仕方のないことではあるが、春ドラマ以上に放送開始時期にバラつきが激しい夏ドラマ。しかしようやく、もっとも遅いスタートを切った『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』も2話まで放送されたため、このタイミングにて今期ドラマを振り返りたい。

 今回もまた、(すでに作品によっては中盤に差し掛かっているが)序盤までの内容から、今後も楽しく観られそうな「期待作」と、期待に反して……な出来だった「ガッカリ作」を3作ずつピックアップしよう。なお、すでに全話先行配信済みの作品(『復讐の未亡人』)、シリーズ物の新作(『刑事7人』『遺留捜査』など)や、期をまたいで放送されるNHK大河や朝ドラは除外している。

期待のドラマ3位 『純愛ディソナンス』木曜22時~(フジテレビ系)

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『純愛ディソナンス』ドラマ公式サイトより

〈あらすじ〉
大学の先輩である小坂由希乃(筧美和子)の後任として桐谷高校にやってきた、新任の音楽教師・新田正樹(中島裕翔)。しかしいざ赴任してみると、由希乃は「一身上の都合」とだけ書いた辞職願のメールを学校側に送り、それ以後、一切連絡が取れなくなっていた。由希乃を慕っていた生徒の和泉冴(吉川愛)らは、突然姿を消した由希乃の退職理由を「病気」とする学校側の説明を怪しむ。由希乃の行方を探すうちに、正樹は冴との距離を縮めていくが……。

 「令和の新・純愛×ドロドロエンターテインメント」という謳い文句に反して、ミステリー/サスペンス的な導入という意外な驚きをもたらした本作。

劇中を彩る横山克の音楽により、『最愛』や『Nのために』(ともにTBS系)を想起するという声も出ていたが、確かに、行方不明になっていた由希乃が死体となって発見される、しかも殺された疑いがあるという第1話の終わり方は、“教師と女子高生のラブサスペンス”と想像させた事前プロモーションをいい意味で裏切ってくれた。

 ただ、『最愛』『Nのために』といった新井順子×塚原あゆ子コンビ系の作風を(おそらく意図的に)踏襲しつつも、各話エンディングの静止画風の演出などから予感されていたように、ドラマ全体が意識している方向は韓国ドラマなのだろう。5年後を描く「第2部」が第3話途中からスタートしたが、由希乃の件は一応の(?)解決を見せ、ミステリー色は一気に消滅。悪徳不動産屋で働く正樹と偶然の再会を果たす冴は、憧れの作家がかつての国語教師・碓井愛菜美(比嘉愛未)と知り、さらに愛菜の夫が正樹だと知り……と、確かに「ドロドロ」が予感される複雑な人間関係が描かれ、男の嫉妬と女の嫉妬が渦巻くサスペンス展開となってきた。

 オリジナル脚本だが、正樹と冴が惹かれ合うことでさまざまな不協和音(ディソナンス)が生まれる展開になることは想像がつく。だが、かなり早いうちから愛菜の“本性”が明らかになるテンポの速さからして、ジェットコースター的な目まぐるしい展開も予想される一方、正樹が勤務する不動産会社の社長で、愛菜の父でもあることが明らかになった碓井賢治(光石研)と、冴がアルバイトをするIT会社の社長である路加雄介(佐藤隆太)の過去の因縁はまだ明らかになっておらず、先が読めず、気になる魅力がある。

由希乃の一件も、本当にあれで終わったのか、それとも第2部にも関わってくるのかも気になるところだ。何より、中島裕翔、吉川愛ら俳優陣の演技もよく、酷薄な光石研はさすがの一言だが、これまでのイメージにないダークで不気味な役どころが実に魅力的な比嘉愛未、迫真の毒親っぷりを見せる富田靖子の芝居にも惹きつけられる。中島裕翔が、人当たりはいいが、内心では周囲を見下し、馬鹿にしているという役柄を演じているのも新鮮。

 韓ドラ的な木曜劇場といえば、脈絡のない展開が続いた昨年の『SUPER RICH』が思い出されるが、あの失敗を取り戻せそうな予感のするドラマだ。

中島裕翔『純愛ディソナンス』は今期のダークホース? 「最愛っぽい」という声も 夏ドラマがようやく出揃い始め、視聴率では全体に低調ムードが漂っているが、中でも厳しい結果となったのが、14日から始まったフジテレビ系木曜劇場の新作『純愛ディソナンス...
一番の期待作は『石子と羽男』か『初恋の悪魔』か? 夏ドラマ序盤ランキング
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日刊サイゾー2022.07.20

