奥田瑛二さん(Getty Images)

 近年、テレビ界ではコンプライアンスが厳格に適用されるようになり、過去の“犯罪自慢”などもってのほか。些細なことが炎上案件になることもめずらしくない。

ところが、俳優の奥田瑛二を父に持つ映画監督の安藤桃子が、いささか風変わりな奥田の教育方針をテレビや新聞で披露し、これが話題になっている。

 安藤は父親が奥田、母親がエッセイエストの安藤和津という夫婦のもとに生まれ、妹は女優の安藤サクラ。2011年に長編小説『0.5ミリ』を発表すると、自らの監督・脚本で映画化し、映画監督として活躍している。3日には父とともに『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演したが、そこで披露された父とのエピソードは、なかなか衝撃的だった。

「安藤はケラケラと笑いながら話していましたが、奥田はとにかく変わり者のようで、クランクインの前にイライラして食卓をひっくり返したこともあれば、ヤクザ役の時は家でもヤクザ口調になり、役のままで生活。それだけならまだ俳優という職業柄、理解はできますが、数々の女性と浮名を流したことでも知られる父親について、安藤は『(男性は)女性問題があるのが当たり前』と語り、父と一緒に車に乗っていて、通りすがりの女性の顔を“チェック”しに行かされたこともあったそうです」(テレビ情報誌記者)

 安藤の“暴露”はテレビだけに留まらない。2日付の朝日新聞では、高級レストランに行くなり「お前が偉いわけじゃねぇ」と下積み時代の話を延々と聞かされたり、キャッチボールで剛速球を投げられ、顔に当たって鼻血が出ても「顔面で受けるんじゃねぇ」と怒鳴られたという過去を披露。一連のエピソードに対し、ネットには、

「ご家族が受け入れてるなら、なんてことない話」
「やはり一般人とは違う感性が養われるな。と思いました」
「奥田さんは有名人ですからね。普通の感覚に当てはめてはいけない」

 といった好意的な感想も寄せられたが、

「自分の父親のゲスっぷりを、本人を目の前にして暴露 それが許される、むしろ男をあげる、と思われてる芸能界というのは、恐ろしいところですね」
「昭和のプレイボーイ気取りなカッコ悪いジイさんとそれを良しとする不気味な家族」
「笑いを誘おうとしてるんだろうが、全く笑えない」
「この人、昔はカッコ良かったの?」
「とんだ毒親だな」

 など、辛辣なコメントも少なからず寄せられた。キー局関係者はいう。

「確かに高齢のテレビ視聴層には『昭和は良かった』的なエピソードがウケるのは事実です。

横山やすしや勝新太郎の破天荒伝説は今聞いても笑えますし、小林旭松方弘樹梅宮辰夫千葉真一などもスゴいエピソードがいくらでもあった。ただ、そういった武勇伝が許されるのはごくごく一部の大スターだけ。
 安藤が語る奥田のエピソードを聞いていると、『昔の話だから』『私たち(家族)が良しとしているんだから』という感覚が根底にあるようですが、令和ではその理屈は通用しない。公共の場でそういったエピソードを語るのは基本的にアウトですよ。昭和の感覚が抜け切らない“武勇伝”エピソードで商売する時代センスのなさは、修正が必要でしょうね……」(キー局関係者)

「コンプラがテレビをつまらなくした」という意見は多いが、そこを一歩読み違えると、待っているのは大炎上かもしれない。

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