ウディ・アレン監督最新作『Rifkin's Festival(原題)』が、2024年1月19日より公開されることが決定。海外版予告と場面写真が解禁された。



【動画】往年のウディ・アレンの名作を彷彿とさせる――『Rifkin's Festival(原題)』海外版予告

 映画と美食の街として名高い、スペインのサン・セバスチャンで毎年9月に開催されるサン・セバスチャン国際映画祭。本作は、スペイン最大の国際映画祭であり、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭に位置付けられるこの映画祭を舞台に、ウディ・アレン監督が自身の集大成ともいえる映画愛溢れる一作に仕上げたロマンチック・コメディ。実際に第68回サン・セバスチャン国際映画祭にてプレミア上映され、同映画祭は「ウディ・アレンは偉大な監督であり、映画史上最も重要な人物の1人だ」とコメントしている。

 ニューヨークの大学の映画学の教授で、売れない作家のモート・リフキン(ウォーレス・ショーン)は、妻スー(ジーナ・ガーション)に同行し、サン・セバスチャン映画祭に参加。妻は有名なフランス人監督フィリップ(ルイ・ガレル)の広報を担当している。

 モートが映画祭に同行したのには理由がある。
いつも楽しそうな2人を横目に妻の浮気を疑っているのだ。モートが街を1人ふらついていると、突如、フェデリコ・フェリーニ監督作『8 1/2』の世界が目の前に現れる。さらに夢の中では、自分がオーソン・ウェルズ監督作『市民ケーン』、ジャン=リュック・ゴダール監督作『勝手にしやがれ』に出ていたりと、アレン監督も実際に敬愛する、傑作クラシック映画の世界に没入する不思議な体験が次々に巻き起こる。そんな中、妻への疑惑のストレスで心気症となったモートは、美しい医師ジョー(エレナ・アナヤ)と出会うのだった。

 モート・リフキンを演じたのは、アレン監督の『マンハッタン』で映画デビューを果たしたウォーレス・ショーン。『ラジオ・デイズ』、『ウディ・アレンの影と霧』、『スコルピオンの恋まじない』、『メリンダとメリンダ』など多数のアレン作品に出演してきた常連俳優が、アレンの分身とも言える主人公にふんし人生の悲喜こもごもを見せる。
妻のスー役を『バウンド』、『フェイス/オフ』のジーナ・ガーション、医師ジョー役を『私が、生きる肌』、『ワンダーウーマン』のエレナ・アナヤ、映画監督フィリップ役を『グッバイ・ゴダール!』、『オフィサー・アンド・スパイ』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のルイ・ガレルが演じている。

 舞台となるのは、スペイン・バスク地方にあるサン・セバスチャン。美しいビーチや山々に囲まれ、世界屈指の美食の街でもあるリゾート地だ。撮影監督は、『カフェ・ソサエティ』、『女と男の観覧車』、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』でもアレンとタッグを組んだ、83歳の巨匠ヴィットリオ・ストラーロ。アレンとの4度目のコラボレーションとなる本作では、大西洋の青い海に面した街サン・セバスチャンの美しい風景と、ユニークなキャラクターたちを見事に捉えている。

 今回解禁された海外版予告は、モート・リフキンが映画の広報をする妻に同行してサン・セバスチャン映画祭を訪れるところから始まる。
妻スーと映画監督フィリップは、美しい街と高揚とした映画祭の空気の中で急接近。1人苦虫を噛み潰したような顔のモートは「全てに疑問が沸いてきた。僕は何者か?何を求めているのか?」と自問自答しながら街を彷徨(さまよ)う。

 ボンゴを叩くフィリップ。踊る妻。美しいスペイン人医師ジョーとの出会い。
映像の合間には、「人生は、まるで映画だ。人生は、ときに喜劇だ。ドラマチックで、ロマンチック。そしてミステリーだ」と、往年のアレンの名作を彷彿とさせるコピーが挟み込まれる。「あいつと寝たのか?」と問うモートに、「一度も…。1回だけ。
いいえ2回」と返す妻スー。最後はモートが「今までの人生を振り返ってみて気づいた。間違った決断ばかり。ここまで聞いて僕に何か言いたいことは?」と男性に語りかけるシーンで幕を閉じる。

 ロマンチック・コメディの名手ウディ・アレン監督が贈る、心躍るサン・セバスチャン映画祭を舞台に描くビタースイートな物語に期待したい。

 映画『Rifkin's Festival(原題)』は、2024年1月19日より全国公開。