沢村一樹が主演を務めるドラマ『DOCTORS~最強の名医~』(テレビ朝日系)の新春スペシャルが4日午後9時より放送され、12.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマーク。改めて、その根強い人気を示した。



 同ドラマは2011年10月期に第1シリーズが放送され、平均14.8%と高い視聴率を記録。その後の第2シリーズ(13年7月期)は18.3%、第3シリーズ(15年1月期)は14.4%と高い数字をキープしてきた。スペシャル版も、13年6月1日放送分が14.7%、15年1月4日放送分が12.5%を記録。これまで、連ドラ、スペシャルを通じて、1ケタ台に転落したことが一度もなく、同局にとっては「確実に数字が取れるドラマ」なのである。

 ただ、今回のスペシャル版放送にあたって課題もあった。それは、ドラマの舞台となっている堂上総合病院院長・堂上たまき役の野際陽子さんが昨年6月に亡くなり、大きな“穴”があいてしまった点だった。


 今スペシャルでは、堂上院長がブータンに診療所を開業し日本を離れたとの設定で、新院長には、たまきの甥・森山卓(高嶋政伸)が就任。腕は確かだが、性格に問題がある森山院長は、同病院のスゴ腕外科医・相良浩介(沢村)と、ことごとく対立しながらも、少女の生体肝移植手術を協力して成功させる……という展開だった。

 3年ぶりの放送、メインキャストの野際さんがいなくなったことで、不安視もされたが、比嘉愛未正名僕蔵浅利陽介伊藤蘭小野武彦といったおなじみのメンバーは健在。終わってみれば、変わらぬ人気を示し、ファンからは第4シリーズの放送を熱望する声も多数上がっているようだ。

『DOCTORS』では本領を発揮した沢村だが、ここ数年、主演ドラマが相次いでコケており、厳しい状況が続いている。昨年10月期の『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!』(テレビ東京系)は平均3.99%と、歴史的な大爆死。
16年10月期『レンタル救世主』(日本テレビ系)も7.2%と大コケ。14年4月期『ブラック・プレジデント』(フジテレビ系)も7.5%に沈んでおり、『DOCTORS』を除けば、主演ドラマが3作連続でズタボロなのだ。

 当然業界内では、「沢村が主演では数字が取れない」との風潮になりつつあるのは避けられないところ。それを払拭するためには、やはり『DOCTORS』続編をやるのがいちばんといえそうだ。

「これだけ安定して高視聴率を挙げられるのですから、テレ朝としては続編をやりたいでしょう。3年のブランクがあったため、新春スペシャルで視聴者の反応を見たようですが、その人気は健在でした。
こうなると、テレ朝も、がぜんヤル気になるのではないでしょうか。問題は、沢村がNHK大河ドラマ西郷どん』に出演しており、スケジュール調整が難しい点。ただ、沢村の役どころは、島津家第28代当主・島津斉彬(渡辺謙)の家臣・赤山靱負役で、さほど重要なキャストではありません。従って、出演シーンも、そこまで多くはないと思われますので、調整は可能では?」(テレビ誌関係者)

 ただ、テレ朝の場合、シリーズモノの続編が多く、連ドラの枠に限りがあるのは確か。果たして、同局は『DOCTORS』第4シリーズ実現に向け、舵を切るのだろうか?
(文=田中七男)