乃木坂46が17日、東京ドームにて「乃木坂46 齋藤飛鳥卒業コンサート」(1日目)を開催。齋藤飛鳥は17日、18日開催の卒業コンサートの初日を終え、「すごく幸せな1日になりました」と感謝に溢れる気持ちを語った。



【写真】「乃木坂46 齋藤飛鳥 卒業コンサート」ライブフォト

 声出しがマスク着用の上、解禁されている本公演。「OVERTURE」で大きな歓声とともに、5万人のファンが齋藤のサイリウムカラーである白と水色のサイリウムを掲げて、きょうの主役の姿を待った。

 「OVERTURE」が終わり、静けさに包まれたメインステージにスポットライトとともに姿を現した齋藤は、中央ステージへと一人堂々と歩いていき、ゆっくりと一礼。ファンは歓声とともに迎えた。始まった1曲目は齋藤にとってのラストシングル「ここにはないもの」。メンバーたちが次々と合流し、しなやかなダンスを披露していく。続く「ありがちな恋愛」では火柱が立つ中、齋藤が華麗なソロダンスを見せ、クールに魅せた「制服のマネキン」に続く「ハウス!」では齋藤が「東京ドーム、行くよ~!」と叫び、フロートに乗り込んで観客の元へ。その後も「ダンケシェーン」とたたみ掛けるようにアップチューンが続き、「ダンケシェーン」恒例のラストでは、山下美月の「やっぱ飛鳥さんだな!」に呼応したファンの「だな!」で締めくくった。

 序盤から一気にボルテージが上がったところで、MCに。キャプテンの梅澤美波が「約5ヵ月ぶりに飛鳥さんが乃木坂に帰ってきました!」と切り出すと、「ただいま~」と齋藤。ファンの声を聞き、「すごいね。乃木坂すごいわ。
やっぱ上がるもん。上がっちゃう」と興奮。齋藤にとっては久々の“声出しあり”のライブとなり、「うれしいね。久々にこれを聞くためだけに生きてきたので。うれしいです」と感激の気持ちを語った。

 今回のライブリハーサルで久々にメンバーに再会した際の心境を語ったVTRに続いては、すでに卒業した卒業メンバーたちとのユニット曲「私、起きる。」「のような存在」を現役メンバーたちと披露。「僕のこと、知ってる?」と続いた。

 加入初期にはアンダーメンバーとしての活動も多かった齋藤。その頃の率直な思いを吐露したVTR後には、自身が初めてセンターを務めたアンダー楽曲「扇風機」を現在のアンダーメンバーと披露。観客は歌詞に合わせて「あ~!」と叫び、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」「Hard to say」とアンダー楽曲を立て続けにパフォーマンスすると、齋藤はやり切ったような笑顔を見せた。

 そしてここからは齋藤と後輩たちとのユニット曲を次々に披露。「Another Ghost」をソロで見せると、「Threefold choice」を3期生の岩本蓮加、5期生の小川彩と踊り、「サヨナラ Stay with me」では久保史緒里与田祐希らと美しいハーモニーを奏でた。
続く「路面電車の街」では、3期生の山下美月、4期生の賀喜遥香と哀愁漂う雰囲気で歌唱、最後には3人で抱き合う場面も。「他の星から」では4期生の遠藤さくらと息のあったシンクロダンスを。パフォーマンス後には遠藤が、寂しさからか涙を浮かべるような場面もあった。「空扉」「全部 夢のまま」ではメンバーたちがフロートやトロッコで観客の元へ。「全部 夢のまま」の最後には与田祐希が齋藤の頬にキス。しかし齋藤が頬を拭うという、いかにも彼女“らしい”姿を見せた。

 周囲からダンスの評価が高く、「ダンスはずっと楽しい」と語る齋藤のVTR後には、「Wilderness world」「インフルエンサー」とダンサブルなナンバーを披露し、「深読み」では妖艶さもあるダンスで魅了。「いつかできるから今日できる」と続く。

 ファンとの“コール&レスポンス”で齋藤が観客を鼓舞し、さらにボルテージが上がったところで、「あらかじめ語られるロマンス」へ。まだまだ満足できない齋藤の「そんなもんですか~!」「もっともっと行けると思うんでけど! 行けますよね!」の煽りで、「ジコチューで行こう!」へと移ると、観客の歓声は最高潮へ。ドーム全体が歓声に包まれる。この曲の恒例、“だるまさんがころんだ”で与田が齋藤にキスをねだる部分では、齋藤が与田の首を締め、キスゲットならずという展開に。


 その後のMCでは、齋藤に加えて、梅澤、与田、田村真佑、井上和の5人でトーク。与田が「チューもらえなくて、首絞められて、複雑な気持ち…」と話し、「明日あるかなあ」「期待しちゃってもいいのかなって思ってます」と明日の2日目公演への“リベンジ”に期待を寄せた。

