シェイクスピアの「リチャード三世」を鎌倉時代に置き換えるという大胆な設定のもと、いのうえひでのり(劇団☆新感線主宰)演出、青木豪脚本、森田剛V6)主演で贈る『鉈切り丸』。大阪公演での大熱狂を経て、東京公演がいよいよ明日に迫った7日、都内で公開稽古と囲み取材が行われた。


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 顔に痣、背中にコブ、片足を引きづる不自由な身体に、ずる賢くて饒舌、ピカイチの剣の腕を持ち、天下を獲らんとするミステリアスなダークヒーロー、鉈切り丸(源範頼)を演じる森田。そして今回が初舞台となるヒロイン・巴御前役の成海璃子、いのうえ作品初参戦となる範頼の兄・源頼朝役の生瀬勝久が通し稽古を前に意気込みを語った。

 「大阪で培ってきたものもありますし、完璧な舞台をお見せできると思います」と自信を口にした森田。05年に劇団☆新感線の舞台で初主演を果たした森田は、蜷川幸雄作品にも主演するなど、舞台人としての評価もうなぎ上り。そんな森田でも今回の鉈切り丸は難役のはず。だが、相当な練習の賜物だろう、「今は、普通に立っているのがツライくらいで、猫背の状態のほうが楽だったりするんですよ。ちょうどいい位置も見つけられたので(笑)」と話す。とはいえ、その姿勢で立ち回りもしなければならない。

 「鎧を着ての殺陣なので結構な重さにはなっていると思います」と衣装の大変さは認めつつ、作り上げた鉈切り丸に「身体は疲れていても、どこかスッキリしている自分がいるので、すごく楽しくやれています!」と充実の笑みを見せた。

 間近で苦労を見てきた生瀬は、「剛くんがね、本当に手を抜かずにやってるんですよ。剛くんが頑張っているから、みんなも頑張れる。剛くんの背中を見てお芝居している感じですよ。
シャイなので、言葉には出しませんが、舞台で動くことでみんなを引っ張っていますね。僕はしゃべり担当ですけど(笑)」、と現場の様子を披露。

 またこれが初舞台となる成海も「可哀想の極みみたいな役なので、ボロボロになろうと思っています。乗り切れるよう、体調には気を付けたいですが、楽しいです」と気合十分だ。

 明日から11月いっぱいの東京公演。最後に、「人間の熱というか、エネルギーを感じられる舞台だと思います。みなさん、ぜひ劇場に遊びに来てください」と森田が呼びかけた。

 ほか出演に麻美れい、若村麻由美、秋山菜津子渡辺いっけい千葉哲也山内圭哉宮地雅子木村了須賀健太ら。さらに岩代太郎書下ろしの楽曲が、生演奏され豪華絢爛な“いのうえシェイクスピア”を盛り上げる。

 森田剛渾身の殺陣が炸裂する『鉈切り丸』東京公演は、11月8日~11月30日まで東急シアターオーブにて上演。
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