【写真】舞台『フリムンシスターズ』フォトギャラリー
松尾にとって、シアターコクーンでは4年半ぶり、シアターコクーン芸術監督に就任後では初の書き下ろしとなる本作。故郷・沖縄での忌まわしい過去を記憶から消し去り東京の西新宿で暮らす女、そこで出会う絶不調のミュージカル女優、女優の親友のゲイ、自殺願望を持つ青年、さらには足の不自由な女優の妹、謎のバスタオルおじさん、激しめのオカマなど“狂った人間=フリムン”が次々と登場し、過去や現在のさまざまな出来事が連鎖していった末、歌って踊って怒涛のラストを迎える。
今年女優生活20周年を迎える長澤まさみは、シアターコクーン初登場。松尾が監督・脚本・主演を務めた映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』で主人公の友人役を務めた秋山菜津子は、長澤とは2017年松尾が上演台本・演出を務めた『キャバレー』以来の共演で、女同士の友情物語を体現する。また、大人計画の看板俳優・阿部サダヲがこの物語に奥行きを与える。
さらには、皆川猿時、栗原類、オクイシュージら、松尾作品の常連ともいえる俳優陣に加え、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、篠原悠伸、山口航太、羽田夜市、笹岡征矢、香月彩里、丹羽麻由美、河合優実、片岡正二郎と総勢18名の個性豊かなキャストが集結した。
作・演出の松尾は「実は、女同士の友情を描いた話が昔から好きで。それで今回は長澤さんと秋山さんとのバディものにしようと思いついたんです。でも二人組だけでは淋しい気がして、阿部のオネエと女優の秋山さんとそのファンの長澤さんという三人組の物語になりました。当初の予定では“音楽劇”を作るはずが、自粛期間にあまりにも時間があったもので歌詞や構成を考える時間がたっぷりあったことから“ミュージカル”としての新作、ということになりました(笑)」と説明している。
長澤は「また松尾さん独特の世界観を味わえると思うと、嬉しさが込み上げてきます」、秋山は「今回演じる役は、以前、松尾さんが監督された映画に出演させていただいたときに演じた役柄に通ずるところもあるようで、楽しみです」、阿部は「長澤まさみさんと秋山菜津子さんと僕の3人の女の友情物語ですって…女の!?…楽しみです!」とコメントしている。
COCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』は、東京公演がBunkamuraシアターコクーンにて10月24日~11月23日、大阪公演がオリックス劇場にて11月28日~12月6日上演。