誘拐事件の被害者だった主人公が弁護士となり、その犯人の冤罪再審裁判に挑む姿を描いた『連続ドラマW 完全無罪』(WOWOW)。広瀬アリス(29)は弁護士・松岡千紗を、風間俊介(41)は彼女の故郷・香川の昔なじみで弁護士・熊弘樹を演じた。

劇中、容疑者で服役囚の平山(北村有起哉)や、平山の有罪を主張する元県警刑事の有森(奥田瑛二)と対峙し、葛藤する千紗に寄り添う熊。

実は、ドラマでは初共演の2人だが、’16年に開催されたリオパラリンピックの番組の司会を2人で務めた広瀬と風間。対談では、撮影現場でのエピソードや香川ロケの思い出などを語ってくれた。

――共演者が風間さんだと聞いたとき、どう思いましたか?

広瀬「すごく心強かったです。風間さんのお人柄は知っていたし、今回の熊さんのキャラクターにピッタリだと思いました。」

風間「台本を読んだ時点ですでに僕の声が聞こえてきたでしょう?」

広瀬「聞こえた! 熊さんのセリフはずっと風間さんの声で再生されてました(笑)」

――広瀬さんの演技を間近で見た感想は?

風間「広瀬さんが演じた千紗は、トラウマを抱えながらも、苦しみから逃げずに容疑者と対峙し、だからこそ正面からダメージを受ける。そばで見ていても大変だなあと思う半面、コメディエンヌとしての広瀬アリスを見ていた人たちからしたら、これまでとは全く違う姿が見られるので、とても贅沢な作品になるなあと思っていました。」

広瀬「私自身、弁護士役自体が初めてだったので大変でした。セリフをノートに書いて暗記していたら、奥田瑛二さんも書いて覚えるっておっしゃって、それで話が盛り上がったことも(笑)」

――特に印象に残っているシーンは?

風間「やはり、広瀬さんと奥田さんが対峙する再審請求のシーンですね。見守っている僕も心に汗をかくような瞬間が多々あったので、それを最前線でやっている千紗はどれほどのものか。あのシーンは圧巻でした。」

広瀬「再審請求のシーンは、ものすごく緊張したんです。だって、相手があの奥田瑛二さんですよ(笑)。自分が子供のころから見てきた方とのセリフの応酬、しかも監督が長回しで撮るのでセリフをかめない。もう必死でやっていました。」

――香川ロケでの思い出はありますか?

風間「やっぱり、うどんですね。」

広瀬「うどん屋さんがめちゃめちゃ多いんですよ。

もう毎食しっかり食べて『今年はもう、うどんは食べなくてもいいや』というくらい(笑)」

風間「あと、滞在していたホテルの隣にスーパー銭湯があったんです。僕は、ホテルの大浴場でいいやって感じだったんですけど、広瀬さんは銭湯に行ったと聞きました。香川に激震が走ったでしょうね(笑)」

――リオのパラリンピックのときから7年たって、お互いの印象は変わりましたか?

風間「根幹は変わっていないなあと思いました。この仕事をしていたら摩耗するところもあると思いますが、摩耗しながらもそれにあらがって大事な部分を守る人なんだなあと思います。それってとても素敵だし、ここから30代の広瀬アリスはめっちゃ面白いだろうなあ。」

広瀬「うれしいです! 大人になるにつれてなくなっていくものと、なくしたくないものというのは絶対あるけれど、根っこの部分は変わりたくないんです。」

風間「確かに、変わっていくことも大事だけど、変わらないことも大事で、そういう矛盾と向き合いながら生きていくしかないと思います。僕自身、自分がやりたいことよりも、人がこれをやらせたいというのを大事にしていく自分というのは変わらないでいたいですね。」

『連続ドラマW 完全無罪』

7月7日(日)よりWOWOWにて放送・配信スタート。21年前の連続少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に挑む女性弁護士・松岡千紗(広瀬)。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人で、自分をあやめていたかもしれない容疑者と対峙しながら事件の裏にあった真実にたどりつく。

〈広瀬アリス〉ヘアメーク:宮本愛(yosine.)/スタイリング:梅山弘子(KiKi inc.)
〈風間俊介〉ヘアメーク:清家いずみ/スタイリング:手塚陽介

【衣装協力】

ドレス(DEPAREILLE)、靴(PIPPICHIC)、ピアス(MARIA BLACK×CINOH for Demi-Luxe BEAMS)、ネックレス(Rieuk)

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