米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の22日付の報道によると、北朝鮮で軍需工場への食糧供給が滞り、労働者が出勤できなくなる事態が広がっている。これまで比較的優先的に配給を受けてきた軍需部門でも人員離脱が起きており、体制の基盤を支える軍需生産に影響が及ぶ可能性が出ている。
報道は、北東部・清津市の住民の話として、「最近は軍需工場でも食糧供給が円滑でなく、出勤できない労働者が増えている」と伝えた。軍需工場は通常、一般の工場よりも優遇されるが、今年3月以降は「本人分の食糧をかろうじて支給する程度」にまで落ち込んでいるという。 家族への配給が事実上途絶えたことで、労働者の生活は急速に悪化している。4人家族でも1人分の配給しか得られず、「昼は工場で働き、夜は副業で現金を稼ぐ」生活を強いられる例が増加。ある労働者は、缶を加工して台所用品を作り、市場で売ってコメ代を捻出しているとされる。 北朝鮮がロシアに武器弾薬の供給を始めた初期、不良品の不発や暴発が相次いだが、その原因の一端は、給料や配給だけでは食べていけなくなった労働者が、銅線などをくすねて横流ししていたからだとも言われる。 また、同じ軍需工場でも待遇格差が拡大している。別の住民は「食糧不足が深刻化する中、ミサイルや放射砲関連の工場には資源が集中し、それ以外の工場は後回しにされている」と証言した。ミサイルや放射砲は、金正恩総書記が頻繁に試射に立ち会っている兵器だ。最高指導者がご執心の武器を中心に生産拡大と人員増強が進む一方、周辺的な工場では配給削減が進んでいる構図がうかがえる。
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