昨年の紅白歌合戦で披露した『ヨイトマケの唄』の熱唱が大きな反響を呼んだ美輪明宏の特集番組『真夏の夜の美輪明宏スペシャル』がNHKで放送されることが決定。番組で共演する黒柳徹子有働由美子アナウンサーと共に、7日、美輪が取材に応じた。


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 今回の番組では、78歳となった今でも多彩な活動を続ける美輪に半年にわたって密着。半世紀ぶりにヒット曲『メケ・メケ』を歌うなど歌手としての魅力をタップリと伝える他、野田秀樹演出作品で美輪明宏役を演じる宮沢りえに伝える「人生開運の法則」、盟友でもある黒柳と共に生きた時代を振り返りながら、日本人へのメッセージを熱く語り合うなど、盛りだくさんの内容だ。

 「なぜ夏の放送なのだろうというと、幽霊は夏に出るものだから(笑)。大変光栄でございます」と挨拶を始めた美輪。「私は昭和27年のNHKのテレビ実験放送に駆り出されてシャンソンを歌いましたが、黒柳さんも同じ頃が仕事の出発点。『夢であいましょう』など、お仕事もいろいろご一緒させて頂いたので、よもやま話が山ほどあります。お越しいただいて、大変嬉しいです」と抱負を語る。一方の黒柳も、「美輪さんを初めて見たのは、今から60年ぐらい前のNHKラジオで『ヤン坊ニン坊トン坊』をやっていた頃です。銀座にものすごく綺麗な男のような女のような人がいるから見に行こうということになり、銀巴里(美輪が出演していたシャンソン喫茶)に行きましたが、本当に綺麗な方でびっくりしましたね。その後お友達になりましたが、いつもイバラの道をかいくぐっていらっしゃる方です」と、長い付き合いを振り返る。

 かつて、美輪の持ち歌『思い出のサントロペ』をどうしても教えて欲しいことがあったという黒柳。「楽譜がなかったので、美輪さんに電話をかけて『思い出のサントロペ』を教えて下さいと頼んだら、『今、電気掃除機をかけているからとちょっと待って』と。
それから『紙と鉛筆を持って来なさい!』と言うと、電話口ですぐに歌ってくださいました。珍しい方だと思いましたね。私の方が年上なのに、美輪さんの前では年下になってしまいます」と、思い出話を披露。これを聞いた美輪は、「『思い出のサントロペ』はショッキングな歌詞の歌ですが、シャンソンは様々な庶民の私生活を描いているので、どうしてもドラマティックになり、歌うのではなく演じるわけです。だから、私の舞台にいらっしゃってくださる芸能人の方は、三國連太郎さん、水谷豊さん、杉村春子さんなど歌い手さんよりも役者さんのほうが多いですね」と、その芸の秘密の一端を見せた。

 「間もなく80歳の誕生日ですが? 」と聞かれた1933年8月9日生まれの黒柳。「77歳とか78歳とかだとごちゃごちゃしていて何歳だかよくわからないですが、80歳だとはっきりしているので、年齢は書かないでいただけますか? そして、90歳ぐらいになった時に年齢を出していただけると、もう90歳になったのかと思ってくださると思うので、明日から私の年齢を書かないでいただけません? 本当によろしくお願いしますね! 」と、いつもの早口で想定外の要求が出ると、取材陣からは苦笑も。

 「芸能界最強の存在感とインパクトがあるおふたりで、2ショットで映っているとチャンネルを換えられなくなると思います」と番組の魅力を語った有働アナ。「私は必要ないかもしれませんが、おふたりは日本の文化、芸能の歴史そのものなので、お話が収録時間内に終わるようにがんばります。スクープ映像も出ます! 」と熱くPRした。

 『真夏の夜の美輪明宏スペシャル』は、NHK総合にて8月21日22時から23時13分放送予定。
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