お金持ちのパパからブランドバッグを買ってもらったり、お手当てをもらったりと、一見“おいしい話”に思えるのが愛人である。しかし、いい思いばかりできるとは限らない。

時にはひどい目に遭う女性だっているのだ。

 今回は、愛人になったばかりにひどい目に遭ってしまった女性たちを紹介しよう。

 3000万円近いお金を愛人男性に盗まれた

「最近、愛人業は廃業したんです。ちゃんとした彼氏ができたので……。できたら結婚したいですし」

 と語るマキさん(仮名・31歳)。つい数カ月前まで、愛人業のほかに風俗勤めをしていた。

それには、ある理由があったという。

「借金ができちゃったからなんです。実は、初めて愛人になった人にお金を盗まれてしまって。最初はお金をくれていたので、すっかり安心していたんですが……」

 マキさんは、大学時代から風俗を始め、OL時代も副業として続けていた。最初に風俗で働き始めたきっかけは、「友達と旅行に行きたいから、お金を貯めるため」だった。ところが、美少女だったこともあり、あっという間に人気が出たマキさんは、驚くほど高額を稼げる風俗のバイトにハマってしまう。


「ただ、学生時代は実家に住んでいたこともあって、贅沢なものにお金は使わず、ひたすら貯めることに喜びを見いだしていたんですよね。税金を払っていないので、銀行に入れるのは怖かったから、ひたすらタンス貯金でしたが、隠し場所に万札を貯金するのが楽しみだったんですよ」

 お金はみるみる貯まっていった。しかし、社会人になり、3000万円近くが貯まった時、マキさんは精神を病んでしまったようだ。

「朝、起き上がれないんですよ。しばらくは無理して会社に行っていたんですが、もうムリってなって……。会社を一度辞めることにしました」

――貯金もあるし、生活には困らないですね。


「ええ、だからしっかり休めばよかったんでしょうが、なぜか、生活費だけでも稼がなきゃって思っちゃったんです。決まった時間に決められた場所に行くのがキツかったから、愛人がいいかもしれないって、ネットで愛人探し専用の掲示板や出会い系に書き込んで相手を探したんです」

――そういった場所で、本当に見つかるの?

「単なる冷やかしのような人もいれば、本当に愛人を探している人もいるし、いろんな人がいますよ」

 だが、運悪くマキさんが最初に出会ったのは詐欺師だった。

「最初はお金をくれていたんです。でも、途中から『今月ちょっと厳しくて』ということが増え、『俺の経営している会社がやばいんだ』と言って、ウチでデートするようになったんです。付き合って半年くらいたっていたので、私も信用し始めていたから、合鍵なども持たせていました。ところが、ある日、ちょっと近所に買い物に行って帰ってきたら、彼がいなかったんです。
そして、そのまま音信不通になりました」



 そして、生活費を取り出そうと、金庫を開けた時だった。

「3000万円近く貯めたお金が空っぽになっていたんです。銀行に貯金もないし、お財布にもほとんど残っていない。焦りましたね」

 彼の電話はすでに通じなくなっていた。もらった名刺の会社の所在地には別の会社が入っていて、前に見せてもらった免許証の住所には、やはり他人が住んでいた。もちろん、名前をネットで検索しても一切何も出てこない。
すぐに彼を探し当てるのは難しそうだと、当面の生活費として知人から借金をしたり、カードのキャッシングなどで100万円を工面した。

「それからは、借金を返すために必死ですよ。風俗と愛人の掛け持ちで。100万円の返済自体は3カ月くらいで終わりました。でも、失ったお金は大きいですね。悔しいので探偵で探してもらったんですが、なんと、免許は偽造らしく、記載されていた名前で、その生年月日の人はいないらしいんですよ」

 その後、2年間必死で風俗と愛人で働いた。
貯金も3000万円には届かないが、再びある程度貯まってきたという。将来の展望について聞くと、「今の彼と結婚して、普通の仕事をしながら地味に暮らしたいですね」と話す。

