最近、北朝鮮の平安北道朔州郡で、生活苦にあえいでいた一家4人が死亡しているのが見つかり、住民に大きな衝撃を与えている。 30日、デイリーNKの平安北道情報筋が伝えたところによると、この一家はもともと都市部で暮らしていたが、約1年前に農村へ移り住んできた。
住民の間では、多額の借金を抱え、事実上、自宅を失ったために移住を余儀なくされたとの話が広まっていた。 北朝鮮には、国内においても「移住する自由」がない。しかし、社会のあらゆる場面でワイロのやり取りが蔓延っており、移動の統制にすら抜け道が存在する。そのため都市から強制配置された若者たちを中心に、インフラの立ち遅れた農村からは人口流出が続いており、この一家のように都市で住む家を失った人々が希望さえすれば「農村に住居を得る」ことは可能だとされている。 だが、この一家にとって本格的な苦しみは、ここからだったのかもしれない。 死亡した夫婦は生前、近所付き合いをほとんどせず、交流も極めて少なかった。一方で、子どもたちは時折、近所の同年代の子どもたちと遊んでいたという。 そして6月中旬、この家の子どもたちと遊ぼうと訪れた近所の子どもたちが一家の異変を発見した。呼びかけても応答がなかったため、1人の子どもが玄関を開けて中に入り、家族全員が倒れているのを目撃した。 駆け付けた近隣住民によると、室内には練炭を燃やした形跡があったとされ、生活苦に耐え切れず一家心中を図った可能性が高いとみられている。 とりわけ住民に衝撃を与えたのは、一家が死亡した時点で家の中には米一粒すら残っていなかったことだった。住民からは「どれほど苦しかったのか」「子どもたちがあまりにもかわいそうだ」など、悲痛な声が相次いだ。
情報筋は「農村には食糧が尽き、山で野草を採って一日一日をしのいでいる世帯が少なくない」と説明。「どれほど農作業を頑張っても、秋に分配された食糧は春先に高利で借りた食糧の返済に充てられ、結局何も残らない。再び借金をして暮らす悪循環が続き、生活は一向に改善しない」と指摘した。
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