 本編ラストブロックでは、バンドとストリングスの編成に齋藤がドラマーとして加わり、華麗なスティックさばきを見せると、そのまま齋藤のドラム演奏で「君に叱られた」を披露。齋藤の初表題センター曲「裸足でSummer」では、ファンが「ヘイ!」の掛け声とともにタオルを掲げた。そして本編ラストは「会場みんなが1つに」と始まった「Sing Out!」。観客のクラップとともに一体感を作り上げ、この曲の見せ場であるソロダンスを華麗にしなやかに踊る齋藤。クラップが鳴り響く多幸感に溢れる中で、本編を締めくくった。

 アンコールの声が響く中、ステージの画面に登場したのは、昨年の「真夏の全国ツアー2022」で初登場したキャラクターのトリンギョ。軽快なトークを繰り広げた後、トリンギョを模した気球に乗った齋藤が姿を見せ、アンコールへと突入。「キャラバンは眠らない」で観客に手を振る中、齋藤が屈んで姿を隠すと、再びトリンギョが登場。「トリンギョから言いたいことがあるんだ」と切り出し、「実はトリンギョの正体は…」と言うと、齋藤が再び姿を現し、「じゃ~ん、飛鳥でした~」と明かす一幕もあった。

 「他人のそら似」に続くMCで、「明日もあるんですけど、明日は見られない方もいるかなと思うので、ちょっとだけお話をさせていただきます」と話し始めた齋藤。
「この卒業ライブは最初正直、“本当にやります?”という気持ちになってしまって。ていうのも、私が12月31日でいったん活動を終えて、みんながやってたバースデーライブを配信で見たときに、すごくすてきだったので、みんな未来に向かって歩き出してるのに、また私が行ったら、過去に立ち返らせてしまうから、“どうしよう”みたいな。スタッフさんにもポロッと不安を言ってしまったりとかあったんですけど、まさか東京ドームで開催ができて。そんな不安とかいらなかったですね」と話すと観客から大きな拍手が起きた。

 スタッフやメンバーから励ましの言葉をもらったことを明かし、「皆さん温かいですね。やっと皆さんと交流できる場を設けていただいて、リアクションとか見ても熱が伝わってきてたし、きょうこうしてこんなに楽しい時間を過ごせるとは思ってなかったので、すごく幸せな1日でした。ありがとうございました」と感謝を述べ、「私に向けてくれた愛情とかをこれからメンバーのみんなに向けてくれたらすごくうれしいです。これからも乃木坂46をどうかよろしくお願いします」と語った。

 あいさつが終わると、ラストシングルに収録された自身のソロ曲「これから」を歌唱。会場は白と水色のサイリウムカラーに染まった。一部歌詞を間違える部分もあり、小さく「ごめんなさい」と謝る場面も。歌唱後には長い拍手が続いた。
しかし本人は「歌詞間違えちゃった。めっちゃ悔しい。くっそ~」とこぼし、「絶対ツイッターに書かないでください」とファンに呼びかけると、笑いが起きたていた。

 また梅澤が「それにしても『キャラバン』の間奏での“おふざけ”はなんですか?」と問いかけると、齋藤は「おふざけ? 衝撃の告白でしょう」とすっとぼけ。「実はトリンギョの正体は、飛鳥ちゃんですよ(笑)」と改めて告白すると、知っているはずのファンも「え~!」。梅澤が「皆さん知ってましたよね?」と攻めるも、ファンたちもとぼけて、梅澤は完全に劣勢に。齋藤も「私の卒コンだからね!」と完全勝利していた。

 ラストはメンバー全員で「乃木坂の詩」を歌唱し、会場はグループカラーの紫色に。1日目を終えた齋藤は「すごく幸せな1日になりました」と感想を述べ、「何を見ようが見まいが、何を思おうが思わまいが、なんでもいいので、とにかく皆さんこれからも乃木坂を愛していただければと思います。きょうは本当にすてきな景色をありがとうございました」と感謝を述べ、卒業コンサート1日目は幕を閉じた。明日の2日目の公演で、齋藤飛鳥の乃木坂46としての姿は最後となる。

 「乃木坂46 齋藤飛鳥卒業コンサート」17日公演のセットリストは以下の通り。


OVERTURE
1.ここにはないもの
2.ありがちな恋愛
3.制服のマネキン
4.ハウス!
5.ダンケシェーン
6.私、起きる。
7.のような存在
8.僕のこと、知ってる?
9.扇風機
10.あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
11.Hard to say
12.Another Ghost
13.Threefold choice
14.サヨナラ Stay with me
15.路面電車の街
16.他の星から
17.空扉
18.全部 夢のまま
19.Wilderness world
20.インフルエンサー
21.深読み
22.いつかできるから今日できる
23.あらかじめ語られるロマンス
24.ジコチューで行こう!
25.君に叱られた
26.裸足でSummer
27.Sing Out!

EN1.キャラバンは眠らない
EN2.他人のそら似
EN3.これから
EN4.乃木坂の詩

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