2027年に東京-名古屋間、2045年には東京-大阪間で開業予定のリニア中央新幹線。その新駅誘致のために誕生した奈良市の非公認ゆるキャラ“リニー君”がネットで話題だ。
真っ白な服に青いライン、流線型の帽子をかぶり、腹ばいになることでリニアを表現するというシュールさでまたたく間に人気者となった。リニー君とは何者なのか。“中の人”に話を聞いた。

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 リニー君の“中の人”の正体は森山さんという42歳の男性だ。事情により昨年、仕事を退職。それ以降はお兄さんの経営する焼き鳥屋を手伝いながら、店を宣伝するためテレビの映り込みや動画撮影などの活動を行っているという。


 森山さんが初めてリニー君になったのは、今年5月17日に開催された「鉄道フェスタinならファミリー」という奈良市のリニア誘致イベントだった。イベントに登場したお天気お姉さん・斉藤雪乃さんのファンだったという森山さんは、びっくりさせようとリニアの仮装で参加。これが奈良市役所リニア推進課のスタッフの目にとまり、公式ツイッターアカウントで紹介され話題に。

 「もともと斉藤雪乃さんのお天気中継に、仮装をして映り込んでいたのです。クリスマスにはクリスマスツリーの仮装とか、ひな祭りにはお内裏さまとか、アカデミー賞発表の日にはオスカー像とか、色々な仮装を披露するうちに、人を驚かせる仮装に歯止めがかからなくなってリニー君が誕生したんです(笑)」。 また、「リニー君としての活動開始以前、数ヵ月ほど関東・東北地方を車で一人旅したことがあり、ふと自分の存在価値に疑問を抱きました」と振り返る森山さん。
しかし、現在では非公認キャラクターながら、奈良市のリニア誘致イベントにも参加して注目を集めており、「お子さんから大人まで幅広い年齢層の皆さんに慕われて幸せを感じています」と、充実している様子だ。

 今後はさらに奈良市へのリニア誘致を訴えるため、活動の幅を広げたいと展望を明かしてくれた。「リニー君の様々な新機能・新装備を増やし続けたいですね。数日前には3つの装備品を追加したんですよ」と、飽きられないための秘策も万全だ。また、リニア誘致の公式キャラである「りにまね」については「良きライバルであり最高の相棒」だという。

 最後にリニア誘致後はどうするのか聞いてみると、「今まで作ってきた90種類以上の仮装を世に出しつつ、リニー君に続く新たな仮装にも挑戦したいですね」と話す森山さん。
夢の乗り物・リニアと同じように、リニー君は今後もトップスピードで走り続ける。(取材・文:山田井ユウキ)