「週刊文春」(文藝春秋)2019年12月19日号より

今週の注目記事第1位「安倍首相補佐官と美人官僚がノーベル賞山中教授を“恫喝”した京都不倫出張」(『週刊文春』12/19号)

同・第2位「初告白『氷川きよし』が自殺も考えた『生きづらい』胸の内」(『週刊新潮』12/19号)

同・第3位「『はとバスは、かくして殺人バスに』インフルでも働かせる異常な労働環境」(『フライデー』12/27号)

同・第4位「ニュース最前線/新聞、雑誌は生き残れるのか-既成メディア余命宣告」(『サンデー毎日』12/22号)

同・第5位「進撃のYahoo!/「帝国」の代表者」(『ニューズウイーク日本版』12/17号)

同・第6位「愛人契約の『次期農水大臣』から手切れ金をゆすった美貌『上智大生』請求書」(『週刊新潮』12/19号)

同・第7位「松田聖子と沙也加『音信不通』5年」(『週刊文春』12/19号)

同・第8位「『雅子皇后』お誕生日『ご感想』に隠された異変」(『週刊新潮』12/19号)

「雅子さま誕生日文書『二度延期』“遅刻常習”への不安」(『週刊文春』12/19号)

同・第9位「永山基準という呪縛!どうして『新潟女児殺害』『熊谷6人殺し』が死刑じゃないのか」(『週刊新潮』12/19号)

同・第10位「特捜部が狙う秋元元副大臣『黒い履歴書』」(『週刊文春』12/19号)

同・第11位「自分の子は溺愛 豊洲タワマン虐待『育児漫画のカリスマ』“連れ子”を暴行死させた『年収一千万』IHI社員」(『週刊文春』12/19号)

同・第12位「細川たかし&美人市議会議員『どこに行くのもずーっと一緒』」(『フライデー』12/27号)

同・第13位「中田英寿 職業『旅人』の日替わり美女巡礼」(『FLASH』12/24号)

同・第14位「この年末年始に老親が亡くなったときの手続き-知っておけば慌てない」(『週刊現代』12/21号)

【巻末付録】現代のSEXYグラビアを採点する!

 早いもので、もうあと残すところ、2週間ほどで2020年を迎える。

 この歳になって、師走をバタバタ過ごしているのはみっともないが、例年になく今年の暮れは忙しい。

 酒を飲む時間だけは確保しているが、本を読む時間がないのがつらい。

 読もうと思っている本が山になっているが、この山がなくなるのは相当遠い先になる。

 愚痴をいってないで早速始めよう。

 現代は先週金曜日に発売されたが、私には読むところがない。

 仕方ない、年末年始に老親が亡くなった時どうするかという記事でも紹介しておこう。一番の問題は、死亡診断書を書いてもらいたくても医者が休んでいることだ。

そんな時は病院へ行って、医者に書いてもらう。

 葬儀屋はかきいれどきだから心配ない。困るのは火葬場が、正月三が日は休むこと。その後も混んでいてなかなか順番が回ってこない。そんな時は葬儀屋の安置室か火葬場の安置室を利用することだが、1泊1000円から1万円程はかかるという。まあ、こんなこと知らなくても、葬儀屋が教えてくれるがね。

