4月22日からスタートするドラマ『Dr.チョコレート』(日本テレビ系/毎週土曜22時)で、主演の坂口健太郎とバディを組むのが、2022年(令和4年)に行われた第9回「東宝シンデレラ」オーディションで最年少グランプリに輝いた白山乃愛だ。「東宝シンデレラ」オーディションからは、現在芸能界のスターとして輝く女優たちが多数輩出されている。
【写真】スターとなった「東宝シンデレラ」歴代グランプリ受賞者たち<フォトギャラリー>
「東宝シンデレラ」オーディションとは、大手映画会社・東宝と芸能事務所の東宝芸能が1984年から不定期で開催している女優発掘オーディション。オスカープロモーションの「全日本国民的美少女コンテスト」、ホリプロの「ホリプロタレントスカウトキャラバン」に並ぶ“3大女優オーディション”とされている、まさに“女優の登竜門”の1つだ。2022年11月には5年ぶりに本オーディションが開催され、前述した白山が史上最年少でグランプリを受賞し芸能界入りを果たした。また男性タレントのオーディション「TOHO NEW FACE」も同時開催された。
■第1回グランプリ・沢口靖子
オーディションの第1回は、東宝創立50周年記念イベントとして1984年に開催された。記念すべき初回には3万人を超えるエントリーがあり、その頂点に輝いたのが大阪府出身の沢口靖子だ。グランプリを受賞し芸能界入りした沢口は、同年公開の武田鉄矢主演の映画『刑事物語3 潮騒の詩』で女優デビュー。さらにこの映画の挿入歌「潮騒の詩」も担当し、歌手としてレコードデビューも果たしている。
その後、映画やテレビドラマに加えて舞台やCMでも活躍。1999年にスタートした主演ドラマ「科捜研の女」シリーズは“科学捜査ドラマ”の先駆けとして、今も衰えない人気を誇っている。
また第1回のファイナリストには、のちに「少年マガジン」(講談社)第3回ミスマガジンでグランプリを受賞する斉藤由貴も選出されている。
■第2回グランプリ・小高恵美
1987年には第2回「東宝シンデレラ」オーディションが開催される。ここでグランプリを受賞したのが神奈川県出身の小高恵美。同年公開の沢口靖子主演映画『竹取物語』で女優デビューを果たすと、1988年にはシングル「早春の駅」で歌手デビュー。
また1988年放送のドラマ『花のあすか組!』(フジテレビ系)では主演を務め、1989年公開の映画『ゴジラvsビオランテ』以降のシリーズ6作連続で超能力を持つ少女・三枝未希を演じ、特撮映画ファンを魅了した。
その後、映画やテレビドラマ、ミュージカル作品などに出演するも、2000年に東宝芸能を退所し引退。女優業から遠ざかってしまったが、デビュー35周年となる今年公開予定の映画『HOSHI 35』で、主演として久々に映画出演することが発表されている。
ちなみに第2回ではのちに女優・タレントとして活躍する水野真紀が審査員特別賞を受賞している。
■第3回グランプリ・今村恵子
第3回「東宝シンデレラ」オーディションが開催されたのは1991年。グランプリを受賞したのは、静岡県出身の今村恵子だった。今村は、受賞の翌年に公開された映画『ゴジラvsモスラ』で、審査員特別賞を受賞した大沢さやかとともに女優デビュー。以降、映画やテレビドラマに出演しキャリアを重ねていたが2009年に会社員の男性と結婚。
■第4回グランプリ・野波麻帆
1996年に開催された第4回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞したのは東京都出身の野波麻帆。受賞の翌年に公開された映画『モスラ2 海底の大決戦』で映画初出演を果たした彼女は、2001年公開の映画『案山子 KAKASHI』で映画初主演。
映画と並行してテレビドラマにも多数出演している野波は、2002年スタートの「こちら本池上署」シリーズに出演。2010年放送の『モテキ』(テレビ東京系)ではヒロインの1人・土井亜紀を演じ、主演の森山未來の相手役を務めた。
その後も、話題作への出演が続き、近年では映画『浅田家!』やテレビドラマ『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)などの作品で好演を見せている。
2000年開催の第5回では、長澤まさみがグランプリに!
