ビジネスリサーチ・ジャパンは地銀(第一地銀、第二地銀)の「行員平均年収ランキング」を発表した。17年度における行員の平均年収で一番多くもらっている銀行はいったいどこだろうか。
地元で安定した就職先として人気が高い業界の一つが地方銀行だ。地銀は全国でおよそ100行を数える。ところが、日銀のマイナス金利政策など超低金利の長期化に伴う影響で収益が減少、“資金の運用難”や“赤字転落”が目立ってきた。さらにAI(人工知能)の活用で行員の削減も必至の情勢である。
そんな中、行員の平均年収はどんな傾向が出ているのだろうか?銀行にはグループを統括する「持ち株会社」と実際の業務を担当する「銀行」があるが、ここでは持ち株を除いた地銀に絞ってみた。
行員の平均年収が最も高かった地銀はどこか、順に見ていこう。
1位はシェアハウスやアパートなどへの投資資金を必要とするオーナーへの不正融資問題で揺れたスルガ銀行。17年度800万円超だったのは同行のみである。
2位は前年度トップだった東京スター銀行、3位から7位は昨年度と同じ順位で静岡銀行、千葉銀行、阿波銀行、群馬銀行、七十七銀行。8位にはトップ10の中で唯一、昨年度より少しだけ年収UPした滋賀銀行が入った。以下、常陽銀行、百五銀行が続くという結果だった。
第一地銀と第二地銀の格差
地方銀行の年収で目立つのは、第一地銀と第二地銀の格差である。第一地銀の年収水準が第二地銀を上回っていることが、最大の特徴といっていいだろう。
地方銀行は「第一地銀(64行)」と「第二地銀(40行)」に大別できる。従来からの地方銀行が第一地銀、相互銀行から普通銀行への転換組が第二地銀である。実際、台湾資本の東京スター銀行を除く上位陣は、すべて第一地銀である。
3年間の推移を見ていくと、17年度の平均年収が16年度や15年度に比べて減額になっているように、平均年収がダウン傾向にあるのも特徴だ。
人件費の抑制が背景にあることはいうまでもない。年収1000万円を超える行員の層が薄くなったことも、平均額が下降している要因だ。今後も行員の平均年収の減額傾向が続くだろうが、地銀の再編の動きも注視していきたいと思う。