【写真】クセが強すぎるエンジニア役を怪演する徳重聡
第3話。帝国重工の水原(木下ほうか)に呼び出された佃(阿部寛)は、ギアゴーストの買収話に絡み、信用調査を受け入れなければならないと告げられる。信用調査当日、経理部長の殿村(立川談春)が自宅を出ようとすると、父・正弘(山本學)が倒れているのを発見、緊急手術を受けることに。父親の付き添いで出社できない殿村。そんな中、帝国重工の安本(古坂大魔王)に詰問される佃製作所のメンバーたちは、指示された覚えのない書類の不備で窮地に立たされる…。
徳重といえば、2000年に行われた「オロナミンC「1億人の心をつかむ男」新人発掘オーディション~21世紀の石原裕次郎を探せ!~」で、5万人を超えるエントリーの中から、見事グランプリに輝いた逸材。俳優としての基礎レッスンを経た2004年には、テレビドラマ『弟』で石原裕次郎を演じて話題となった。その後、刑事ドラマに出演し、大河ドラマなどの時代劇にも進出。しかし、イケメン俳優が群雄割拠する芸能界。彼の187cmの高身長と端正なマスクを持ってしても、ドラマや映画の中で個性が埋もれてしまうことも多かった。
そんな徳重が『下町ロケット』で挑む役柄は、佃製作所の技術開発部に所属するエンジニアの軽部。佃製作所が新規事業として参入するトランスミッションに使う“バルブ開発チーム”のリーダーに任命され、立花(竹内涼真)と共にバルブの開発を進めるというキャラクターだ。
鳴り物入りで芸能界デビューを果たした“稀代のハンサム”の面影はどこへやら。浅黒い肌と妙に痩(や)せて角ばった顔面で、クセの強い堅物エンジニアを怪演している。悪役俳優への脱皮を果たした彼が、今後本作でどんな表情を見せてくれるのか見逃せない。(文:スズキヒロシ)