期待のドラマ2位 『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』金曜 22時~(TBS系)

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『石子と羽男』Paravi配信ページより

〈あらすじ〉
石子(有村架純)は父・綿郎(さだまさし)が営む「潮法律事務所」で働くパラリーガル。ある日、ぎっくり腰になった父の代理でやって来た弁護士の羽男(中村倫也)。依頼人に対して強気な発言と独特のテンションで接する様子を見た石子は、もう二度と会うことはないだろうと思ったものの、羽男は潮法律事務所に本採用され……。


 有村架純と中村倫也のW主演もさることながら、新井順子プロデュース&塚原あゆ子演出、さらにNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』などの西田征史の脚本という盤石すぎる体制。当然、おもしろい。ヒューマンな味わいもありつつ、石子と羽男の掛け合いが絶妙だし、正義感が強く頭の固い石子を有村が、軽薄そうに見えて実は繊細な羽男を中村が演じるというあたりもハマっている。羽男は写真のように見たモノを記憶する能力を持ち、司法試験予備試験と司法試験に1回で合格しているが、想定外の対応はからっきしダメな弁護士。東大法学部を首席で卒業した石子はやたらと「弁倫(弁護士倫理)」に煩いが、司法試験に4回落ちてあとがないパラリーガル。設定としてはベタだが、それぞれに背景にあるものがしっかりとあり、それをすくい取る演技と演出がこの凸凹バディを生き生きと魅力的にしている。

 いわゆる弁護士モノではあるが、華やかな法廷バトル系ではなく、身近なトラブルを題材にした「町の弁護士(マチベン)」のドラマというのも金曜ドラマらしくていい。そして取り上げる事件が何らかの形で伏線的に機能している――たとえば未成年者によるスマホゲームへの重課金問題と中学受験を扱った第2話では、羽男が子どもに寄り添った発言をしていたが、その言葉を言わせたのは羽男の過去も関係していることが第3話でうかがえた――あたりもさすがの脚本といったところ。今後も安心して楽しむことができること間違いナシ、演出の細部にいたるまで隙ナシの良作だ。

中村倫也×有村架純『石子と羽男』、目指すはドラマ版『バラエティー生活笑百科』!? TBS金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』が、7月15日に初回放送を迎えた。豪華W主演となるのは、作品ごとにますます輝きを増していく中村倫也と有村架純。...
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日刊サイゾー2022.07.22

期待のドラマ1位 『初恋の悪魔』土曜22時~(日本テレビ系)

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『初恋の悪魔』ドラマ公式サイトより

〈あらすじ〉
境川警察署・総務課職員の馬淵悠日(仲野太賀)は署長の雪松鳴人(伊藤英明)から、ある失敗をして停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)の監視を命じられる。刑事だった馬淵の兄は、捜査中の事故で殉職したのだが、雪松は鹿浜がその死に関わっているかもしれないと告げる。

戸惑いながら馬淵は鹿浜の家を訪ね、署内で行っているアンケート調査と称して話を聞く。過去に起こった世界の猟奇的犯罪について、熱っぽく語る鹿浜。彼は、凶悪犯罪愛好家の推理マニアだった―― 

 『石子と羽男』とどちらを1位にするか迷ったが、第2話、第3話と尻上がりにおもしろくなってきた『初恋の悪魔』がさらに“化ける”ことに期待して、こちらを1位に選んだ。

 こちらも、坂元裕二脚本、そして林遣都と仲野太賀のW主演に柄本佑や松岡茉優らが揃うということで、『石子と羽男』同様、ドラマ好きなら誰しもが注目していた作品だろう。組織などさまざまな社会の枠組みからどこか浮いてしまっている(面識のない)4人が顔を揃えるあたりは『カルテット』(TBS系)も彷彿とさせ、坂元裕二らしい会話劇を見せるが、総務課の馬淵(仲野太賀)、停職中の鹿浜(林遣都)、生活安全課の摘木(松岡茉優)、会計課の小鳥(柄本佑)という、警察所属だがいずれも捜査権のない4人が集まって「自宅捜査会議」を行い、“事件”を陰で解決していく……というミステリー要素の強さが新鮮だ。

