KDDIが発表した2020年3月期の決算短信によると、2021年3月期の予想配当は中間配当(9月)が「60円」、期末配当(3月)が「60円」、合計の年間配当額は「1株あたり120円」となっている。
KDDIの2020年3月期の配当は「1株あたり115円」だったので、前期比で「5円」の増配となる。今回の増配発表によって、KDDIの配当利回り(予想)は3.65%⇒3.81%にアップした。
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KDDIは、新型コロナウイルス感染症の影響について「現時点で見通せる影響は織り込んだ」としつつ、2021年3月期の業績予想を「増収増益」、配当予想を「増配」としている。また、KDDIは「19期連続DPS(1株あたり配当金)成長を目指す」ともしているが、それでも新型コロナウイルスによる影響が現時点の想定よりも拡大・長期化した場合には、配当予想に影響が出る可能性も考慮しておいたほうがよさそうだ
なお、KDDIと同じ通信事業者の2021年3月期の配当予想は、NTTドコモが「横ばい」の予想、ソフトバンクが2期連続「増配」の予想となっているのでチェックしておこう。
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(予想)
KDDIは2003年3月期から連続「増配」を継続している。そのため、2021年3月期の配当予想「1株あたり120円」が予想通りに実施されれば”19期連続増配”を達成することになる。なお、2020年3月期に達成した連続増配期間「18期」という記録は上場企業の中で9位にランクインする記録となっている。
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また、KDDIの配当額の伸び具合にも注目しておきたい。連続増配が始まる直前の2002年3月期から2021年3月期までの19年間で、KDDIの年間配当額は「1株あたり3円」から「1株あたり120円」まで、なんと40倍に増加している。
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配当が増えているということは業績が好調な証拠でもある。実際に、KDDIの株価は2002年3月の終値575円から2020年2月に記録した年初来高値の3451円まで、6.0倍に上昇している。
■KDDI(9433)の株価チャート/月足・20年
KDDIの配当利回り、配当+株主優待利回りは?KDDIの2020年5月14日時点の株価(終値)は3148円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。
【※KDDIの配当利回り】
株価:3148円
年間配当額:中間60円+期末60円=120円
配当利回り=120円÷3148円×100=3.81%
KDDIの配当利回りは3.81%。2020年4月の東証1部の平均利回りは2.28%(配当実施企業のみ)なので、KDDIの配当利回りは「高め」と言えるだろう。
また、KDDIは保有株式数と保有期間に応じて、「au PAY マーケット商品カタログギフト」がもらえる株主優待を実施している。
■KDDI(9433)の株主優待の内容 基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容 3月末 100株以上1000株未満 5年未満 カタログギフト:3000円相当 5年以上 カタログギフト:5000円相当 1000株以上 5年未満 カタログギフト:5000円相当 5年以上 カタログギフト:1万円相当
KDDIの2020年5月14日時点の株価(終値)は3148円、配当利回りは3.81%なので「配当+株主優待利回り」を計算すると、以下のようになる。
【※KDDIの配当+株主優待利回り(100株・5年未満保有時)】
投資金額:100株×3148円=31万4800円
優待品(カタログギフト):3000円相当
株主優待利回り=3000円÷31万4800円×100=0.95%
配当+株主優待利回り=3.81%+0.95%=4.76%
【※KDDIの配当+株主優待利回り(100株・5年以上保有時)】
投資金額:100株×3148円=31万4800円
優待品(カタログギフト):5000円相当
株主優待利回り=5000円÷31万4800円×100=1.58%
配当+株主優待利回り=3.81%+1.58%=5.40%
【※KDDIの配当+株主優待利回り(1000株・5年未満保有時)】
投資金額:1000株×3148円=314万8000円
優待品(カタログギフト):5000円相当
株主優待利回り=5000円÷314万8000円×100=0.15%
配当+株主優待利回り=3.81%+0.15%=3.97%
【※KDDIの配当+株主優待利回り(1000株・5年以上保有時)】
投資金額:1000株×3148円=314万8000円
優待品(カタログギフト):1万円相当
株主優待利回り=1万円÷314万8000円×100=0.31%
配当+株主優待利回り=3.81%+0.31%=4.13%
KDDIの「配当+株主優待利回り」は、100株・5年未満保有時で4.76%、100株・5年以上保有時には5.40%と、高利回りとなっている。2021年3月期で”19期連続増配”を達成する見通しでもあるので、今回の「増配」を機に、長期保有を検討する価値は十分にあると言えるだろう。
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KDDIは、専用線サービスや電話サービスを提供している電気通信事業者。通信を核にして、金融・エンターテインメント・教育などといったライフデザインサービスの拡充を目指している。2021年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高0.2%増、営業利益0.5%増、当期利益0.05%増と堅調(すべて前期比)。
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