北朝鮮と中国の合弁事業の多角化が進む中、一部の中国人投資家が北朝鮮の農場運営権を要求し、北朝鮮側の強い反発を招く出来事があったことが分かった。北朝鮮は農業分野への投資そのものは検討の余地があるものの、農場の運営権や労働力の配置、生産物の分配権は交渉の対象になり得ないとの立場を明確にしているという。
中国の対北朝鮮情報筋が韓国デイリーNKに伝えたところによると、先月、平安北道の農業部門代表団は、農業機械設備や先進的な農法の導入について協議するため、複数回にわたり中国・遼寧省の農村地域を訪問し、現地農場の運営状況を視察した。 代表団は現地で栽培されている作物の種類や管理方法、農業の機械化の水準を視察したほか、農村住宅建設に利用されている土壁住宅や土瓦の施工方法、土皮ブロック(土製レンガ)の製造技術や設備などについて重点的に調査したという。 北朝鮮側はこの過程で、中国側に対し、土皮ブロック製造設備や農業機械、現代的な営農技術など農村近代化に必要な投資や技術協力に関心を持つ投資家の紹介を要請した。そして実際に丹東のある貿易会社の仲介で、中国人投資家らと面談する機会が設けられた。 しかし、投資協議の場で中国人投資家から予想外の提案が示され、交渉の雰囲気は一変した。 情報筋は「ある投資家は、北朝鮮が必要としている農業設備や技術、インフラ整備への投資を行う代わりに、一定の農地を長期賃貸してほしいと要求した」と述べ、「さらに、農場の労働力配置や生産管理、収穫物の分配まで自ら担う協力モデルを提案した」と伝えた。 これに対し北朝鮮代表団は、投資を名目に実質的な農場運営権を要求するものと受け止め、その場で交渉を打ち切ったという。 情報筋は「代表団は『絶対に手を付けてはならない我々の農業体制を全く理解していない非常識な提案だ』と表情を変え、『議論する価値もない話だ』として席を立とうとし、現場は険悪な雰囲気になった」と語った。 また、代表団は投資家を紹介した貿易会社の関係者に対しても、「いったいどんな目的を持った人物を連れてきたのか」「背後で誰かがこのような提案をするよう仕向けたのではないか」と厳しく問い詰め、「今後、このような人物は二度と紹介するな」と強い不快感を示したという。 北朝鮮は最近、中国との間で幅広い分野における投資誘致や合弁事業を積極的に模索している。しかし今回の出来事は、社会主義体制の根幹を成す農業に関する権限や利権だけは、いかなる場合でも交渉の対象にはならないことを改めて示す契機になったとされる。
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