 中田英寿(42)という男は生き方がかっこいい。サッカーで天下を取ったら、そこから離れて職業は「旅人」と称して自分の好きなことだけやる。

 こんな生き方ができたら、女が寄ってきてもしょうがないだろう。

 FLASHは、そんなある日を目撃している。11月上旬には日本橋の高級レストランから出てきた中田を目撃。

 隣には歌手のクリスタル・ケイというのがいたそうな。

 自宅はニューヨークの豪華なアパート。だから普段はホテルが定宿になる。

 11月下旬には、渋谷の会員制バーから出てきたところを目撃。

 広瀬すず風の美女を連れていたという。かっこよくて(少し背が低いが)、カネがあって、話も面白いのだろう。

 これで一人というのは犯罪ではないか。

とまあ、もてない老人は、悔しさに手を震わせながら、FLASHを床にたたきつけたのである。

 フライデーが、演歌の大御所・細川たかし(69)が、千葉県君津市の市会議員・加藤喜代美(46)と、どこへ行くにも一緒だと報じている。

 細川は昨年奥さんを失くしたそうだから、女の一人や二人いてもいいじゃないかと思うが、加藤には亭主がいるという(加藤はフライデーに文書で「私は既婚者ではありません」といっているが)。名古屋、那覇、秋田。細川の行くところ常に加藤がいるそうだが、「公務」の方はどうなっているのかと、フライデーは要らぬ心配をしている。いいじゃないの~幸せならば。

 文春は、豊洲のタワマンで、連れ子の3歳の男の子のお腹を殴って死亡させた母親の交際相手・渡邉雄二容疑者について報じている。渡邉は帝京大理工学部で宇宙工学を学び、IHIに就職。エンジニア職に就き、社内でも屈指のエリートだったという。

 男児の母親も、育児漫画のカリスマといわれているそうだ。そんな2人がなぜ? その疑問には答えてくれてはいない。

 さて、俳優の梅宮辰夫が亡くなった。

享年81。これで映画『仁義なき戦い』の主要俳優たちのほとんどがいなくなってしまったな。

 ところで臨時国会の最中に、東京地検特捜部が秋元司衆議院議員(48)の元秘書2人の家宅捜索に入った。その会社は、元秘書が2011年に設立したもので、芸能ビジネスなどを手掛ける会社だという。一時は秋元自身も顧問を務めていた。

 秋元には前々から、付き合っている「怪人脈」が噂になっていた。昨年の大晦日には、ボクシング元王者・メイウエザーが参戦した格闘技イベントに、プレゼンターとして登場したが、招聘に関わったグループには反社勢力が含まれていた。

 4月に文春は、秋元が東レの社長にヤミ金の借金1億2000万円を取り立てたと報じている。パチンコ業界やカジノ業界とも近いといわれているそうだ。

 特捜部の狙いは、文春によれば、安倍政権の肝いりの「企業主導型保育事業」を巡る詐欺事件への、秋元の関与だそうだ。

 特捜部の平検事たちは、年末の予定をすべてキャンセルして臨戦態勢を取っているという。来年1月に交代すると見られている森本宏特捜部長の威信がかかっているというのだが、注目である。

 新潮のグラビアが必見。議員会館地下の売店では、首相の饅頭が売られている。ここ何年も「晋ちゃんまんじゅう」がお土産の人気だったようだが、異変が起きていた。

「新しい時代の晋ちゃんまんじゅう」は、内閣改造のときの大臣がズラッと並んでいる。

 小泉進次郎らしき人物の「ありがとう平成!!」という吹き出しがある。だが、この中にはスキャンダルで大臣を辞めた菅原一秀や河合克之もいるからだろうか、それとも、「桜を見る会」疑惑もあり、安倍政権の終わりが近付いたことで不人気なのだろうか、定価700円が500円に値下げされ、「賞味期限が近いため大特価です」と書かれているのである。安倍首相は知っているのだろうか。

 新潮は、2015年9月に起きた熊谷6人殺害事件の犯人、ペルー国籍のジョナタン被告(34)に対して、一審の裁判員裁判で死刑判決が出たのに、東京高裁は12月5日、それを覆し無期懲役判決を出したことに異を唱えている。

 東京高裁は、被告は事件当時、統合失調症に罹っていて心神耗弱状態だったことを理由に挙げているが、被告に妻と2人の娘を殺された遺族は、被告は妻と娘たちの遺体をクローゼットに押し込んで、床に着いた血痕も拭き取っていたし、捜索に訪れた警察官に気付くと内鍵を閉めるなどしているから、心神耗弱状態などではなかった、こんな判決を出した裁判長を怒鳴りつけてやりたいと語っている。

