(5) 解離性想像力(これは現実の世界ではない。相手は本物の人間ではない)
(6) 権威の最小化(ここには権威を持つ者はいない。私は自由に行動できる)
人間のコミュニケーションの65~93%が、非言語的な顔の表情、声の抑揚、身体の動作などから構成される。
以下は私見だが、進化論的にいうならば、私たちの脳は、こうした手がかりを無意識のキュー(きっかけ)にして、お互いをより深く理解し共感できるように「設計」されている。
ネット上のコミュニケーションは、こうした手がかりをすべて排除して文字だけにしてしまう。すべてのヒトは何十万年もかけて進化した「話す」ための遺伝子を共有しているが、文字はわずか1万年ほど前に一部の地域で発明された。
ディスレクシア(難読症)は、知能に異常がないにもかかわらず文字の読み書きが困難な学習障害だ。イギリスの起業家・冒険家でヴァージン・レコードやヴァージン・アトランティック航空を創業したリチャード・ブランソンがディスレクシアであることからもわかるように、きわめて高い知能を持っていても文章が読めないことがある。
トム・クルーズ、キアヌ・リーブス、ジェニファー・アニストン、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイなどハリウッドスターにもディスレクシアは多い。これは、高い知能や能力を持っていながらも、文章が読めないことでホワイトカラーの仕事をあきらめざるを得ないひとたちが、芸能の世界に生きる道を求めるからかもしれない。