■第5回グランプリ・長澤まさみ
静岡県出身の長澤まさみがグランプリを受賞したのは2000年に開催された第5回「東宝シンデレラ」オーディション。3万人を超えるエントリーの中から当時史上最年少の12歳でグランプリとなった長澤は、同年公開の映画『クロスファイア』で女優デビュー。
その後、ティーン雑誌の専属モデルを務めながらも女優としてキャリアを重ね、ヒロインを演じた2004年の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』は記録的な大ヒットに。
以降も映画やテレビドラマ、舞台などで主演やヒロインを務め、日本を代表する女優へと成長。近年では2018年にスタートした主演ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)が高い評価を集め、複数の劇場版も製作される人気シリーズへ発展。また2022年放送の『エルピスー希望、あるいは災いー』(カンテレ・フジテレビ系)では、えん罪事件を追うアナウンサーを熱演したかと思えば、2023年公開の映画『シン・仮面ライダー』では敵役のサソリオーグを演じるなど、幅広いジャンルでその抜群の存在感を放っている。
■第6回グランプリ・黒瀬真奈美
第6回「東宝シンデレラ」オーディションは2006年に開催され、そこでグランプリを受賞したのが埼玉県出身の黒瀬真奈美。受賞後、同年公開の長澤まさみ主演の映画『ラフ ROUGH』で女優デビュー。2007年には『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ系)に出演し、テレビドラマデビューを果たした。2010年以降活動を休止していたが、2021年からはSHOWROOMにてライバーとして活動をはじめ、女優としても徐々に活動を再開している。
2011年開催の第7回では、人気女優を多数輩出!
■第7回グランプリ・上白石萌歌
2011年に開催された第7回「東宝シンデレラ」オーディションは人気女優を多数輩出。4万人を超えるエントリーの中からグランプリを受賞し、史上最年少記録を塗り替えたのが、鹿児島県出身で当時10歳の上白石萌歌だった。
上白石は翌年放送のドラマ『分身』(WOWOW)で女優デビュー。以降、映画やテレビドラマ、舞台でキャリアを重ね、2018年放送の『義母と娘のブルース』(TBS系)で綾瀬はるかや佐藤健と共演。2021年放送の『ソロモンの偽証』(WOWOW)で連続ドラマ初主演を務めている。
ちなみにこの年は審査員特別賞を萌歌の姉・上白石萌音と山崎紘菜が受賞。さらにニュージェネレーション賞は、現在放送中の連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合ほか)でヒロインを演じる浜辺美波が受賞している。
■第8回グランプリ・福本莉子
5年ぶりの開催となった2016年の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでは大阪府出身の福本莉子がグランプリを獲得。
さらに、2018年公開の『のみとり侍』で映画デビュー。同年にはミュージカル『魔女の宅急便』で舞台初出演にして初主演を飾った。そして2020年公開の映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では、北村匠海、浜辺美波、赤楚衛二とともに主演を務め、映画初主演を果たしている。
■第9回グランプリ・白山乃愛
2022年の第9回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得したのが、冒頭でも触れた白山乃愛。最年少となる10歳での受賞だ。賞の発表前に「私は見ている人にドキドキワクワクしてもらえるような女優さんになるのが夢です」とあいさつした白山。見事グランプリに輝き、プレゼンターの上白石萌歌からトロフィー、マント、そしてティアラを贈呈されると「思っていないことが起きたので、びっくりしています」とうれし泣きする姿も。憧れの女優は、「東宝シンデレラ」の“先輩”である長澤まさみだと明かしていた。
そんな白山の、初めての本格的な演技が見られる『Dr.チョコレート』には、放送前から大きな反響が。SNS上には「白山乃愛ちゃんの演技楽しみ~!」「撮影がんばれ~」などと、白山への期待や応援の声が寄せられている。