 なぜこのような判決が出るのか。よくいわれることだが、1983年に最高裁が示した「永山基準」というものがあり、「よほど残虐性が高い」と判断されなければ死刑は回避されてしまう。

 今回も、それが適用され、無期に減刑になったのだという。裁判員裁判が始まってから、一審で出した判決が、二審でひっくり返ることがよくある。そのためもあってか、裁判員候補の辞退者が7割近くにも上るという。

 せっかく、辛い思いをしながら自分たちが出した判決が、二審でひっくり返されるのでは、苦労してやる意味がないと思うのであろう。せっかく、一般人の感覚を裁判に取り入れることで始まったのに、古めかしい永山基準を後生大事にする裁判官が「専門家の考え」で押し切るのなら、この制度は意味がないのではないか。今一度、この制度を見直す必要があると、私も考える。

 さて、新天皇が誕生して以来、人気が沸騰していた雅子皇后だが、ここへきて、宮内庁や週刊誌の論調が変わりつつあるようだ。

 きっかけは、12月9日の雅子皇后の誕生日に発表した「ご感想」にあるようだ。

 6日に記者たちに配られるはずだったこの文書が、2日遅れたのである。新潮によると、宮内庁から、「お近くで拝見するとお疲れがたまっていらっしゃるのが窺えます」「御即位1年目のハードスケジュールがたたって一気にご体調が崩れはしまいかと、案じられるところです」と、皇后のことを心配しているように見せかけながら、内心では、それ見たことかという思いが言外に滲み出ている宮内庁関係者のコメントが次々に出て来るのである。

 私は、雅子皇后ご自身で、これだけ長文の、しかも多岐にわたった「ご感想」を書いたのだから、相当な時間がかかったのは無理もないと思うのだが、宮内庁の人間や記者たちは、そうは思わないらしい。

 さらに医師団から、「依然としてご快復の途上で、ご体調には波がおありになり、過剰な期待を持たれることは、かえって逆効果になりうる」といった見解が出たことで、新年行事、特にNHKで生中継される「歌会始」は、「慣れない御身にとっては重圧となりかねません」(宮内庁関係者)と、さらにプレッシャーをかけているのだ。

 02年12月に、皇太子と2人でニュージーランド・オーストリア訪問のとき以来、雅子皇后は会見に臨まれていないから、17年間も国民に肉声を届けていないではないか。2月の天皇の誕生日や、即位1年目といったタイミングで、雅子皇后が同席する会見があってしかるべきだともいう。

 女性セブンには、雅子皇后の実家では、父親の小和田恆が87歳になり、母親・優美子も高齢のため「老老介護」ともいえる状態で、雅子皇后の悩みは尽きないと報じている。

 思えば、結婚してすぐに、宮内庁は「世継ぎを生め」といい続け、週刊誌などを使って、雅子妃にプレッシャーをかけ続けた。

 そうしたこともあって、雅子妃は精神的に追い詰められ、「適応障害」になってしまったことは間違いない。

 ここはそっと見ていてあげることこそが、雅子皇后のためにも一番いい。宮内庁もメディアも、二度と同じ間違いを犯してはいけない。私はそう考える。

 こういうのを似た者母子というのであろう。歌手の松田聖子(57)と娘の沙也加(33)のことだ。

 沙也加は12月4日に、舞台俳優の村田充(42)との離婚を発表した。きっかけは、沙也加がジャニーズJr.の秋山大河(27)と不倫していたと女性セブンが報じたことだったという。

 沙也加の男遍歴は15歳で歌手デビューした直後に、一回り上のギタリストとの不倫から始まったようだ。聖子は猛反対し、2人の大げんかで警察が出動する騒ぎになったこともあったそうだ。高校を卒業すると、聖子は娘を勘当して自宅から追いだした。

