『星降る夜に』TELASA配信ページより

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2022年3月には月間動画再生数が歴代最高となる2.5億回を突破し、同7月にはアプリ累計ダウンロード数が5000万を超え、同12月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)が2500万に達するなど、もはや定番のサービスとなった。

今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は2月11日(土)~2月17日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『星降る夜に』は首位2連覇、一方『夕暮れに』の低迷が顕著に

 今回の結果は以下のとおり。

『星降る夜に』好調! 『ブラッシュアップ』『100よか』続く… TVerドラマ人気ランキング
『星降る夜に』好調! 『ブラッシュアップ』『100よか』続く… TVerドラマ人気ランキングの画像2

 吉高由里子主演『星降る夜に』が今週も粘り勝ちで2週連続の首位を獲得。今週はトップ2がどちらとも前週よりポイントを落としているが、それでも2位の『ブラッシュアップライフ』との差は開いており、このまま『星降る夜に』の独走態勢となるか。●●●●●と思われる男が主人公を執拗に狙うというサスペンス的展開もあり、恋愛要素以外では重いエピソードも多いが、吉高由里子と北村匠海のイチャイチャ(とディーン・フジオカのポンコツキャラ?)がある種の癒やしとしてうまく機能している印象だ。

『星降る夜に』幸せいっぱいのラブストーリーに反して、重くのしかかる登場人物の過去 吉高由里子が主演を務めるテレビ朝日系火曜ドラマ『星降る夜に』の第4話が2月7日に放送された。産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)と、遺品整理士のろう者・柊一星(北村匠海...
『星降る夜に』好調! 『ブラッシュアップ』『100よか』続く… TVerドラマ人気ランキング
『星降る夜に』幸せいっぱいのラブストーリーに反して、重くのしかかる登場人物の過去
『星降る夜に』好調! 『ブラッシュアップ』『100よか』続く… TVerドラマ人気ランキング
cyzo
日刊サイゾー2023.02.14

 『100万回 言えばよかった』は前週とまったく同じポイントとなり、引き続き3位をキープ。

物語的には謎が謎を呼ぶ展開で先が気になるところだが、この水準でこのまま推移していきそうだ。4位の『夕暮れに、手をつなぐ』を含め、トップ4はこの並びで固定化されていきそうだが、『夕暮れに』は前週より31ポイントダウンとさらに下落中。明らかに勢いを失っている。主人公が服に憧れを持ったと思ったらいきなり特異な能力を発揮し、アパレルブランドへの就職が決定するというスピード展開はいまどきマンガでも見ない速さで、振り落とされている視聴者が多いのだろうか。

 そして4位の座を虎視眈々と狙っているのが5位以下だが、今週は『忍者に結婚は難しい』が勢いを伸ばし、『罠の戦争』を僅差で破ってトップ5に再浮上。夫婦がついにライバル忍者同士だったということが判明し、さらにお互いが想い合っていた頃の気持ちを取り戻し始めるといった大きな展開があったことで勢いが戻ってきたか。

『夕暮れに』がこのまま下がっていけば、『忍者に結婚は難しい』や『罠の戦争』が4位の座を奪うのも時間の問題かもしれない。

 下がっているといえば『Get Ready!』と『警視庁アウトサイダー』。どちらも世帯視聴率上は好調で、今期の民放連ドラでは『相棒』に次いで2位と3位の作品だが、見逃し配信では落ち込みが激しい。『Get Ready!』は先週からやや勢いが戻ってきた『リバーサルオーケストラ』をついに下回り、12位に陥落。『警視庁アウトサイダー』も、不調の月9『女神[テミス]の教室~リーガル青春白書~』だけでなく、テレ東深夜ドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』をも下回り、10位までランクダウンとなった。

 『リバーサルオーケストラ』はオケとしてまとまり始めた第3話あたりから俄然おもしろくなってきており、もう少し伸びてきてもいいと思うのだが……。

『警視庁アウトサイダー』もおもしろいのだが、小ネタの数々のほとんどが一定の年齢以上でないと伝わらないものばかりであり、ゆえに世帯視聴率は好調だが配信で弱いというのも納得がいきやすい。おそらく、若い視聴者の取り込みを意識した作品が増えているなかで、『警視庁アウトサイダー』はあえて中高年向けに振り切っているのではないだろうか。

 なお、専業主婦によるモラハラ夫への復讐劇を描く馬場ふみか×野村周平『夫を社会的に抹殺する5つの方法』は深夜帯でもっとも好調な作品だが、前週よりポイントを伸ばし、月9『女神の教室』超えまで果たすなど勢いがある。今の感じでいけば、今後8位をキープしていくのはこのドラマとなりそうだ。

〈前回のランキングはこちら〉『星降る夜に』が首位! 『夕暮れに』『大病院占拠』低迷…TVerドラマ人気ランキング 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2022年3月には月間動画再生数が歴代最高となる2.5億回を突破し、同...

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cyzo
日刊サイゾー2023.02.11