コロナ禍の最中に行われた就活で、主要大学の学生はどのような企業・団体を選んだのだろうか。国公立・私立主要27大学別の2021年就職先ランキングを作成した。

第5弾は私学の雄・早稲田大学と慶應義塾大学の就職先をお届けする。アフターコロナが見え始めた足もとで、就活戦線を戦う学生とその親は参考にしてほしい。(文/ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部、データ提供/大学通信)

私学の雄、早大と慶大
「就活の早慶戦」の行方

 早稲田大学と慶応義塾大学は、私学の雄として常に並び称される存在だ。就職活動においても、両校のOB組織である「稲門会」と「三田会」はどちらが就職に有利か、また上場企業の経営者にはどちらの大学出身者が多いかなどが、話題にのぼることが多い。

 そんな「永遠のライバル」ともいえる早大と慶大だからこそ、それぞれの卒業生がどんな業界・企業に就職しているか、気になる人も多いだろう。

 2020年の就職先を振り返ると、早大は1位が楽天グループ、2位富士通、3位NTTデータとなっている。一方の慶大は、1位が東京海上日動火災保険、2位楽天グループ、3位慶應義塾だ。早慶とも、楽天への就職者が80~90人とかなり多い。また慶大生は、出身大学に就職する人も多いようだ。

 果たして、21年の早慶の就職先はどうなったのか。

早大で圧倒的に強い3社とは
慶大1位はまたも東京海上日動火災

 まず、早大では前年2位の富士通が1位、前年3位のNTTデータが2位、前年1位の楽天グループが3位となり、トップ3がぞれぞれ微妙に順位を入れ替える結果となった。この3社は70~80人の早大卒を採用しており、就職先としてはダントツだ。

続いて、4位アクセンチュア、5位東京海上日動火災保険となっている。

 次に慶大はどうか。1位となったのは前年に続いて東京海上日動火災保険だった。同社の持株会社である東京海上ホールディングスの永野毅取締役会長は、同大OBである。2位からは前年の楽天グループが姿を消し、代わりに慶大卒が多い銀行業界から三菱UFJ銀行がランクイン。

 興味深いのは、前年と同じく3位に慶應義塾が入っていることで、その数は74人にのぼる。安全志向の影響はあるだろうが、コロナ禍前から大学への就職人気が変わらないのは、早大には見られない傾向だ。続く4位は三井住友銀行とアクセンチュアだ。

 こうして見ると、早大卒と慶大卒が就職する業界・企業は似通っている印象がある。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

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