今週、公明党の長沢広明復興副大臣が議員宿舎に知人女性を宿泊させたと週刊誌が報じ、長沢氏は責任を問われ、離党と議員辞職を余儀なくされました。少し前には、自民党の今井絵理子議員と民進党(後に離党)の山尾志桜里議員が不倫を疑われる姿が週刊誌に激写されました。

週刊誌の編集部には尾行や盗撮、張り込みや待ち伏せが専門のプロ集団がいるのは周知の事実です。一般市民が不倫の証拠となるような写真を手に入れるにはどうしたら良いのでしょうか。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦、文中は全て仮名)

妻に不倫の気配
相手の男性見当つかず

 議員でも有名人でもない私たちが、週刊誌のような写真を手に入れることは難しいのが現実です。配偶者が不倫している状況でどのようにして証拠を掴み、集まった証拠を選別し、そして証拠を使って罪を認めさせればいいのか、私のところの相談実例をもとに解説していきましょう。

<登場人物>
夫:井ノ口浩二(42歳、会社員、年収600万円)
妻:井ノ口彩(39歳、専業主婦、年収0円)
子:井ノ口凛(6歳、浩二さん彩さん夫婦の娘)
妻の不倫相手:森山雅之(39歳、サーフィンショップ経営)

「あいつらのせいで取り返しのつかないことになりました。最悪の結果です!」

 井ノ口浩二さん(42歳)が7年間、連れ添った妻と離婚したのは先週のこと。

約2500日におよぶ結婚生活の中で築き上げてきたもの…浩二さんの努力や我慢、忍耐はすべて無駄になったのですから、落胆するのも無理はありません。

 浩二さんは幼い頃に両親の離婚を経験し、母子家庭で育ちました。幸せな親子3人の暮らしを何よりも大切にし、娘の凛ちゃんには自分と同じような思いをさせたくないという気持ちが強かったのです。

 当初、浩二さんは妻の不倫相手がどこの誰なのか…間男の素性に全く見当もつかず私のところへ相談しに来ました。私は「相談相手が不倫相手へ発展することが多いので『元彼』『元職場の上司』『旧友』などに目星をつけてみたらどうですか?」と助言しました。

不倫の証拠を掴むには
スマホの機種変更が狙い目?

 現実世界の交友関係を「ネット上で」可視化するルーツといえば…そう!Facebookです。

浩二さんは妻と「友達」になっているので妻のFacebookを隈なくチェックしたところ、妻と同じ日時に同じ焼酎バーにチェックインをした「男」を発見しました。

 しかも、妻と男性の出身高校は同じで、2人してFacebook上の母校の同窓会グループにも名を連ねていました。妻は「どうせ大丈夫」と油断していたのか、それともITリテラシーが低いだけなのか定かではありませんが、特定の友達には表示させない設定をすることも可能で、夫も「友達」なのに、前述の書き込みは「友達全員」が閲覧できるようになっていたのです。

 今回に限らず、「不倫デート」をTwitterで実況中継したり、LINEのグループに写真を投稿したりして、ご丁寧にネット上に「不倫の足跡」を残すケースは決して珍しくありませんが、不倫を暴く側には注意が必要です。

 特にSNS上の証拠は設定一つで「なかったこと」にすることが可能で、例えば、浩二さんの妻がFacebookの書き込みを「夫は閲覧できない」という設定に変更することも可能で、「賞味期限あり」の証拠なのです。

 浩二さんは妻の怪しげな行動を目の当りにしてショックを隠せない様子でしたが、私は「すぐに画面を写真(スクリーンショット)に撮っておいた方がいいですよ」と助言をしました。

 次に浩二さんが知りたかったのは妻と男性の仲です。2人はどの程度の関係なのでしょうか?

 浩二さん妻は、新しいiPhoneを購入したばかりでした。不倫の証拠を掴むのにスマートフォンの機種変更は狙い目です。なぜなら、旧機種から新機種へデータを移行する場合、いったんパソコンにバックアップを取ることが多いですが、バックアップのデータが最新だからです。

 浩二さんは家族共用のパソコンを確認したところ、電話帳や写真などのデータ、アプリ、そしてSMSメールの送受信やLINEのトーク、そしてFacebookのメッセージなどが保存されており、何もかもが見放題の状態でした。

 どうやら2人はFacebookのメッセンジャーでやり取りをしていたようで、例えば、男性は妻に対して「時間を気にせず、ゆっくり過ごしたいね。

きっと叶えようね」と言えば、妻は「まーくん、大好きだよ。2人で頑張ろうね」と答えてました。

 何を叶えるのかといえば、それは「離婚」でしょうし、2人で何を頑張るのかといえば、やはり「離婚」だと想像するのが自然でしょう。しかも、送受信の日付はあろうことか妻の誕生日。

 妻はケーキのロウソクを消し、浩二さんと娘さんは2人でハッピーバースデーを歌い、微笑ましい雰囲気のなか、妻の誕生日を祝っている最中に、妻は「心ここにあらず」で、男性へ甘すぎるメッセージを送っていたのです。さすがの浩二さんも怒りで手が震え、しばらくの間、震えが止まらなかったそうです。

自宅でリビングで撮影された
妻と脱ぎ捨てられた男性の下着写真

 さらにパソコンには「まーくん」と名付けられたフォルダには数々の写真が収められており、浩二さんは恐る恐る見たところ、信じられない一枚を発見したのです。そこに写っている妻はグレーの上下スウェットですが、これは普段の寝間着だそうです。しかも、写真の背景は自宅のリビングなので一見、何の問題もなさそうです。しかし、上のスウェットは両手を袖まくりし、下のスエットは膝まで下ろしており、どういうわけか下着を着けておらず、陰部を手で隠しているのです。

>>(下)に続く