 初回こそドラマの設定を飲み込むための前フリといった感じだったが、一旦この扉を開いてしまえば、4人の掛け合いが絶妙なおかしみを生み出し、ふとしたセリフに心を打たれるいつもの坂元裕二ドラマの世界が(マーヤーのヴェールが剥ぎ取られたかのように)広がる。

かと思いきや、馬淵の兄の死の謎、仄めかされていた摘木の秘密といった要素が、不穏なミステリー展開を加速させていく。「警察モノ? ラブストーリー? 謎解き系? 実は青春群像劇? その全てがここに出会った!」という謳い文句からして、この“謎解き”がドラマの本筋というわけでもなさそうだが、「先が読めない時代に、先の読めない物語を」という挑戦的なコピーのように、どこに連れて行かれるかわからないからこそ、本作への期待も高まるというもの。

 無論、その期待はメインの4人を演じる俳優の魅力が支えているものでもある。個人的には、以前から普段の喋り方も阿部寛に似てきたなと思ってきた林遣都の、これまでになく(うさんくさい)阿部寛を思わせる演技が見られるのも嬉しい。

期待のドラマ次点(4位)『魔法のリノベ』月曜22時~(フジテレビ系)

 3位を『純愛ディソナンス』とするか『魔法のリノベ』とするかは悩んだところだが、『純愛ディソナンス』が先述のとおり、いい意味での裏切りが大きかったという点と、『魔法のリノベ』は瑠東東一郎監督らしいクセのある演出が少々ノイズに感じられる面が強かった点で、この順位とした。

 正直、第1話・第2話の時点では個人的な評価はもう少し低かったが、第3話がとてもよかった。本田隆一監督に代わったためか、あの独特の演出(ビルに映されるモノローグ、夢という形で出てくるRPG的な世界観)が冒頭に少し出る程度だったため、特に素直にストーリーに入り込みやすかった(『劇的ビフォーアフター』を意識したセリフ「なんということでしょう」をくどいほど言う展開も第3話はなかった)。また、『魔法のリノベ』は同名マンガの実写化だが、第3話はドラマオリジナルストーリー(に原作のセリフなどの要素を加えた形)となっており、自由度が高いためか、こちらのほうがコメディ的な掛け合いが存分に発揮されていたように思う。

 コメディエンヌとしての波瑠、それを受け止める間宮祥太朗の安定感。基本はリノベーションをきっかけに家庭内の問題も解決されるというパターンだが、シンプルがゆえにコメディ的な味付けがいいアクセントになっているし、やはりエンディングでリノベ後の家の様子を映すという演出は実写作品ならではの魅力が光る。難しいことを考えず観ることができ、あかるい気持ちになれる作品だ。

一番の期待作は『石子と羽男』か『初恋の悪魔』か? 夏ドラマ序盤ランキング
ドラマ公式サイトより

〈あらすじ〉
国生宙(町田啓太)は、高校時代はラグビー部のエースとして活躍したが、独りよがりで強引なプレーがもとでケガをしてしまい、チーム内で孤立したまま引退。卒業後は、ひとり暮らしを始めるも、定職に就かずその日暮らしの生活を送っていた。ある日、街中でのケンカが原因で警察沙汰になった宙は、工事現場の仕事をクビになった挙句、住んでいたアパートも家賃滞納で立ち退きを言い渡される。そんな宙に「お前にピッタリな仕事を紹介してやる! 寮完備で三食飯つき! 体力自慢のお前にはもってこい!」と声をかけてきたのが、陸上自衛隊の3等陸佐で、東部方面北東京駐屯地で教育中隊長をしている八女純一(北村一輝)だった――

 もともとの期待度はかなり低かったものの、町田啓太らフレッシュな俳優陣、そして前期の『ナンバMG5』(間宮祥太朗主演)が思わぬ良作だったこともあり、ひょっとして期待できるかもと思ったのだが……。正直、俳優たちは頭を抱えながら現場に向かっているのではないかとすら思ってしまう。

 陸上自衛隊の候補生たちを描く青春ドラマだが、私語の多さ、上官への口の利き方、訓練時の態度等々を筆頭とした「リアリティのなさ」は正直どうでもいい。それよりも、ドラマ全体から漂う雑さ、いい加減さ、そして価値観のあまりの古さは、視聴意欲をかなり削ぐ。

