長時間化するプロ野球の生中継放送をめぐって、テレビ局が動き出した。

 日本中で大きな話題を呼んだ広島東洋カープと福岡ソフトバンクホークスのプロ野球・日本シリーズ。

開幕の第1戦は32年ぶりの引き分けスタートで、4時間38分を要した。その後も接戦に次ぐ接戦で、第3戦は3時間57分、第4戦は3時間21分、第5戦は4時間25分と長時間の試合ばかりとなった。その影響をモロに受けたのが、生中継を編成したテレビ局だ。

 野球放送の延長は、相次いで人気ドラマに影響することに。10月30日の『中学聖日記』(TBS系)は40分遅れの午後10時40分から放送。10月31日のドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)は1時間15分遅れの午後11時15分から、さらに11月1日のドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)に至ってはかなり遅いタイミングで放送休止を告知し、ネット上では怒りの声が相次いだ。


「こういったこともあり、日本シリーズやクライマックスシリーズをデーゲーム(昼間の試合)にできないかと、テレビ局側が動き始めています。日本シリーズに関しては、前提として全国に試合終了まで放送しなければいけないという条件の下で、テレビ局が日本野球機構(NPB)から放映権を購入しているため、途中で放送を打ち切れません。高視聴率が見込める日本シリーズですが、連続ドラマの放送時間が大幅に変わると、毎週楽しみにしている視聴者からクレームが殺到してしまうこともあり、局としては頭の悩ませどころです。まずは2011年の第1戦のように、土曜、日曜だけでもデーゲームにできないものかと、要望を出しているようです」(テレビ局関係者)

 逆に放送時間を遅らせようとして、それに合わせた要望を出しているのが、毎年TBSで放送されているドラフト会議だという。

「ここ最近は夕方の時間帯に生中継をしていますが、今年は関東で平均視聴率14.2%(ビデオリサーチ調べ、以下同)、関西では20.9%をたたき出しました。仮にもう少し遅い19時からのプライムタイムに放送すれば、さらに視聴率が上がるともくろんでいますよ。
こちらも局側が積極的に働きかけているといいます」(同)

 野球ファンや視聴者にとって、一番見やすい、いい形を模索していってもらいたいものだ。