胸キュンもののラブストーリーや思わず涙してしまう家族愛など、毎期、見どころのテレビドラマ。主役やヒロイン、相手役に注目が集まりがちだが、秀作には必ずと言っていいほど、安定した演技で物語を引き締める脇役の存在がある。
中でも、ここ最近、石野真子が演じる母親役が印象的だ。現在放送中の『ボク、運命の人です。』でも母親を演じている石野の魅力を関係者に聞いた。

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 亀梨和也山下智久の共演が話題の『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系/毎週土曜22時放送)では、ヒロイン・木村文乃の母親・湖月善江役を演じている石野。ドラマは、幼いころから何度も何度も奇跡のようなすれ違いを重ねてきた誠(亀梨)と晴子(木村)が自称・神(山下)の助言に従い、ついに出会うというラブコメディー。ほぼ初対面の相手に「ボク、運命の人です」と声をかけるという、最悪の出会いから始まった二人が「運命の恋」に発展するのか、今後の展開が期待されている。そんな本作で、石野は家庭を守りながらも悪気なくチクリと辛辣なこともいう、味のある母親として登場している。

 6日放送の第4話では、自分は「恋愛のスイッチを失った人物」だという晴子の悩みを聞かされた誠。しかし、本気で晴子を好きになった彼は、あきらめないと宣言。殻に閉じこもりかけた晴子に、石野はどのような母の一面を見せるのか…。


 『ボク、運命の人です。』福井プロデューサーは、石野の起用について「湖月善江という役は、厳しいけれど優しい母親という役どころなので、辛辣なことを言っても許される愛嬌がある方を、と考えたときに石野さんにお願いしたいなと思いました」と理由を明かし、「石野さんは、ヒロインの晴子が甘えられる優しさを“自然体”で表現してくださる方。晴子が帰ってくる場所・湖月家に“リアリティー”を与えてくださるとても大切な女優さんです」と続けた。 石野はこれまでにも、母親役として存在感を発揮している。

 昨年放送された福士蒼汰土屋太鳳共演、人気コミックのドラマ化『お迎えデス。』(日本テレビ/2016年4月期放送)。福士演じる堤円の母親・由美子役を演じた石野は、夫とは再婚で娘とは血が繋がっていない。そんな複雑な家族関係でありながらも、絵に描いたような“いい母親”像を作り上げた。ある日、娘の産みの母親が現れ、娘が“産みの母”か“育ての母”かを選ぶ場面では、育ての母=由美子を選ぶシーンで思わず涙を誘う感動の一幕だった。

 また、今年初めに放送された、西内まりや主演『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ/2017年1月期)では、西内演じる高梨あすかの母・典子役として石野が出演。あすかは、典子を理想像とし、あたたかく仲のよい自身の家族・家庭を築き上げた功労者として母を尊敬し、笑顔が印象的な家族思いの母親を演じている。典子は、ときにミーハーで、大好きなナナリュー(山村隆太)を見て舞い上がる可愛らしい女性で、それは石野の持つイメージそのままでもあり、まさにハマリ役だった。


 ドラマの主人公たちを優しさだけでなく、時に厳しく、時に愛嬌たっぷりで見守り、視聴者をあたたかい気持ちにさせてくれる母親・石野真子。今後、ドラマの家族シーンには欠かせない存在となりそうだ。
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