 放送前から「町田の肉体ポテンシャル全開!」と謳っていたが、第4話までしつこくシャワーシーンを始めとした上裸の場面を無意味に挟んでいたものの、局内でも問題になっていたらしく(『週刊フジテレビ批評』で編成担当が「現場の若手スタッフからも疑問の声が上がっている」と弁明していた)、第5話では消滅。だがその第5話では、女性自衛官候補生との合同訓練に浮足立ち、面と向かってセクハラ的な発言を繰り返していた。現実では元自衛官の女性による性被害告発が取り沙汰されるなか、「防衛省全面協力」の本ドラマは自衛隊の内情を美化しているとの批判を受けているが、ある意味で第5話における主人公たちの女性自衛官(候補生)たちに対する態度は「リアル」だったと言えるかもしれない。物語上なんでもないこととして処理されていたが……。男の自衛官候補生(町田啓太)が常に女性自衛官(白石麻衣)を守るという構図が繰り返されるのも引っかかりを覚える。

 それにしても心底呆れたのは第3話だ。父親からDVを受けて育ち、叱責などを受けるとフラッシュバックを起こしてしまう武藤(一ノ瀬颯)のPTSD“克服”のため、候補生たちが武藤を囲んで罵倒し続けるという「訓練」を行い、これを1時間耐えたことで武藤は、本当に幼少期の深い心の傷をあっさりと克服してしまう。さらに無口でろくに他人とコミュニケーションを取らなかった性格があっという間に一変、満面の笑顔を見せるようになる。フィクションといえど、さすがにムチャクチャすぎないだろうか。これを感動的なエピソードとする神経が正直理解できない。武藤の変化も、せめて数話をかけて少しずつ改善されていく、という描き方を選択できなかったのだろうか。

 寮における男子校的なノリを見るに、題材が自衛隊ではなく、学生スポーツ系とかであったなら“バカな男子たちの物語”としてもっと普通のラブコメとなり、これほどのモヤモヤを感じることもなかったかもしれない(しかし学園モノだと町田啓太を主演にすることは年齢的に厳しそうだが)。第6話で「第1部」が終了するとのことだが、せめて「第2部」はもう少しだけでも主演の町田啓太が報われるような内容になっていることを期待したい。

ガッカリドラマ2位 『六本木クラス』木曜21時~(テレビ朝日系)

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『六本木クラス』TELASA配信ページより

〈あらすじ〉
父子家庭で育った高校生の宮部新(竹内涼真)は、警察官になることを夢見ながら父と支え合い仲良く暮らしていた。ある日、父が本社へ栄転することに伴って、新は転校することに。しかし転校初日、クラスメイトが長屋龍河(早乙女太一)に執拗ないじめを受けているのを目撃する。教師すら見てみぬふりをする状況に居ても立っても居られず、新は龍河を殴ってしまう。しかし龍河は父が勤務する巨大飲食産業「長屋ホールディングス」の会長・長屋茂(香川照之)の長男だった。学校に莫大な寄付をしている茂の顔色を窺う校長は新を退学処分にすると告げるが、茂は新が土下座をして謝れば退学処分にせずに許すと言い出す。しかし、新は拒否。父はそんな新を誇らしいと言い、自らの退職も申し出る。父子で心機一転、前を向いて動き出すことを決意するが、この一連の理不尽な出来事は、やがて待ち受ける長屋ホールディングスとの壮絶な戦いの序章に過ぎなかった――

 夏ドラマは期待値の高い作品がそもそも多くなかったため、ガッカリの度合いの大きい作品も相対的に少なくなり、「ガッカリ度」でワーストを選出するのは今回なかなか難しかったのだが……。全13話かけて描くという意気込み、秦基博や三浦透子など挿入歌で4組・4曲を起用するといったテレビ朝日の気合に反して、という意味で、いまひとつだったのが『六本木クラス』だ。

 ドラマ版『梨泰院クラス』の制作会社、原作マンガの出版元が製作に関わっていることで生まれた制約なのか、アングルやカット割りまでもドラマ版『梨泰院クラス』をコピーしているが、それだけにどうしても安っぽさが目についてしまう。特に麻宮葵(平手友梨奈)がバイクから振り落とされ、宙を飛ぶ第2話のシーンの“合成感”には失笑してしまった視聴者も少なくないはずだ。主人公に下った実刑が「懲役三年以下」という部分に誰も疑問を抱かない(指摘できない)制作体制も困りものだ。

