株主還元意識の高まりで、業績が上ブレすれば、配当も上方修正する企業が増えている。そのなかでも、本決算発表直前に増額修正を出す株は下値リスクも小さく、利回り狙いでの長期保有に最適だ。

ダイヤモンド・ザイでは、そんな本決算時点で増配を発表する「隠れ増配株」をプロがピックアップ! 今回はその中から2銘柄を抜粋して紹介しよう!

下方修正リスクが小さく長期の保有に最適!

 通常、配当利回りは「今期の会社予想の数字」で計算される。業績が好調な場合、多くの企業はその期の途中で業績や配当の上方修正を発表する。しかし、なかにはぎりぎりまで発表を遅らせる企業がある。

 例えば、3月決算企業の場合、投資家が配当を得るには権利付き最終日、つまり3月末の権利確定日の3日前(最終売買日)までには株を買う必要がある。しかし、権利確定日以降に増配を発表するケースも。実はこういった「隠れ増配」の発表前に先回りして株を買っておくのが正解なのだ。

「配当額の上方修正をなかなか出さない企業は、業績予想を堅めに出す傾向がある堅実な企業なので、業績の下方修正リスクが小さい」(マーケットコメンテーター・岡村友哉さん)

 これから紹介するのは、過去に2期連続で権利確定日以降に増配を発表した銘柄だ。つまり、現在の配当利回りよりも、実際に配当を受け取る時は、利回りアップが期待できるのだ。

「配当の権利確定後の値下がり率が、実際の配当分より抑えられるのも利点です」(岡村さん)

 高配当株は権利付き最終売買日後に、配当利回り分、株価が下落するケースが多いが、権利確定後の増配分だけ株価の下落も抑えられるわけだ。

業績好調で、なおかつ権利確定後に増配している2銘柄を紹介

 そんな銘柄の一つが「兼松エレクトロニクス(8096)」である。兼松グループのシステムインテグレーターで、営業増益幅を拡大させている企業だ。現在の配当利回りは3.28%。

利益率が伸び続けており6期連続で増配中だ。

 もう一つは、携帯電話販売会社の「コネクシオ(9422)」。現在の配当利回りは3.69%。携帯電話や光回線の販売が好調で業績が安定し、下値不安が小さいのが魅力の銘柄だ。

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