JT(日本たばこ産業)が、2020年12月期の配当が前期比で「横ばい」となる予想を、2020年2月6日の15時に発表した。これにより、JTの連続増配記録は"16期"でストップする見通しとなった。

 JTは2020年12月期の予想配当を、中間配当(6月)は「77円」、期末配当(12月)は「77円」、合計の年間配当額は「1株あたり154円」と発表した。JTの2019年12月期の配当も「1株あたり154円」だったので、前期と同額の「横ばい」予想ということになる。

 JTは株主還元方針として「1株当たり配当⾦の安定的/継続的な成⻑」を掲げ、2005年3月期から毎期「増配」を続けていた。しかし、2020年12月期の配当が予想通りの「横ばい」となれば、2005年から続いていた連続増配は“16期”でストップすることになる。
【※関連記事はこちら!】
「高配当株」と「増配株」では、どちらに投資すべきか?「増配」は業績やビジネスモデルの“裏付け”があるが、「高配当」は株価や配当額に左右される不安定なもの!

 JTが同時に開示した「経営計画2020」によると、「当期利益には不確実性が残るものの、1株当たり配当⾦は安定性を重視し154円を予定」したとのこと。なお、JTの連結配当性向は年々増加傾向にあり、2019年12月期の連結配当性向は78.6%、2020年12月期の連結配当性向は89.6%(予想)と高い水準にあり、配当利回りも6.59%と高利回りになっている。
【※関連記事はこちら!】
「配当利回りが高い株」に投資するより重要なのは、「増配傾向にある株」を選んで投資をし続けること! 実現間近の「配当でモトを取る」途中経過も大公開!

JTの過去18期の配当の推移は?■JT(2914)の直近18期の配当の推移期年間配当額 期年間配当額2004/310円2013/368円2005/313円2014/396円2006/316円2014/12100円2007/320円2015/12118円2008/324円2016/12130円2009/327円2017/12140円2010/329円2018/12150円2011/334円2019/12154円2012/350円2020/12154円
(予想)

 JTの2020年2月6日時点の株価(終値)は2335円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※JTの配当利回り】
株価:2335円
年間配当額:中間77円+期末77円=154円
配当利回り=154円÷2335円×100=6.59%

 JTの配当利回りは6.59%。2020年1月の東証1部の平均利回りは2.00%(配当実施企業のみ)なので、JTの配当利回りは突出して高いことがわかる。配当利回りが高いことに加えて、株主優待も魅力的なため、ダイヤモンド・ザイ読者が選んだ「2020年に買いたい株ランキング」でもJTは第1位になっている。
【※関連記事はこちら!】
「2020年に買いたい株」ランキング上位5銘柄を発表!1位は配当利回り6%超の「JT(日本たばこ産業)」、2位は株主優待が大人気の「すかいらーく」がランクイン!

 しかし、本日(2020年2月6日)発表された2020年12月期の業績予想では売上高こそ前期比で0.2%の微増となるものの、営業利益は6.2%減、当期利益は12.4%減となることも受けて、SBI証券の夜間取引(PTS取引)では一時、本日の終値2335円から45円安い2289円(-1.97%)を記録している。
【※関連記事はこちら!】
夜間取引(PTS取引)ができる証券会社を紹介! 株式市場が閉まった夕方や夜でもトレード可能なネット証券の「取引時間」や「売買手数料」を比較!

 JTは海外および国内向けのたばこ事業を主軸とするグループ会社。

幅広く保有するたばこブランドと世界トップレベルの技術を活かし、130以上の国と地域でたばこ製品を販売している。また、たばこ事業のほか、医薬事業、加工食品事業も手掛けている。2020年12月期(通期)の連結業績予想は、売上高0.2%増、営業利益6.2%減、親会社の所有者に帰属する当期利益12.4%減と軟調(すべて前期比)。

■JT(日本たばこ産業)業種コード市場年間配当額 食料品2914東証1部154円株価(終値)単元株数最低投資金額配当利回り2335円100株23万3500円6.59%※株価などのデータは2020年2月6日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
編集部おすすめ