 結局、その男とは破局し、大地真央の引きで舞台に復帰したが、共演者やミュージシャンと付きあっては別れることを繰り返していたという。

 沙也加はかつて、「ママみたいになりたくない」といっていたそうだが、男遍歴は母親に匹敵するといっていいだろう。

 聖子は、郷ひろみと破局してから、神田正輝と結婚して沙也加を生むが、間もなく離婚。英語教師やバックダンサー、主治医の歯医者、マネージャーなど十指に余る。

 文春によれば、この母娘は5年ほど音信不通だという。現在は、聖子と母親VS.聖子の兄と沙也加という対立構造になっているそうだ。

 こうした骨肉の争いを抱えながら、聖子は5万円のクリスマスディナーショーを開き、チケットはほとんど完売するそうだ。

 還暦間近の彼女が「赤いスイートピー」を唄う時、わが娘との不仲を思って「泣きそうな気分」になるのだろうか。

 新潮の巻頭特集は、次期農水大臣と目されている小里康弘代議士(61)が、3年ほど前、六本木の会員制ラウンジで知り合った若い女性(上智大)にSEXを求め、1回10万円ほどを渡していたというものである。

 彼女がいうには、ショートメールで「今日会える?」というメッセージが来て、逢瀬の場所は東京・赤坂のエクセルホテルだったという。

 足掛け3年に及ぶ付き合いにピリオドを打ったのは彼女のほうからだった。そこでこんなメールを送った。

「これまでの関係を清算したいと存じます。つきましては300万円をお支払いいただけますでしょうか」

 これって恐喝になるんじゃないのかね。小里が訴えないと見切ってのことなのだろうが。

 彼女はもっと大きい金額を提示しようと考えたが、同じようなトラブルを抱えている友人に相談したら、300万円ぐらいと聞いたので、そう提示したら、「さすがにそれは高すぎます」といってきたので、180万円で手を打ったという。すでに振り込みもされたそうである。

 不可解な記事だが、小里代議士の父親は宏池会で、村山内閣で阪神大震災のとき、震災対策担当大臣を務め、宮沢派から派閥を受け継いで小里派を名乗った大物議員だった。

 小里は、父親のカネと看板、地盤を受け継いだ典型的な二代目である。したがって、新潮の直撃にもしどろもどろ。

「世の中のね……じゃあ、ね。こう決めました。要するに、私はそういう、道徳に悖るような、あのー、行為、活動は一切ありません。対女性関係においても、また、対一般の関係においても、対地元の関係においてもですね。一切ありません」

 当選5回だそうだが、これでは任命下手の安倍首相でも大臣にはできないだろうな。

 話はガラッと変わるが、22日(日曜日)は有馬記念である。

 今年はGⅠ馬が11頭出走という豪華版だが、注目は現役史上最強馬といわれるアーモンドアイが、どういう勝ち方をするのかというところにある。

 だが、骨っぽい馬も多く、簡単に勝てるかどうか。

 アーモンドアイのほかに、スワーヴリチャード(ジャパンカップ)、リスグラシュー(宝塚記念・コックスプレート)、フィエールマン(天皇賞春)、アルアイン(大阪杯)、ワールドプレミア(菊花賞)、サートゥルナーリア(皐月賞)と、多士済々である。

 今年G1は未勝利だが、ヴェロックスやキセキも勝てる力はある。

 やはり史上最強といわれたディープインパクトも、ルメール騎乗のハーツクライに敗れたのだから、中山の2500mはなかなか手ごわく、ドラマが生まれる競馬場でもある。

 私は、アーモンドアイ危うしと見ている。自在の脚質だから、2着ははずさないだろうが、先行馬にやられそうな気がしている。

 フィエールマンとワールドプレミアは一発あるような気がする。何しろディープインパクトの忘れ形見である。

 今年惜しまれて亡くなった父の無念を中山で晴らす。ドラマとしても最高ではないか。

 1年の総決算、有馬記念は盛り上がること間違いない。旨酒を飲みたいものである。

 ニューズウイーク日本版で、ヤフーニュース、中でもヤフートピックス(ヤフトピ)といわれる、トップページの最も目立つところに掲載されるニュースは、いかにして選ばれているのかを取材した石戸諭のレポートが面白い。

