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山田詠美の衝撃作をドラマ化した本作。初恋の相手を親友・百合に奪われた真由子は、百合の息子を復讐の道具として仕立てあげるという刺激的な物語だ。「今までやったことがない役柄だったこともありますし、こういう役をずっとやりたいと思っていたので、まったく躊躇なく臨めました」とオファーを受けた時の率直な気持ちを明かす。
20年という壮大な時間を費やしての復讐劇。真由子に対しては「想像も理解もできませんが、作品では真由子のことを説明する要素がたくさん入っているので、その瞬間ごとにしっかりと演じました」とキャラクターへ感情移入はしなかったものの、しっかりと真由子を表現できたという自負をのぞかせた。
中山は「役柄に自分の個人的な感情や考えを入れ込むことが好きじゃないんです」と女優としてのポリシーを語ると「作品全体の中の一部として、私が演じる役が成立する芝居であればいいなと思っているんです」と個性的な役柄も、周囲とのバランスを保つことの重要性を述べた。
“愛”と“復讐”と“欲望”が入り混じった愛憎劇が展開される本作だが、やはり中心となってくるのは「愛」だと中山は語る。「真由子は復讐が目的でしたが、どんどん心が“愛”に動いていくところは非常にドラマチックですよね」と作品の持つ魅力を説明。
さらに源孝志監督の演出も濃厚な作品のイメージにピッタリだという。「女性の物語なのですが、すごく男性目線なところがあり、そこが何ともいえない色気になっていますね。あまり注文の多い監督ではありませんが、すごく細部にまでこだわった演出をされる方です」。
待ち望んでいた役柄。中山にとって新境地となる重要な位置づけの作品だが「これまでとは違った一面が出せると思っていたのですが、演じているときは『あれ、それほど変わっていないのかな』とがっかりした部分もあったんです。それをどうやって埋めていくべきか悩んでいました」と心情を吐露。しかし「出来上がった作品を見たら、思ったよりちゃんとできていたんだなって思いました」と笑顔を見せる。
原作者の山田のファンだという中山。「20代の頃は結構読んでいて憧れていたので、オファーをいただいた時はうれしかったです」と当時を振り返ると「原作と映像化作品って違うので、ファンの想像を壊してしまうんじゃないかという恐れもありました。でも山田さんとお会いした時に『すごく楽しみ』と言っていただけたので安心しました」と対面したときのエピソードを語った。
「人間の汚いところや、醜いところがふんだんに出ているので、きれいごとじゃない人間らしさなどを感じていただけたらと思います」と見どころを語った中山。彼女が演じる愛憎劇に注目したい。
『連続ドラマW 賢者の愛』はWOWOWプライムにて毎週土曜22時放送中、全4話。9月9日24時より、1~3話を最終話直前に一挙放送。