テレビ朝日『#裸の少年』番組サイト

 「SMILE―UP.」(旧ジャニーズ事務所)所属のジュニア(旧ジャニーズJr.)を中心にしたテレビ朝日系『♯裸の少年』の打ち切りが発表され、同じくジュニアを主体としたNHK『ザ少年倶楽部』も終了の方向で調整が進められていると報じられた。どちらも当初は継続の望みがあったが、故ジャニー喜多川氏による性加害問題が予想以上に拡大したことで「終了やむなし」の判断となったようだ。

 『♯裸の少年』は、2001年に『裸の少年』のタイトルでジャニーズJr.メインのバラエティ番組としてスタート。2009年にいったん終了し、2018年に復活してからはジャニーズJr.内ユニットのHiHi Jetsと美 少年(当時は東京B少年)を中心とした番組になり、今年4月からはタイトルを『♯裸の少年』に改め、東西の次世代ジャニーズJr.が毎週さまざまなテーマで対決する形にリニューアルされていた。

 性加害問題が拡大すると、SNSなどで「性的なイメージを想起させる番組名は不適切ではないか」との意見が相次いだが、9月の段階でテレビ朝日は「番組タイトルは企画内容をベースに総合的に判断しているものなので、変更する予定はない」と明言していた。しかし、10月31日の定例会見では一転、同局の篠塚浩社長が「『♯裸の少年』に関しては終了し、新しい番組となる。ジャニーズJr.というグループの呼称もなくなったことで、抜本的に企画内容を見直して、新しい番組をリスタートすることになった」と語り、番組の打ち切りと新番組へのリニューアルを発表した。

 同局によると『♯裸の少年』は4日で終了し、18日から新番組『地域密着&駅特化型地図バラエティー カクエキ!』がスタートする。

新番組も引き続きジュニアが中心になり、毎回3人ほどのメンバーが出演するとされ、公開された場面写真では7 MEN 侍本髙克樹佐々木大光、HiHi Jetsの猪狩蒼弥の3人が写っている。

 一方、NHKの『ザ少年倶楽部』は2000年にスタートした音楽バラエティで、ジャニーズJr.育成の場としてジャニー氏も積極的に番組に関わっていたことで知られる。性加害問題が明るみになってからも当初は継続ムードが残っていたが、番組出演を希望してダンス練習などに参加していた男性が、未成年だった20年ほど前にNHK放送センター内のトイレでジャニー氏から複数回にわたって性被害を受けたと証言したことで状況が急変。10月の定例会見でNHKの稲葉延雄会長が「看過できない」と憤りをあらわにし、番組内容を見直すため、10月16日に予定していた公開収録が4日前に急きょ中止となった。

 11月の収録も未定となっていたが、1日に複数のメディアで関係者の証言として「年度内(来年3月まで)に番組を終了する方向で調整している」と伝えられた。一応、表向きは来春の改編期まで継続する形ではあるが、このまま収録することなく終了する可能性もあるという。

正直なところ、NHK会長が会見で憤りを隠さなかった時点で、今後の放送は望み薄といえるだろう。タイトルだけが問題だった『♯裸の少年』とは違い、『ザ少年倶楽部』の場合はNHKの体面の問題もあるので代わりの新番組も用意されないだろうとの見方が強いようだ。

 『ザ少年倶楽部』が終了すると、旧ジャニーズは貴重な次世代スター育成の場を失うことになる。『♯裸の少年』打ち切り後の新番組も育成の場になるとは言い難い気配だ。

 旧ジャニーズは新たにエージェント会社を設立し、タレントと個別に契約する新体制に移行すると発表している。新体制移行後は今までのような事務所の影響力が期待できなくなり、すでにスターになっているタレントはまだしも、若手は売り出しに苦戦するのではないかと推測されているが、相次ぐジュニアメインの番組終了でその傾向がより強まりそうだ。