フジの浅すぎる検証番組とテレ朝の検証番組に求められる旧ジャニ...の画像はこちら >>

 フジテレビが21日午後2時から特別番組『週刊フジテレビ批評特別版~旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題と“メディアの沈黙”』を放送し、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)に関しての社内調査結果を報告した。

 番組によると、調査対象は大手芸能プロダクションと対峙する編成制作局、ニュースを扱う報道局、情報制作局に携わった経験のある社員、元社員の計77人。

 番組編成担当者による、「ジャニーズ事務所所属のタレントに関する発表についてかなり細かく使用範囲や使用可能映像の指定があった」「それを万が一逸脱してしまったりすると、ペナルティーとして一定期間その番組だけジャニーズ事務所関連のエンタメニュースなどで、映像が使えなくなったりしていた」などの証言を紹介。忖度というよりも、あからさまな圧力があったことが明らかになったわけだが、業界関係者の間では「まったく物足りない内容だった」という。

「放送時間はわずか25分でおまけに関東ローカル(一部系列局では放送あり)。多くの視聴者にジャニーズと〝ズブズブ〟の関係だったことを認めることをしたくなかったのだろう。おまけに、出演しているアナウンサーや局員はカンペを読んでいることがバレバレで、さらにガチガチに緊張していた。

 局の上層部はこれで“役割は終わった”などと思っているだろうが、2016年1月に解散・独立騒動で渦中だったSMAP木村拓哉以外のメンバーたちが、旧ジャニーズ幹部により同局の『SMAP×SMAP』で〝強制謝罪〟させられたことを触れていない時点で、説明責任がまったくなされていない」(放送担当記者)

 フジに先駆け、すでに日本テレビ『news every.』、TBS系『報道特集』において、旧ジャニーズ事務所との関係性を社内調査し「忖度があった」とする社員の証言などを伝えている。

「日テレは旧ジャニーズに提言したり、TBSは局内で徹底的に調査していた。両局がやったから仕方なく調査したフジとは問題の重大さという意味で緊張感が全く異なる。フジは旧ジャニーズの藤島ジュリー景子前社長の古巣でもあり、癒着も深いものがあっただろうからあの程度の内容が限界か」(同)

 民放キー局の中では、残されたテレビ朝日もジャニー氏に関する性加害問題などを検証する特別番組の予定を発表しているが、3つの事案の徹底検証なくしては、誰も納得しないと思われる。

「すでに公然の事実になっているが、ひとつは長年にわたってジャニーズにレッスン場を提供していた経緯。2つ目は、所属していた元忍者の志賀泰伸氏が一部メディアの取材に、テレビ朝日局内でジャニー氏から性加害を受けたと告発した件。そして、音楽番組『ミュージックステーション』で長年、ジャニーズにおもんばかって他のボーイズグループを出演させなかった理由。

これらにどこまで踏み込めるかに注目が集まる」(芸能記者)

 テレ朝にとってはイメージ回復の最後のチャンスになるはずだが……。