【写真】ストーリーが大きく動き出す『わたし、定時で帰ります。』第7話場面写真
朱野帰子の同名小説を基にする本作は、過去のトラウマから“残業ゼロ、定時で帰る”をモットーとする32歳の独身OL・東山結衣(吉高)が、くせ者の同僚社員たちの抱えるさまざまなトラブルを解決していくさまを描く。
今回のドラマは、これまで『アンナチュラル』や『中学聖日記』などを手掛けてきた新井プロデューサーにとって、初の「お仕事ドラマ」となる。「(原作は)タイトルからして今の時代を象徴していると思いました。特に大きな事件は起こらないのですが、日常のささいな出来事で人間ドラマが作れるなという印象でした」。
当初は「定時に帰るなんて勇気いるな」とヒロインの結衣についても感じていたというが、取材を進めていくと、「定時で帰ることは当たり前の人も多いんだと目が覚める思い」だったという。「“テレビ局は特殊な世界だから”とか“分かってないな~”と言われるのは嫌だったので、新人やワーキングマザーなど、さまざまな立場の人に取材を重ねました」。
「結衣のような30を過ぎたくらいの年代は、上からは“下をなんとかしろ!”と言われ、下からは“あの上司なんとかしてください!”と言われる。どっちの気持ちも分かるし、どっちともうまくやりたい。中間で大変な年代なんです」と話す。
そんなヒロインを演じる吉高は「“結衣=吉高”なんじゃないかというくらい、せりふを自分のものにして話している。アドリブも『え? 本当にそう思ってるの?』と吉高さんに聞きたくなるくらい、結衣としての言葉なのか、吉高さん自身がそう思って話しているのか分からないほど、ハマって演じてくれています」と太鼓判を押す。 ドラマも後半に差し掛かり、物語はさまざまな観点で大きく動き出す。ユースケ・サンタマリア演じるブラック上司・福永と結衣の対決を軸に、第6話で向井理演じる晃太郎の弟だと判明した柊(桜田通)の動き、結衣、巧(中丸雄一)、結衣の元婚約者・晃太郎の三角関係…。「晃太郎の“今でも好きです”宣言から、結衣と巧の関係に変化が。そんな中、結衣は仕事でトラブルが重なり、何かと晃太郎と一緒にいる時間が増えてきて…。結衣は巧と晃太郎の関係はどうなっていくのか…。さらにそこに圧をかけてくる福永の存在。後半は、チームワークを大切にし始める結衣の変化にも注目してほしいです」。
「仕事とプライベートは直結している。
各局特番が顔をそろえた平成最後の4月30日にも、“定時”に平常通りに放送され“平成最後に放送された連続ドラマ”となった本作。遅くまでの撮影やロケが続いたりなどはなく、「連ドラを撮影しているのに、きついっていう瞬間がない」と語るように、現場でもテーマに沿って「働き方改革」が行われているそうだ。終盤に向けて、仕事でもプライベートでも、令和に生きるヒロインがどんな選択をするのか、引き続き視聴者から大きな反響が寄せられそうだ。(取材・文:編集部)
火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』は、TBS系にて毎週火曜22時放送。