 ヤフーニュースの月間PVは150億に達するといわれる、日本最大のニュースサイトである。ヤフトピに掲載されるのはスマートフォンなら6本、その影響力は「新聞の一面以上、NHKのトップニュース並み」(ネット広告関係者)だそうだ。

 そこに取り上げられれば、自社のサイトのPVが飛躍的に伸びるため、配信する記事の対価が1PV当たり0.025円でも文句をいうところはないという。これはヤフー内で1億PV取っても250万円にしかならないのにである。

 ヤフトピは、13文字のタイトルをヤフー側でつけてアップするが、選ぶ基準はどうなっているのかは一切明かされない。

 石戸は、ヤフー側と取材交渉するが、難航する。ようやくヤフトピ編集部の代表という山内浩太が取材に応じた。山内はスポーツ系の出版社から3年前にヤフーへきたが、スポーツ以外のニュースを取材した経験はない。

 山内によれば、1日当たり約5000本がヤフーに配信されてきて、約25人でチエックするという。中途入社や新人たちだ。ヤフトピ編集部が見るのは見出しだけ。基準は、公共性、社会的関心という2軸で選ばれるそうだ。

 ヤフーニュース部にいたあるメディア経験者は、「メディア経験がない新人は、多くの場合は基本的なことを知らないままトピ編の現場に入る。例えばシリア情勢って何が問題なんでしたっけ? という感じ」

 これでどうやって公共性、社会的関心のあるニュースだと正しく判断できるのか、そう思われても致し方あるまい。嫌韓コメントなどが残っているがという問いには、「特定の民族へのヘイトスピーチは禁止している」「人的なパトロールで全てを見るのは難しい。適切な対応を頑張ってやっています」と、法務歴が長い今子さゆりが答えている。

 だが、ヤフーが今年3月に開催した配信メディア向けのカンファレンスで、「コメントがヤフーにとって最もオリジナルのコンテンツだと認識している」と語っていたそうだ。コメント欄はコンテンツの一つなのだ。

 他人が汗水流して取材したものを、労せずして配信するだけで巨万の富を得るプラットホームの実態が透けて見える。黎明期からヤフーのニュース部門を支え、現在は東京都市大学教授の奥村倫弘がこういっている。

「今のヤフトピの価値判断は悪い意味で、形式的な新聞化してきたように思う」

 毎日新聞の小川一がいっているように、「取材のコストを考えれば、プラットフォーマーは配信元にもっと利用料を払うべき」である。だが、朝日も読売も毎日も、何も手を打ってこなかった。

 今、『2050年のメディア』(文藝春秋)という本が話題である。下山進という慶應大学SFC特別招聘教授が綿密な取材に基づいて書いたもので、簡単にいってしまえば、紙メディアはもうすぐ滅びるという内容である。

 サンデー毎日は下山にインタビューしている。下山は、2017年6月に、たまたま開いた日本新聞協会のHPで、直近の10年で日本の新聞が総部数で1000万部、売り上げで5645億円落ちていることを知った。

 18年正月の読売新聞賀詞交歓会で渡邉恒雄が、「読売はこのままではもたんぞ」と悲鳴を上げた。

 そこで取材を始めたという。大新聞がみな苦戦する中、日経だけが2010年に有料課金制の日経電子版を始めた。その購読者数は19年6月段階で72万人。紙の部数は落としたが、電子版で相殺できているという。

 ヤフーに頼ることのないシステムをつくり上げた日経は数少ない生き残る新聞になるという。だが、下山はこういう。

「紙からデジタルに技術変化する中でどうすれば人が金を払うのかを考え抜くべきだった。今でも遅くない」

 私も、かなり前から、ニュースの有料化について考えていたが、もうすでに勝負あったのではないか。唯一あるとすれば、読売、朝日、毎日が呼び掛けて、地方紙も含めた全紙有料化に踏み切ることだが、難しいだろうな。

