水源の様な源孝志の世界に浸らせて貰いました。息子と嫁と私。三人の交わす会話は削り磨かれた大吟醸の如く、勿論他の方々の台詞も同様に、これ以外他の言葉はないと云う素晴らしい台詞での会話でしたね。参加出来た事を心より嬉しく思います。

■間宮(蓮見)千江役・丘みつ子

 認知症がかなり進んでいる70代半ばのおばあさんの役です。ある日、数十年ぶりに、真っ赤なホンダS800で突然長男が我が家に訪ねてきた。幼い息子達の写真を見せられ、ポツリポツリと過去が甦ってくる。辛い過去、何で今さらこの年で…なんて考えてしまいそうだけど、もう一方でどんどん症状が進んでいる今、少しでも記憶のあるうちにと、息子夫婦は親子の再会を勧めた。あのシーンを撮影した夜は、監督と滝藤さんと美味しいお食事が出来ました。そして思い出に残る作品に出会えたこと、感謝しています。

■袴田信役・石橋蓮司

 源組の作品に参加すると、少々疲れる。演っている最中もああだろか、こうだろうか、終わってからもああだったか、こうだったかと考えてしまう。それほど源組の脚本は、演れば演るほど奥が深くなり、役者としての現在性を問われているようで、疲れるのである。今回の主役たちも、さぞ疲れたことであろう。

■仁科征二郎役・宇崎竜童

 先ず滝藤さんの相手役(私)を支える受けの芝居、更に私の演技を導き出す温かいパワーに感謝致します。そして伝説のヴィンテージカーを運転出来た事は最高の喜びでした。エスハチ車に就いての知識とレース経験豊富な役なので、解説的なセリフも多く、中々覚えられず本番でも幾度もミスを重ね皆さんにご迷惑をお掛けしました。監督の繊細な演技指導あってのキャラクターの深掘りは楽しくも有り、難しくも有りましたが、沢山の学びを頂きました。全スタッフの情熱をヒシヒシと感じる現場はピュアーなドラマ愛に満ちていて、私自身も真っ直ぐな気持ちで演技する事が出来ました! 心から感謝致します! ぜひご覧ください!

■伊川草織役・広末涼子

 大人の極上のロードムービーをたくさんの方にご堪能いただけると嬉しいです。私の役は正直、いろいろな意味で難しく悩み苦戦しましたが、なんとか演じきることができて安堵しております。滝藤さん演じる希久夫の優しくて不器用なお芝居も、尾野さん演じる美奈子の鬼気迫る愛情深いお芝居も、最高でした。間違いなく素敵な作品になっていると思います。