累計発行部数1300万部を超える、咲坂伊緒の大ヒットコミック『アオハライド』。これまで、映画、アニメ、小説とさまざまな形で展開された青春ラブストーリーの決定版が、初の連続ドラマ化される。

原作の名セリフや名シーンをあますことなく実写化する本作で、主人公・双葉を演じる出口夏希に話を聞くと、原作を愛読していたという本作への意気込み、話題作への出演が続く女優業への思いなどを、21歳の率直な言葉で語ってくれた。

【写真】透き通るような輝き! 出口夏希、美しすぎる撮り下ろしショット

◆原作愛読し、熟知しているはずのヒロイン・双葉役に大苦戦

 本作は、恋、友情、仲間、家族―蒼く切なく美しい“青春のすべて”が詰まった、WOWOW初の本格青春ラブストーリー。原作全13巻に込められた魅力をあますことなく実写化するにあたり、Season1/Season2の2部作で放送・配信する。

 双葉役を演じる出口と、双葉が恋する同級生・洸を演じる櫻井海音がダブル主演を務め、志田彩良、莉子、新原泰佑、円神・宮里ソル、曽田陵介、EXIT・兼近大樹らが顔をそろえる。

――原作を愛読されていたそうですが、実際に出演が決まり、台本を手にされた時のお気持ちはいかがでしたか?

出口:原作の漫画も小説も読んでいたので、どういう描かれ方をするんだろうとワクワクしていたのですが、原作に忠実に、漫画の1話から最後までそのまま描かれていて、うれしかったですね。連続ドラマでシーズン2まであるということで、1人1人のキャラクターがしっかり細かく描かれている印象を受けました。

――原作ファンだったそうですが、どこに魅力を感じましたか?

出口:私が読んでいたのは中学校の時だったんですけど、中学生って高校に対する憧れがすごく強いじゃないですか。双葉や洸がうらやましくて! あの時期、私の周りではみんな洸に憧れてました。私も少女漫画が大好きでいろいろ読んでいますが、洸は私の好きなタイプの男の子の中の1人ですね(笑)。

――洸のどんなところに魅かれますか?

出口:無口な感じとか、他にあんまり興味ありませんみたいな感じがすごい好きですね(照)。クールなところとかたたずまいにキュンキュンするんです。

――(笑)。
そんな思い入れのある作品で、洸に恋する双葉を演じました。


出口:原作に忠実に実写化するということもあって、いろいろ参考の材料が欲しくて、漫画、映画、アニメと見返したのですが、ちょっと反省というか(笑)。実際に自分で演じるとなると難しくて。原作を読んで、双葉の性格も分かっていると思い込んでいたのですが、こんなに苦戦するとはと驚きました。

漫画のまま演じようとするとキャラクター感が強くなってしまうので、いろいろ試行錯誤しました。原作を読んだときに感じたキュンキュンさをドラマでも伝えたかったので、どうしたらいいんだろうと悩み、監督が考える双葉と私が思う双葉をすり合わせて、いっぱい話し合いを重ねて役に臨みました。

――出口さんの感じた双葉という女の子はどんな子ですか?

出口:双葉は、中学時代にいじめられたり、仲間外れにされた経験があって、高校では女の子から嫌われたくないとあえてガサツにいこう!としたりすごく繊細な部分もあったりして、友情にも恋にも一生懸命な子だなと感じました。

自分に似ているというよりは、行動力もあって積極的で、何事も一生懸命なところがうらやましくて。こうなりたいなって思う女の子でした。

◆同世代集まる撮影現場は「めっちゃ青春」

――洸を演じた櫻井さんの印象はいかがですか?