 今週のフライデーのメイン記事はこちらだ。12月4日、東京・西新宿で、「はとバス」が停車中のハイヤーに乗り上げ、運転手を死亡させてしまった。

 事故を起こした運転手の罪は免れないが、その背景には、1日16時間、月に25日勤務することもある過酷な労働環境にあると、「はとバス」に長年勤め、昨年退職した元ドライバーが告発している。

 彼の場合、朝7時に出勤して小学生を乗せ15時までツアー。その後、夕方からは定期観光ツアーに出て、戻ってくるのは22時半過ぎ。バスの清掃をして家に帰るのは24時ごろ。翌朝は8時に出勤しなければいけなかったという。

 先の事故を起こしたドライバーはインフルエンザに罹っていたといわれるが、体調を崩しても、予備のドライバーがいないため、管理職が代わりに運転することになる。彼らはそれが嫌なため、きつい口調で責められるから、いい出すことができないそうだ。

 国土交通省が定めたルールによると、ドライバーの1日の拘束時間は原則13時間以内、1ヵ月で260時間が限度だ。だが、フライデーが入手した今回事故を起こしたドライバーの月の拘束時間は300時間を超え、1日の拘束時間が13時間を超える日が10日もあったという。
最近は、京都や広島などへ行く長距離バスが増え、中には個室付の豪華なものもある。一時は居眠り運転や飲酒運転で事故を起こすケースが相次いだ。バス会社は、ドライバーの体調管理に万全を期すのは当然だが、どうやら徹底されていないようである。年末年始は長距離バスの繁忙期だ。心配である。

 私は演歌が好きだ。昔、知り合いの女性たちに、男心を知りたかったら演歌を聞け、男が女に求めている“いい女”像は演歌の中にあるといっていた。だが、氷川きよし(42)が同性愛をカミングアウトしてからは、演歌のイメージが変わってきたように思う。

 新潮で氷川が、子どもの頃、「ナヨっとして女の子っぽかったから、よく、『オンナ!』とか『オカマ!』っていじめられて苦労した」と話している。

 演歌というのは様式美だが、「『演歌の王道』を歩んで欲しい、男らしく生きて欲しいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」と赤裸々に告白している。

 デビューして20年経って、「今みたいに自分に素直に生きるようになってからはすごく幸せ」だそうだ。「日本中のみんなが、『氷川きよし』ってどこかアレしているけど、ああいう人みたいに生きていけるかも、頑張れるかもって思ってもらえばいい」

 性的マイノリティが味わってきた哀しみや喜びを唄った、氷川の「演歌」を聞いてみたいものだ。

 今週の第1位は、文春の高齢者不倫。こういうのを類は友を呼ぶというのであろう。親が公私混同を屁とも思わないから、その威を借る連中も、部下の女性と不倫をしても何とも思わない。

 親とは安倍首相のことである。一国の首相が、功労のあった人たちを招いて、感謝するのが本来の趣旨なのに、自分の選挙区の人間を大勢招いて、選挙のための事前運動をやるなど、あってはならないことだ。

 だが、そのことがばれても、説明責任を果たさないで、国会も延長せず、逃げてしまうというのは、どう考えてもたちが悪い。

 その部下たちは、親のやり方を見て学ぶから、公私混同など屁の河童だ。

 文春が、老人と中年女との人目を憚らない熱々ぶりを激写している。老人は安倍政権発足から約7年に渡って首相補佐官を務め、菅官房長官の懐刀といわれる和泉洋人(66)。女は和泉が初代室長を務める「健康・医療戦略室」のナンバー2で、厚労省大臣官房審議官も併任するバツイチのシングルマザー大坪寛子(52)である。

