今月から続々スタートする秋ドラマ。タイトルやあらすじ、放送時間、ひいては自分の直観を信じて“当たり”をつけている人も多いのでは? もちろん、キャストのラインナップも重要な“材料”となるだろう。
名作を見逃さないために、「エイベックス・アーティストアカデミー」のシアター総合コースディレクターとして演技講師も務める演出家で俳優の秋草瑠衣子氏に、“キャスティング”の観点から特に注目の3作品をピックアップしてもらった。
日曜ドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』
日本テレビ『霊媒探偵・城塚翡翠』公式サイトより※日本テレビ系/10月16日スタート/日曜午後10時30分~
【主な出演者】清原果耶、瀬戸康史、小芝風花、及川光博、田中道子
まず、メインビジュアルに目を奪われました。霊媒探偵の城塚翡翠(じょうづか・ひすい)を演じる清原果耶さんが、とても美しくてミステリアス。私がディレクターを務めているエイベックス・アーティストアカデミーの生徒の中にも、清原さんに憧れる同年代の女の子がたくさんいます。凛とした佇まいと、透明感のある表情と声で、同性からも憧れられるようなヒロインを今回も演じてくださると期待します。
そんな清原さん演じる主人公のアシスタント役を演じるのは、小芝風花さん。
小芝さんといえば、今年の6月に映画化もされた人気シリーズ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)で主演をされていた記憶も新しく、ミステリー作品(あちらはコメディー要素強めでしたが……)との相性も良い女優さんなのだと思いました。
さらに、『霊媒探偵・城塚翡翠』は、ほかのメインキャストもみなさん実力派揃い。推理作家役の瀬戸康史さんは近年、舞台での活躍も華々しい演技力の高い俳優さんだと思います。
個人的には、警視庁捜査一課の警部を演じる及川光博さんにも注目していただきたいです。及川さんは、これまで田村正和さんや水谷豊さんといった多くの大御所俳優と共演し、対等にお芝居をされてきた実力派。『霊媒探偵・城塚翡翠』は、特にキャストの演技に注目して見たい秋ドラマです。
※テレビ朝日系/10月15日スタート/土曜午後11時00分~
【主な出演者】King & Prince・高橋海人、桜井ユキ、田中みな実、Aぇ! group・末澤誠也、光石研
King & Prince・高橋海人さん主演『ボーイフレンド降臨!』は、キャストが魅力的なのはもちろん、アラフォーのダブルヒロインと、12歳年下の男の子による恋愛ドラマという設定が面白い! そして、テレビドラマの視聴者ターゲットが時代と共に変化しているなと感じます。
そして、今の時代はアラフォーといっても女性は若々しく美しく、仕事もプライベートもまだまだ謳歌できる時代。独身で仕事を頑張る人も夢を追いかける人も、バツイチやシングルでも、いくらでも恋愛の可能性は自由に広がっています。そんな“現代の女性”を主人公にした『ボーイフレンド降臨!』は、視聴者から高い支持を期待できそうです。
ダブルヒロインの田中みな実さん、桜井ユキさんはアラフォー世代の女性から大変人気があるお二人。桜井さんは20代の頃に石丸さち子さんという素晴らしい舞台演出家の下で厳しい演技指導を受けていた、いわゆる“下積みの経歴”をお持ちで、演技力は確かです。
また、主人公である記憶喪失となった謎の青年・アサヒを演じる高橋さんは、ダンスが上手いことで知られています。今回が初の単独主演だそうですが、ダンスの表現力が高い人は演技も器用にこなす人が多いのが事実です。
設定としても“純真無垢な年下の男の子”という、高橋さんにぴったりな役。きっと天然的な魅力で、二人のヒロインと視聴者を魅了してくれるのではないでしょうか。
※テレビ朝日系/10月22日スタート/土曜午後11時30分~
【主な出演者】仲野太賀、市川実日子、要潤、柄本明
『ジャパニーズスタイル』は“シットコム”といわれる演劇的な手法で撮影されるドラマで、演技・演劇・芝居の観点から選抜するなら一番お勧めしたい作品です。
なお、シットコムとは、シチュエーションコメディーの略で、限られた場面設定・登場人物で繰り広げられる連続ドラマのこと。
そんなシットコムは、“思いきりのいい演技”をする俳優陣でないと面白い作品にするのは難しいんです。ただ、俳優としては、実力を試されるような緊張感もありつつ、縛りの少ない自由な芝居ができるので、楽しんで演じることができると思います。
そんな挑戦的な同作で主演を務めるのは、第45回日本アカデミー賞(優秀助演男優賞)、第76回毎日映画コンクール(男優助演賞)、第64回ブルーリボン賞(助演男優賞)、2022年エランドール賞(新人賞)など数々の受賞歴を誇り、映画『今日から俺は!!劇場版』(20年)、『すばらしき世界』(21年)ほか、コメディーからシリアスまでこなす仲野太賀さん。
その仲野さんを取り巻くのは、市川実日子さんや要潤さん、柄本明さんといった実力派俳優たちに加え、元宝塚トップ娘役の檀れいさんに、シンガーソングライターの石崎ひゅーいさんといった個性がバラバラな面々。
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