■ヒモ化する「パパ」
 アカネさん(仮名・26歳)が愛人として交際していた男性は、関係の半ばから“ヒモ化”したという。

「最初はお金を渡してくれてたのに、途中から『今日、持ち合わせがなくて今度でいい?』ってことが出てきて、さらには食事の時などに『ごめん、立て替えてくれない?』となっていきました。そこそこいいレストランなので、2人で食事をすると、3万円くらいするんですよ。正直、『え? なぜ、私が?』って思ったんですが、現金も持ってないし、カードも限度額いっぱいって言われたら、私が払うしかないじゃないですか。食い逃げで捕まるとか恥ずかしすぎるし。でも、そういうのが重なって行って、最終的に20万円くらい私が立て替えている状態になってしまったんですよね。結局、立て替えたお金は返ってこなくて、大げんかして、揉めに揉めて別れました」

 タカられただけなら、まだマシなのかもしれない。というのも、つぎのナナミさん(仮名・28歳)のケースは、愛人業どころか、もはや不倫以下かもしれない。

 ナナミさんが最近別れたパパと出会ったのは、約1年前のこと。友人の結婚式の二次会でナンパしてきたのがその相手だ。

「学生時代に同じサークルだった友達の結婚式の二次会に、同じ大学だった子と一緒に行ったんですが、そこで新郎側のバイト時代の友人だという人と知り合いました。10歳年上で、飲食店をいくつか経営していると話していました」

――それくらいの歳の差だと、愛人より恋人関係になるんじゃない?

「そうですね。だから、そんなに高額はもらっていません。デートするたびに、『ハイ、タクシー代』って感じで1万円もらったり、ウチでデートした時は、『ご飯作ってもらったから』みたいな感じで3万円くらい置いて帰るくらいのユルい愛人関係でした。でも、月にすると5~10万円にはなるので、普通のOLだった私にとっては、結構いい副業だったんですよね。それに不倫ってイヤだったし、相手に対して恋愛感情も持っていなかったし」

――恋愛感情がないんだったら、キャバクラで働いても同じか、それ以上に稼げそうだけど。

「飲食店の経営者ってこともあって、自分の知らない世界のことを知っているし、おしゃれなお店に連れて行ってもらったりして、それは楽しかったんですよね。見た目的にも悪くないっていうか、むしろおしゃれで、『私のパパ的な人♪』って写メ見せると、『え、格好いいじゃん! いいなー、こういう人、私にも紹介して』みたいに言われるのも気分良かったんですよね。それに、インスタとかで、遊びに行ったスポットをアップすると、『いいね』がいっぱいついたりするし。得だけの関係ってうか……」

 そんな軽い気持ちで危うい橋を渡るのがそもそも悪いんだと、説教したくなるが、「お金持ちの彼氏以上愛人未満のパパ的存在との別れ」は1本の電話とともにやってきた。

「しょっちゅうホテルに泊まったり、旅行に行ったりしていたので、『奥さんは大丈夫なの?』ってよく聞いていたんです。彼は、『飲食店の経営をしているから基本生活が不規則なんだよね』って言うので、私はそれを信用しちゃってたんですよね。ところが実はそうでもなかったらしいんです。ウチにも彼の私物とか増えていって、ウチにくる時間も増えて、使ってくれるお金も増えて……って状態になった時でした。彼の奥さんから電話がかかってきたんです。『ウチの人と付き合ってますよね? 別れてください』と。エ! なにそれ! って背筋が凍りつきましたよ」

――なんて答えたの。

「付き合っているっていうか、愛人っていうか、そういう関係なんです。愛人って言っても、そんなにたくさんのお金もらってないですし、本当、奥さんから盗ろうなんて考えてたことないですからって、泣きながら言いましたよ。『あいつ昔から、気に入った女には調子いいことばっかり言うんだよね』みたいに言ってきて、すごい長時間話しました」

――結局、別れるって奥さんに言ったの?

「はい。最悪なのはその後です。どうやら電話を録音していたみたいで、それが不貞の証拠になるって、慰謝料を請求されちゃったんですよね」

――え? じゃあ、もらったお金は彼のところに戻ってくってこと?

「請求されたのは50万円だったので、全部ではないけど、ほとんど戻っちゃいますね。弁護士つけて減額しても、弁護士料と労力考えるとムダだよって、法律に詳しい知り合いから言われて、あきらめて払おうかなと思っているところです」

 不倫関係でもある愛人交際。金持ちの既婚者のパパを作るなら、ある程度しっかりと「仕事だ」と言う意識を持って、覚悟を決めて取り組まないと、思わぬ落とし穴にハマることもありそうだ。
(オフィスキング