イメージ画像/出典:Dustin-J-McClure

 新型コロナウイルス対策のため政府は7日、東京など7都道府県を対象に「緊急事態宣言」を発令し厳戒態勢が敷かれた。社会情勢に敏感なテレビCMもこれに応じるように“異変”が起こっている。

 テーマパークの休園のため以前より公共CM「ACジャパン」は増えつつあったがとうとう7日からはそれが倍増している。

「政府、専門家チームが訴えている“3密”(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けなければいけないので、それらが連想されるCMは一切流れていません。具体的には仲間内でワイワイと会食しているようなシーンが出てくる清涼飲料水のCMや、人が抱き合って喜びを表現してるモノなんかもダメ。そもそも、景気がガタ落ちで仕事が無くなっているので好景気にわいていた転職サイトや、売れなくなって久しい車メーカーのCMもストップしています」(大手広告代理店関係者)

 今後も事態が長期化すれば「さらに影響は拡大する。在京キー局、在阪準キー局はまだ大丈夫でしょうけど、それ以下の放送局はCM枠が売れていないので何かの形で穴埋めをしないといけない。今流行りの感染防止の手洗いを局アナや出演者を使って啓蒙するPR動画なんかは、すぐ撮影できる上社会情勢にも合ってるので即、採用されそうですね」(同)という。

 一方で、別の理由でCMが止まっているジャンルもある。

「スーパーでバカ売れしている冷凍食品ですね。日持ちしますし、休校や在宅ワークで家庭での消費量が急増。そのため、すでに品薄になりつつあります。クライアントからすれば、CMをしなくても売れるし、そもそも品切れになったらそれこそ苦情が入るのを嫌がるので、止めている状態。経済の急激な落ち込みが不安視される中、重苦しい『ACジャパン』ばかりが流れるテレビによって、さらに景気は落ち込みそうです」(経済誌記者)

 1ヶ月間に及ぶ自粛要請期間だが、国民ムードまで落ち込まないことを願うばかりだ。