よしながふみの同名コミックを実写化したドラマ10『大奥』(NHK総合/毎週火曜22時)Season2の「幕末編」で、14代将軍徳川家茂に降嫁してきた和宮を演じる岸井ゆきのからコメントが到着した。

【写真】『大奥』岸井ゆきの、“大好きな役”和宮への変身中ショット

 本作は、3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いたよしながふみの同名漫画を実写化。

Season2では、吉宗(冨永愛)の遺志を継ぎ、若き医師たちが“赤面疱瘡(あかづらほうそう)”撲滅に向けて立ち上がる物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、江戸城無血開城のために奔走する幕末・大政奉還までの物語を映像化する。

 岸井は和宮について、「人目につかないように育てられてきて、母親の愛情も満足に受けられなかった人。自分が江戸に行けば、母を独り占めできるかもしれないという企みを思いついて江戸に渡りますが、決してずる賢いという訳ではなく、ひねくれてもいないというか…。ただピュアな心で、母親と一緒にいたい、独り占めしたい、愛されたいという一心だったのだろうなと。そういう素直さ、実直さがある人」と受け取った。

 徳川家茂に対しても「母親と一緒にいたいという目的で江戸へ渡っているので、はじめは、そのための駒でしかないという印象だったのかなと思います」と明かしつつ、「でも家茂と交流する中で、ある種の“光”のようなものを感じたと思います。
『家茂は人を乗せるのが上手い』という様な話も耳にしていたものの、もし家茂の言動が策略の上のものだったとしても、それは和宮にとってはずっと欲しかった人の優しさであり愛情だったというか…。家茂に心動かされた部分は大きいだろうと思います」と和宮と家茂の関係性について語る。

 和宮は家茂の純粋さによって心解かれたといい、「家茂は『それって和宮さんすごいことですよ』と、自分を見て純粋な心で言ってくれる人。そんな人は今まで周りにいなかったので、そんな風に考える人もいたんだというのは驚きだったでしょうし。自分では開けられなくなっていた心の扉を開けてくれたのは、家茂の純粋さと純朴さがあったからなのかなと思います」と解説する。

 家茂を演じる志田彩良とは初共演。
「キラキラしていますし、家茂のピュアさがピッタリですよね。家茂は和宮にあたたかい言葉を掛けてくれますが、その言葉に嘘がないのが伝わるというか。心からそう思って言っている様に感じるんです。和宮がつい家茂に心を開いてしまうのはすごく分かるなと思いました」。

 和宮を演じるにあたっては、京言葉に苦戦したそう。「大阪弁は連続テレビ小説『まんぷく』に出演していた際に経験したのですが、京言葉初めてです。
『大阪は1音上げ1音下げ、京都はその半音』と言われて、どういうこと!?と」と笑う。

 これから物語も幕末に向けてクライマックスを迎えるが、「見どころは沢山ありますが、女性たちがかっこいいですよね。家茂もそうですし、和宮も最後に見せ場があります。もちろんフィクションではありますが、『歴史』と言っても『何年に何があった』という表面的なことだけではなく、その裏にあるものがすごく丁寧に描かれていると思います。人と人との関わり、過去を生きた人たちの営みがあって今があるというのがしっかり感じられるラストになると思うので、楽しんでいただけたらなと思います」とメッセージを寄せた。

 ドラマ10『大奥』Season2はNHK総合にて毎週火曜22時放送。