世界的な大ヒットを記録した昨年10月公開のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は公開から120日を経過し、興行収入は374億円を記録した。2001年に歴代最高興行収入を記録した『千と千尋の神隠し』(316億円)を超え、今もその記録を伸ばし続けている。
一方、お隣の中国でも今まさに映画ブームが到来しており、2月12日から始まった春節の大型連休では、なんと初日に3403万人もの人々が映画館を利用したというから驚きだ。中でも、特に大ヒットを記録しているのが日本人俳優が多数出演している超人気シリーズ映画『唐人街探案3(僕はチャイナタウンの名探偵3)』である。
騰訊新聞(2月13日付け)は、『唐人街探案3(僕はチャイナタウンの名探偵3)』が上映2日間で興行収入が18.21億元(約291億円)を記録したことを報じている。本作には、日本から妻夫木聡、長澤まさみ、染谷将太、鈴木保奈美、浅野忠信、三浦友和など中国でも絶大な人気を誇る俳優陣たちが出演している。東京やチャイナタウンを舞台に、中国人の主演コンビが探偵として事件を解決していくというストーリーだ。
2019年製作の同作は、新型コロナウイルスの感染拡大により、日中両国で公開が延期されていた。
中国メディアは最終的な興行収入が60億元(960億円)を突破するのではないかと報じているのだ。中国国内の最高興行収入は2017年に公開されたアクション映画『戦狼2』が記録した56億元(約896億円)で、さらにアメリカハリウッド映画の最高興行収入は、2015年公開の『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が記録した9.36億ドル(約930億円)となっている。『唐人街探案3』が世界歴代興行収入記録の1位を記録する可能性すら出てきているのだ。
中国国内のSNSでは本作に出演している日本人俳優について、「妻夫木聡と染谷将太、本当にカッコ良すぎる!」「長澤まさみは年齢を重ねるほど美しくなっている」「次回作があれば絶対に妻夫木聡と長澤まさみは主演級で出演してほしい!」など、ネットユーザーから好評価のコメントが寄せられている。
また、ロケ地となった横浜中華街や栃木県宇都宮市のオリオン通りなどにも熱視線が集まっており「新型コロナが収束したら日本に行きたい」という声も少なくなかった。
なお、挿入歌には三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの楽曲『Welcome to TOKYO』が使用されており、日本での公開もすでに検討されているという。新型コロナウイルスの影響で公開が大幅に遅れた本作だったが、春節での公開となったことで世界最高記録への期待が大きくなる結果となっている。すっかりドル箱産業となった中国映画界。次回作にも期待が集まっている。