出口:最初はすごく無口な方だなって思っていたんですけど、撮影していくうちに、少年っぽくて、おちゃめな性格をしているなって思いました。現場にいる櫻井さんは、まさしく洸でしたね。目とか、髪型もパーマをかけていて、最初のほうのちょっと冷たい感じは漫画の洸そのままだなって。


櫻井さんはスマホに原作を入れていて、撮影の間にも原作のこのシーンでは洸は右手をこうしているなとか、気にされていました。原作ではこうなってるんだけど…って、原作という答えがあるので、不安になったときには漫画に戻って、2人で相談しながら演じたのも思い出です。

――今回は、志田彩良さん、莉子さん、新原泰佑さんと同世代の皆さんがそろった現場となりました。

出口:同世代の人たちが集まってこんなに濃い時間の撮影は今までなかったので楽しかったです! 最初は人見知りをして入れなかったんですけど、みんなが引っ張ってくれました。現場では、莉子ちゃんがいろんな流行っているものに詳しくて。会話の語尾に“ぽに”をつけるのが流行っているって教えてくれて、みんなでやってみたんですけど、結局1~2回しか使わなかったり(笑)。お昼に学校の給食が出て机をくっつけて食べたり、プールのシーンは寒くて、みんなで1つのヒーターを囲んで温まったり。文化祭やお祭りなど行事のシーンも多くて、本当の高校時代に戻ったような感覚で、めっちゃ青春でした!

――本当に楽しそうな感じが伝わってきます。出口さんご自身の学生時代はどんな感じでしたか?

出口:私もけっこう中高と楽しんできていて、ほんとにこんな感じだったなぁって。小中高と昔からいる友達と今も仲がいいので、まだ青春は続いているって感じです(笑)。連絡も頻繁にとってますし会えるときは週1で会ったりしてますね。

小学校からの友達とは毎年夏に旅行に行くんです。
20歳も超えたので、みんなでちょっと遠出をして、コテージを借りてまったりするという大人な旅行をしています(笑)。

――そんな仲のよいお友達との学生時代の思い出は何かありますか?

出口:中学校のころの体育祭ですね。私のクラスの担任が体育の先生だったんです。「体育の教師なんだから、おまえら1位取らなきゃ、俺が恥ずかしいからな!」って言われて(笑)。私たちも先生のために頑張って、結果1位を取ったんですよ! それがすごい思い出になっていて、1つ1つの行事で絆がすごく深まるんだなって、今回の作品に出演して改めて感じました。

◆『沈黙のパレード』『舞妓さんちのまかないさん』が転機に

――今年デビューから5年を迎えました。

出口:気付いたら5年経ってました。「始めてどれくらい?」って聞かれることが多かったんですが、「1年目です」と答えていたのが、気づいたら今年もう5年だって…。

――映画『沈黙のパレード』、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』など話題作への出演が続きますが、演技のお仕事への面白さは感じてますか?

出口:以前はお芝居のお仕事にはあまり積極的ではなかったのですが、昨年出演した『沈黙~』『舞妓さん~』のころから、やっと楽しいなと感じ始めました。その2作は同じ時期の撮影だったのですが、そのころから作品への向き合い方も変わってきた気がします。

――具体的には何かきっかけがありましたか?

出口:セリフを覚えるのがすごく苦手で、1行ですら覚えられなかったり、「ごめん」の1言さえ出てこないときもあったりしたんです。それが『沈黙~』のころに台本の覚え方を変えてみようと思って、それまで書いて覚えていたのを、口に出して読むように変えてみました。


覚えるのがとにかく苦手だったので、どの現場に行っても先輩の方にどうやって覚えてるんですか?ってお話を聞いて(笑)。実践してみたら、すごく覚えやすい!ってなったり、前は監督に質問もできないくらいだったのですが、『沈黙~』や『舞妓さん~』で監督がとても丁寧に優しく寄り添ってくださって、自分からもお話できるようになったり。そういう少しずつの積み重ねが楽しいと思えるようになったのかなって思います。

――今後、どんな女優さんになりたいという目標はありますか?

出口:とにかく今は、目の前のお仕事に集中して、その作品をやり切ったら、そこから次、そこから次と目標を考えていきたいと思っています。

(取材・文:編集部 写真:高野広美)

 連続ドラマW-30『アオハライド Season1』は、WOWOWにて9月22日より毎週金曜23時放送・配信(全8話)。

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