今週の日経平均株価は、NYダウの3万ドル突破が刺激材料になり、
大幅に上昇して一時は2万6700円を突破!

 今週(11月24日~27日)の日経平均株価は大幅に上昇しました。

 米国のファイザー(PFE)が開発する新型コロナウイルス向けワクチンへの承認期待や、英国のアストラゼネカ(AZN)がオクスフォード大学と共同開発しているワクチンで高い有効性が示されたことが材料視され、3連明けとなる11月24日の日経平均株価は大きく上昇。

前週(11月16日~20日)には、2万6000円突破の達成感が意識されて下落していましたが、24日の上昇でその下落分を一気に吸収しました。

 さらに11月24日の米国市場では、ワクチン実用化への期待やバイデン氏への正式な政権移行が始まって政治的な不透明感が緩和したこと、さらに、次期財務長官に選出されたイエレン前FRB議長が大規模財政策を支持することへの期待などから、NYダウが初の3万ドルの大台を突破。これが刺激材料となり、25日の日経平均株価は急騰し、一時は26700円を突破しました。

 その後、米国市場が感謝祭で休場となる中で海外勢の商いが細ったこともあり、急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されましたが、TOPIXへのリバランスに伴う買い需給などもあって底堅い相場展開に。結局、11月27日の終値は2万6644.71円で、終値としては1991年4月以来の高値を更新して今週の相場を終えました。

来週の日経平均株価は、堅調な相場展開に!
「グラックフライデー」と「サイバーマンデー」の動向は要注目【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 2万6200円 ~ 2万7000円


 来週(11月30日~12月4日)の日経平均株価は、引き続き堅調な相場展開に期待したいところです。

 米国では、11月26日の感謝祭明けから年末商戦に入ります。例年、27日の「ブラックフライデー」と30日の「サイバーマンデー」での売れ行きが注目されますが、コロナ禍においてはECでの売り上げ増加が予想されます。この2日間の売れ行き次第では、投資家のセンチメント(心理状態)は明るくなるでしょう。
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 また、中間配当金の支払いが行われる時期のため、配当金の再投資による需給面での下支えも意識されます。

 そして、12月には米国のファイザーの新型コロナウイルス向けワクチンの審査結果が判明する予定です。この結果待ちとなりますが、承認された場合のインパクトは相当大きく、調整を交えながらの強い上昇トレンドが期待できます。


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【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
リード(6982)が+205.13%で値上がり率トップ!

 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキング1位はリード(6982)でした。11月20日に、自動車用外装部品において熱による収縮変化を防ぐアニール処理を行わずに品質を維持できる技術を確立した、と報道されて人気化しました。この収縮変化に強い材料を用いることで、部品費を15~30%削減できるとのことで、これを材料視した資金集中して連日のストップ高に。値幅制限の拡大措置もあり、大幅な上昇となりました。

 値上がり率2位のモリテック スチール(5986)は、EV(電気自動車)関連の一角として注目されました。モリテック スチールは、EVが利用する自動ケーブル巻き取り式充電スタンドを手掛けており、米国のテスラ(TSLA)の株価上昇のほか、EV先進国である中国においてEV関連銘柄への物色が強まっていることから、思惑的な流れとなったようです。

 値上がり率3位の松尾電機(6969)も、2位のモリテック スチールと同様にEV関連銘柄です。車載向けコンデンサーなどを手掛けているほか、リチウムイオン電池の保護を目的とした回路保護素子などを手掛けていることから、EV関連の一角として物色が向かったようです。こちらもストップ高を交えての上昇となりました。

 一方、今週の値下がり率1位はニーズウェル(3992)で、ストップ安を交えての下落となりました。第三者割当による第5回新株予約権の発行を発表したことで、潜在的な希薄化への懸念につながったようです。

 値下がり率2位のリバーエレテック(6666)は、5G関連の一角として10月以降、上昇トレンドが続いていました。しかし、株価が短期間で3倍に急騰したことで、今週は利益確定の流れが強まったようです。しかし、今週の下落は個人投資家の売却が中心と見られるので、利食い一巡後の「押し目買い」も期待されます。

