女優の白石聖が主演を務めるドラマ『恐怖新聞』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜23時40分)を演出する中田秀夫監督がインタビューに応じ、独特の「数字で示す演出法」や主演・白石の魅力について語った。
【写真】江戸時代が舞台『恐怖新聞』第5話を振り返る
◆数字を使った演出法は『リング』(1998)から
中田監督が数字を使った演出をするようになったのは、映画『リング』(1998)の頃からという。
本作に出演する佐藤大樹は「今の3.5倍でやって」と言われたのが衝撃的だったという。中田監督は「普通は『3倍と4倍の差ってどんなんだっけ?』ってなりますよね(笑)。でも現場に入ると、俳優さんって『3.5倍』とか言っても『ははん』とか笑わずに、結構マジメに『3.5ですね、わかりました』とか言ってやってくれるんですよ。なので、リハーサルのときから『僕、(演出指示で)数字を使うから』と話したりしますね」と話す。
なぜ数字なのかについては、「たとえば『もう少し』って言われた俳優さんとしては『もう少しって、どれぐらい少しなのよ』って思うじゃないですか(笑)。だから『極端にデカくやって』って言うより『10倍でやってください』って言ったほうが伝わりやすいかなと思ってこの方法になりました」と説明した。
◆ホラーはヒロインがミソ
『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演を飾った白石。監督は、「どんなホラードラマでもホラー映画でも、やっぱりヒロインがいかに不安とか恐怖におののくかっていうことが実はすべてのミソなので」と語り、白石について「『全部演じきるんだ』っていう覚悟を持っているように感じました。現場にいる白石さんは(これは褒め言葉ですけど)男勝りというかスパーンとした男っぽさがあるというか、非常に潔い性格の人だと思うんです。
◆殺陣初挑戦の佐藤大樹は「覚えが物凄く早かった」
一方、江戸時代を舞台に描かれた第5話で殺陣に初挑戦した佐藤について、アクションコーディネーターの東山龍平は「プロのダンサーということもあり、佐藤くんは手順の覚えが物凄く早かったのを覚えています。すぐそれなりの形にしてしまうので、どんどんスピードも上がってしまい、その都度、竹光(木製の模擬刀)からジュラルミン刀(真剣に近い重さ・バランスのもの)を持たせて同じ動きを反復し、重たいものを振り回しているということへの意識をはっきりとさせて、リアルとケレンの間を行ったり来たりしていました」と高く評価した。
オトナの土ドラ『恐怖新聞』は、東海テレビ・フジテレビ系にてり毎週土曜23時40分放送。