杉咲花(写真/Getty Imagesより)

 杉咲花が主演を務めるカンテレ・フジテレビドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の第4話が5月6日に放送され、世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ関東地区、以下同)5.4%を記録した。4月15日放送の初回が6.0%、4月22日放送の第2話が5.7%、4月29日の第3話は5.7%、と視聴率はほぼ横ばいで低調な序盤となっているが、一方でネット上では他局ドラマとの意外なつながりについて話題になっている。

 講談社の漫画誌「モーニング」で連載中の『アンメット -ある脳外科医の日記-』を原作とする同ドラマ。記憶障害となった脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)が、アメリカ帰りの変わり者の脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)との出会いをきっかけに、患者と向き合いながら、自分自身も再生していく医療物語だ。第2話ラストでは、ミヤビと三瓶が過去に婚約していたことが発覚。さらに第3話では、ミヤビの医療行為復帰を反対する吉瀬美智子演じる看護師長・津幡玲子の過去が明かされるなど、物語が徐々に動き始めている。

“他局ドラマとの意外なつながり”が明らかになったのは、毎回登場するミヤビが自宅でビールを飲むシーンでのこと。そのビールは『潤沢』という商品名のもので、メーカーは“KAZUKI”となっている。このビールが実は、2023年1月期にテレビ朝日系オシドラサタデー枠で放送されたドラマ『ハマる男に蹴りたい女』(通称ハマ蹴り)に登場した架空のビールなのだ。

『ハマる男に蹴りたい女』は、Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔が大手飲料メーカー“カヅキビール”の元エリート社員・設楽紘一を演じたラブコメディ。講談社の漫画誌「Kiss」で連載中の同名漫画を原作としている。

 この『ハマ蹴り』第3話では、設楽が最後に手掛けた商品として『潤沢』というビールが登場。その『潤沢』を『アンメット』でのミヤビが毎回飲んでいるのだ。

 テレビ朝日系ドラマに登場したものが、そのままフジテレビ系のドラマに登場するという異例の展開に視聴者たちも驚きの様子。

SNSでは〈アンメット観よって気づいたんやけど潤沢ビールやん!!なぜ!?〉、〈潤沢ビールどっかで見たなって思ったらあれだ、ハマる男に蹴りたい女で出てきたやつだ!テレビ局違うけどいけるんか!〉など、2つの作品のつながりについて疑問を抱く視聴者も多い。

 作中においてビールは必ずしもキーアイテムとなっているわけではないが、毎回『潤沢』のラベルが見えるような形でミヤビはビールを飲んでおり、何らかのメッセージがありそうなことは推測できる。しかし、『アンメット』と『ハマ蹴り』は、原作漫画が講談社の雑誌に連載されているということ以外に明確なつながりはなく、SNS上の視聴者たちの考察もなかなか進まない状況だ。

 ただ今回の『潤沢』のように、ドラマや映画などに隠し小ネタである“イースターエッグ”が仕込まれていることは決して珍しいことではない。特に海外ドラマでは、ひとつのエピソードにいくつものイースターエッグが仕込まれていることも多く、その小ネタ探しも視聴者の楽しみのひとつとなっている。

 また、昭和ネタ満載のTBS系『不適切にもほどがある!』も、イースターエッグというほど隠されていたものではないが、懐かしの小ネタがたくさん仕込まれており、SNSでそこに言及する視聴者も多かった。

「イースターエッグは基本的には制作者の遊び心のようなもので、それが物語に対して重要であるかどうかはまた別の話です。ただ、そういったイースターエッグに視聴者が反応するのは事実であり、作品を盛り上げる要素にもなっている。『潤沢』が後々物語において重要なアイテムになるかもしれないなどと、深く考察する楽しみ方もあれば、単なる小ネタとして楽しむこともできる。あるいは『ハマ蹴り』を観ていた藤ヶ谷さんのファンが、『潤沢』が出ていることで『アンメット』に興味を持つということもあるでしょう。

 いずれにしろ、イースターエッグがSNSでの会話のネタになるのは間違いなく、作品をバズらせる効果はそれなりにあると言えます」(ドラマ関係者)

 ドラマがヒットするには、ネット上での盛り上がりが欠かせない今の時代。今後も、イースターエッグを仕込んだドラマが続くかもしれない。

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