 『梨泰院クラス』のリメイクなのでストーリー自体は(ダイジェスト的ではあるが)しっかりしているし、竹内涼真や早乙女太一、香川照之らの演技もいい。特に早乙女太一の“権力者の笠を着たクソ生意気な小者”っぷりは見モノだ。一方、ふたりのヒロインは役柄とあまり噛み合っていないのか、いまひとつパっとしない。第4話ではむしろ、トランスジェンダー役を好演しているさとうほなみ(ゲスの極み乙女。のほな・いこか)のほうが強く印象に残った。

 主人公に土下座を求める際に香川照之が見せた「日曜劇場」的なくどい芝居のように、『梨泰院クラス』のコピーにとどまらない部分がもう少し目立ってくることを期待したいところだが……。

竹内涼真『六本木クラス』は“失敗作”? 「梨泰院クラスのダイジェスト」との声も 竹内涼真が主演するテレビ朝日系木曜ドラマ『六本木クラス』が7日から放送がスタートした。 初回の視聴率は世帯9.6%、個人5.2%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区...
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日刊サイゾー2022.07.14

ガッカリドラマ1位 『競争の番人』月曜21時~(フジテレビ系)

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『競争の番人』ドラマ公式サイトより

〈あらすじ〉
刑事の白熊楓(杏)はミスをして、公正取引委員会審査局第六審査、通称「ダイロク」に異動となる。そこで小勝負勉(坂口健太郎)らダイロクのメンバーと顔を合わせる白熊。刑事から公正取引委員会という右も左も分からない場所へとやってきた白熊の教育係を任せられた小勝負だが、白熊に手取り足取り、公取委の仕事を教える気など一切ない様子。そしてダイロクは、栃木県のホテル間で行われるウエディング費用のカルテルの案件に着手。キャップの風見慎一(大倉孝二)は現地での調査をするよう小勝負と白熊に命じる――

 前期の『元彼の遺言状』がいまひとつだったので、正直そこまで期待はしていなかったものの、やはり坂口健太郎&杏に小池栄子、大倉孝二、寺島しのぶらが加わるキャストの華やかさ、そして公取という舞台設定のおもしろさに期待する部分あったのだが……。『テッパチ!』のようにただつまらないということはないが、ガッカリ度は今期ドラマで一番大きいと考える。

 初回はよかった。強敵・天沢雲海を演じる山本耕史を含めた「鎌倉殿の3人」(そして杏と小池栄子のW北条政子)なキャストの力は魅力的だったし、一筋縄ではいかない天沢雲海をどう攻めるかの試行錯誤、重要な証拠となりそうなノートパソコンの回収劇、天沢雲海がメディアを使って公取を批判するという戦略を取ったラストと、不正の証拠を押さえられるかどうかという展開をテンポよく見せていた。ただ、そこから勢いが落ちてきたように思う。原作小説を映像化するには、2話では足りなかったのだろうが、3話かけて1エピソードというのはどうしてもダレる場面があるし、それだけに第3話の毒入りどら焼きのドラマオリジナル(脚色)部分などは蛇足感が否めなかった。

 特に、原作小説を消化してしまってからの第4話。これも1話完結ではなかったが、下請けいじめ、公取に押しかけてくる展開、圧力など、第1話~第3話で描いたウエディングカルテルの件をそのまま下敷きにしたようなオリジナルストーリーで、あまりに新鮮味に欠ける。加えて、今のところダイロクの他のメンバーがあまり生かされておらず、小勝負(坂口健太郎)の頭脳と、一度見て理解したものはすべて記憶できる特殊能力に頼り切りな印象だ。ドラマで描かれていない地味な調査部分では他のメンバーも大活躍しているようだが……。ウエディングカルテルの件でも、毒入りどら焼きの話を入れるぐらいなら、桃園千代子(小池栄子)がカルテルの一角を担う政岡一郎(春海四方)を味方に引き入れたことについて、セリフだけで説明するのではなく、どうやって篭絡したのかを描いてほしかったところだ。せっかくの豪華キャストがもったいない。

 杏のインタビューからするに、原作小説の続編『競争の番人2』で扱う呉服業界への内偵の話も映像化されるようだが……。同じ原作者による前期の『元彼の遺言状』が、原作小説を2話で終え、そこからドラマオリジナルと短編集の映像化でつないでいったものの、失速していったことを考えると、今回の『競争の番人』もあまり期待できなさそうである。

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