本木雅弘滝藤賢一が初共演するテレビ朝日 ドラマスペシャル『友情~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」~』(テレビ朝日系)より、石田ゆり子吉瀬美智子の出演が発表された。本木演じる平尾誠二の妻を石田、滝藤演じる山中伸弥の妻を吉瀬が演じる。



【写真】ドラマスペシャル『友情』、平尾誠二・惠子夫妻(本木雅弘・石田ゆり子)と山中伸弥・知佳夫妻(滝藤賢一・吉瀬美智子)

 本作は、日本のラグビー界の礎を築いたと言われる平尾誠二さんと、「ヒトiPS細胞」の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授の知られざる友情物語をドラマ化。約10年ぶりに民放ドラマ出演を果たすことになった、平尾誠二役の主演・本木雅弘と、本木のラブコールを受けた山中伸弥役・滝藤賢一が初共演で物語を紡ぐ。

 日本代表としても活躍した元ラグビー選手で、神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼ゼネラルマネージャー。日本代表監督なども歴任し、名実ともに“ミスター・ラグビー”と呼ばれた伝説のラガーマン・平尾誠二(本木)と、「ヒトiPS細胞」の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した医師・山中伸弥(滝藤)は、雑誌の対談で意気投合して以来、家族ぐるみの付き合いを続けていた。

 “40歳半ばを過ぎてできた親友といつまでもこんな関係を続けていけたら”と願う2人だったが、2015年、平尾ががん宣告を受けて…。普通なら狼狽(ろうばい)するところ、前向きに病と闘う決意を固めた平尾と、医師として治療法や病院探しに奔走し、最後まで親友に寄り添い続けた山中。
そんな夫たちの友情を温かく見守り続ける妻を、石田と吉瀬が演じる。

 平尾誠二の妻・平尾惠子を演じるのは、石田ゆり子。平尾役の本木とは、ドラマ『聖夜に抱きしめて』(1991年)以来32年ぶり、さらに演出を手掛ける藤田明二監督とは、ドラマ『美味しんぼ』シリーズ(1994~1999年)以来24年ぶりの再会で、石田は「いつかまたご一緒したいと思っていたので、この作品に参加できて幸せだなぁと思いながら撮影に臨んでいました」とニッコリ。しかし、「惠子さんを演じる緊張感と責任感をずっと背負っていました」と、そのプレッシャーは凄まじかったようで…、「雰囲気を含めて惠子さんに似ていた」というスタッフの言葉に安堵の表情を浮かべた。

 また、特に印象的だったのは「本木さんと私が夕焼けに向かって祈るように佇むシーン」と語った石田。「特別なシーンだけ、僕はこれを着る」と語り、実際に平尾さんが着用していた上着をまとった本木と石田が美しい夕景の中に佇む…互いを思う夫婦の姿にグッとくる1シーンに。
悲しみや辛い気持ちを隠し、常に夫の意志を尊重しながら寄り添い続けた惠子を、石田が繊細な芝居で体現する。

 山中伸弥の妻・山中知佳を演じるのは、吉瀬美智子。「キャストの皆さんが豪華で、実はプレッシャーを感じていた」と語った吉瀬だが、山中が平尾と対談で意気投合して大喜びしている姿や、そこから親友となり、友情を育む姿をいつも笑顔で見守り続ける知佳を見事に体現。自身も医師である知佳は、平尾を救いたい一心で、惠子に厳しいことを言ってしまった夫に、“家族の心情を汲み取ることも医師としての役割”と訴えるなど、時に冷静なアドバイスも送る。また、平尾の前では気丈に振る舞う惠子が知佳の前では思わず涙をこぼしてしまうなど、包み込むような優しさをもつ頼れる存在でもあり…。

 吉瀬が「今回の撮影を通して、改めて“友情”っていいなと思いました。
惠子さんと知佳さんの女性同士の友情も温かくて…本当にたくさんの方に知っていただきたいです」と語ったとおり、平尾と山中の友情だけでなく、惠子と知佳の温かい交流も本作の見どころの一つ。また、吉瀬は「病気と向き合う平尾さんの前向きな考え方や、たくましい生き方を知って、自分自身も強くありたいなと思いました」と、この作品との出会いで変化した意識についても語った。

 大らかで明るく、前向きに人生を駆け抜けた平尾誠二と、彼と伴走することを決めた山中の友情。そして、そんな夫たちを温かく見守り続けた惠子と知佳の深い愛情が胸に迫る―。彼らが駆け抜けた“最後の一年”を丁寧に描き出す、知られざる感動秘話を届ける。

 テレビ朝日 ドラマスペシャル『友情~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」~』は、テレビ朝日系にて11月11日21時放送。


 石田、吉瀬のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■石田ゆり子(平尾惠子役)

 藤田明二監督とは20代の頃にご一緒して以来、本木さんともそれと同じくらい久しぶりにお会いできたので、この作品に参加できて幸せだなぁと思いながら撮影に臨んでいました。でも、今回は重たい内容ですし、ノンフィクションなので私が演じる平尾惠子さんももちろん実際にいらっしゃる…そういう緊張感と責任感を常に背負っていた気がします。そして、ずっと“神戸製鋼の平尾誠二さんって素敵だな”と思いながら拝見していたので、妻の惠子さんを演じることへのプレッシャーも相当なものでした。

 さっきうかがったら本木さんは短い撮影期間に10kg痩せたらしいんです。本当に日に日に細くなっていくので、正直心配になるくらいだったんですが、それより何より、驚くくらい平尾さんに似てらっしゃるんですよね。
でもそれは本木さんの“演じる”という意味でのプロ意識で…。仕草や言葉の発し方、関西弁のイントネーションはもちろん、平尾さんのVTRをご覧になって「こういうことを言われるんじゃないか」「こういうことは言わないんじゃないか」と、いつも研究されていて、本当に頭が下がりました。

 どのシーンも忘れがたいのですが、美しい夕景の中、本木さんと私が夕焼けに向かって祈るように佇むというシーンが特に印象に残っています。その時、本木さんが惠子さんからお借りした平尾さんの上着を着てらっしゃったんです。「誰にもわからないかもしれないけど、特別なシーンだけ、僕はこれを着る」とおっしゃっていた本木さんの言葉は、胸にくるものがありました。

■吉瀬美智子(山中知佳役)

 この作品に参加するにあたって、実はプレッシャーを感じていたんです。
でも、無事にクランクアップを迎えられて、本当にホッとしています。

 最初の方のバーベキューのシーンは、皆さんと集まって楽しく笑いながら撮影できましたし、山中教授がノーベル賞を受賞したシーンの撮影も楽しかったです。その後は、辛いシーンが増えていくんですが、中でも印象に残っているのは、平尾誠二さんが病室で意識朦朧となっている中、お母さんが駆けつけたシーンです。私も現実とリンクしているような感覚になって、本当に印象深いシーンでした。

 知佳さんを演じるうえで、難しかったのは関西弁です。自分が思っている関西弁と本当の関西弁はやっぱり違うんですよね。今回は標準語も混ぜていただいたんですが、練習し過ぎて標準語までおかしくなってしまったり…(笑)。毎回、直前まで指導の先生と練習して、撮影に臨みました。

 私は、平尾さんと山中教授にこういう歴史があったということを知らなかったので、今回の撮影を通して、改めて“友情”っていいなと思いました。惠子さんと知佳さんの女性同士の友情も温かくて…本当にたくさんの方に知っていただきたいですね。そして、病気と向き合う平尾さんの前向きな考え方や、たくましい生き方を知って、自分自身も強くありたいなと思いました。