■今週の値上がり率 トップ5順位先週末比(%)銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ1+205.13リード(東2・6982)2+69.00モリテック スチール(東1・5986)3+60.61松尾電機(東2・6969)4+58.37日本金属(東1・5491)5+56.61ダイヤモンドエレクトリックホールディング(東1・6699)■今週の値下がり率 ワースト5順位先週末比(%)銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ1−20.22ニーズウェル(東1・3992)2−19.05リバーエレテック(JQ・6666)3−16.16西松屋チェーン(東1・7545)4−15.60ギフティ(マザ・4449)5−14.84グローム・ホールディングス(JQ・8938)■今週の出来高 トップ5順位出来高(株)銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ1380,217,000音通(東2・7647)2291,500,900 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東1・8306)3160,739,400日産自動車(東1・7201)4114,785,800CAICA(JQ・2315)5102,878,000ランド(東1・8918)【来週の主要イベント】
米国の「サイバーマンデー」や「ベージュブック」、
「雇用統計」などに注目!

<11月30日(月)>
◆10月鉱工業生産速報値
◆10月百貨店/スーパー販売額
◆10月新設住宅着工戸数
◆中11月製造業購買担当者景気指数(PMI)
◆英10月消費者信用残高
◆独11月消費者物価指数(CPI)速報値
◆米11月シカゴ購買部協会景気指数
◆米サイバーマンデー
◆OPEC (石油輸出国機構)会合

<12月1日(火)>
◆10月失業率
◆7-9月期四半期法人企業統計調査
◆中11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
◆豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
◆独11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆米11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言
◆米11月ISM製造業景況指数
◆ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言

<12月2日(水)>
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米地区連銀経済報告(ベージュブック)

<12月3日(木)>
◆中11月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
◆独11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧10月小売売上高
◆米11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆米11月ISM非製造業景況指数

<12月4日(金)>
◆独10月製造業新規受注
◆米10月貿易収支
◆米11月雇用統計

【来週の注目銘柄】
「カプコン」「コーエーテクモホールディングス」
サイバーエージェント」の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

カプコン(2020年11月27日時点)業種市場・コード株価予想PER実績PBR情報・通信東1・96975810円34.4倍5.63倍クリスマス商戦や新型ゲーム機「RETRO STATION」へ期待
米国ではクリスマス商戦に入りましたが、マイクロソフト(MSFT)の「Xbox Series X/S」やソニー(6758)の「プレイステーション5」が人気商品として注目されており、その流れでゲーム株への関心が高まると思われます。11月24日にカプコンの発表前の新型ゲーム機「RETRO STATION」が、誤ってアマゾンで公開されてしまうハプニングがありました。ただ、発売予定自体は事実のようなので、新たなゲーム機への期待が高まっています。株価は10月14日に高値6340円を付けて以降、調整が続いていましたが、11月11日の4665円を底値に現在はリバウンド基調が強まっています。コーエーテクモホールディングス(2020年11月27日時点)業種市場・コード株価予想PER実績PBR情報・通信東1・36355540円39.1倍5.13倍「ゼルダ無双 厄災の黙示録」が累計300万本を突破!
歴史物に強いゲームソフトメーカーです。11月20日に発売したニンテンドースイッチ専用のアクションゲーム「ゼルダ無双 厄災の黙示録」について、24日に全世界での累計出荷本数が300万本を突破したことを発表。1タイトルでの300万本の出荷達成は、「無双」シリーズで初の快挙となりました。これからのクリスマス商戦で、さらなる売上増が期待できます。
株価は、75日移動平均線を下値支持線に上昇トレンドを見せており、直近では11月9日に付けた高値5680円に接近しています。サイバーエージェント(2020年11月27日時点)業種市場・コード株価予想PER実績PBRサービス業東1・47516930円109.2倍9.76倍「ABEMA PPV ONLINE LIVE」が「Go Toイベントキャンペーン」の対象に
11月25日に、サイバーエージェントの動画配信事業「ABEMA(アベマ)」が提供する「ABEMA PPV ONLINE LIVE(アベマ ペイパービュー オンライン ライブ)」が、経済産業省の「Go Toイベントキャンペーン」の対象に決定したと発表。一部チケットが販売額の20%引きとなるため、オンラインライブなど人気コンテンツへ多くの視聴者が集まることが期待でき、売上増が見込まれます。株価は、10月23日に付けた7030円をピークに調整が続いていましたが、足元では75日移動平均線をリバウンド基調が強まっています。

【※今週のピックアップ記事!】
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2020年10月の「IPO株」で、株価上昇が期待できるのは、事業領域の拡大で長期的な成長が見込める「カラダノート」と、コロナ禍でも成功中の「Retty」の2銘柄!

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