 文春は、この2人が銀座の蕎麦屋や丸の内のレストランでいちゃついているところを目撃&激写している。8月9日には、2人して京都まで出張し、河原町や貴船神社周辺を歩いたり、手をつないでそぞろ歩いているところも撮っているのだ。

 それも、その前に京都大学のiPS細胞研究所に、山中伸弥所長(57)を訪ね、突然、「iPS細胞ストックへ来年からは国費を出さない」と恫喝していたというのである。

 事の経緯について、山中所長はこう文春に話している。1年ほど前に財団法人をつくる話を進めていて、文科省は認めてくれていたが、戦略室から承諾してもらえなかった。そこで、今夏、和泉補佐官のところへ行って説明したところ、「財団より会社にしたほうがいい」「iPSに支援が偏重している」といわれ、その件は大坪に任せているから彼女を行かせるといわれたという。

 そうしたところ、和泉も一緒に来て、「『来年からストック事業には国費は出しません』とのことだったので、非常に驚いた。だが、公の場で専門家の議論で決まった話とずいぶん変わってしまった話なので、このままでよいのだろうか」と思い悩み、11月11日に会見を開き、備蓄事業は文科省の有識者会議で評価され継続が決まったのに、「一部の官僚の方の考えで、国のお金を出さないという意見が入ってきた。いきなりゼロになるのが本当なら、相当理不尽だ」と泉・大坪を痛烈に批判したのである。

 これを複数の全国紙が報じたため、結果的に予算削減は見送られる見通しになったようだ。

 権力を笠に着る男を手玉に取り、大坪は、専門誌で「iPS細胞への補助金なんて、私の一存でどうにでもなる」と放言したり、「健康・医療推進本部」の予算を、トップダウンで約88億円もの予算配分を決め、この予算の8割近くを自分の担当分野にしたといわれている。

 だが、したたかな2人は、文春の直撃にも慌てず、京都・貴船神社に行ったことも認め、手をつなぐこともある? と聞かれても、「あったかもしれない。『頑張ってるね』って感じで」と動じていない。

 女の方も、男女の交際ではない? と聞かれ、「男女って…(和泉氏は)だいぶおじいちゃんですよね。いくつだと思う?」。ハグをしたり手を握ったりしていたが、「身体のことで、医者として、いろいろ任されているところはありますよ」、昨日(12月7日)も丸ビルに一緒に行かれた? 「あ、そうでしたっけ。仕事のついでなんですよね」と、さすがの文春もカエルの面にションベン状態である。

 だが、2人の大きな誤算は、ノーベル賞受賞者を怒らせてしまったことである。もはや取り返しはつくまい。(文中敬称略)

【巻末付録】

 今週は現代だけ。

「<性心理学入門>モラルの彼岸-なぜ、いけないことほど感じてしまうのか」。体験を告白しているのが、61歳の公務員や66の自営業の男たちというのがいいね。「あさいあみ、『有吉反省会』で話題のアイドル-霊長類最高のヌード」

 今週の袋とじは「花崎阿弓、現役女子アナの初ヌード-人呼んでケーブルテレビ界の水卜ちゃん」。まあ、そこそこ可愛い。

 鈴木崇之編集長が「音羽の杜から」で、袋とじを主に作ってきた女性編集者が現代を卒業するにあたって、「袋の中が私の青春でした」と、編集後記で書いたことが話題だとしている。

 近所の床屋の主人が、その号で一番面白かったのは編集後記だったと、現代にアンケートを送っておいたと話していたという。

「しかし一番面白い記事がそれとは……。部員たちよ、ともに精進しよう」と書いている。

 その通り。現代で一番気合の入っているのはSEXYグラビアである。今やグラビアは添え物ではなく、現代の中心、4番バッターなのだ。

 悲しくはないか編集部諸君! 特集が話題にならず、マンネリで、読むところがない。これで週刊誌といえるのか? 猛省してほしい。