これから4回にわたって、「SDGsへの取り組みの評価が高い企業」を、さらに詳しく業種別に分析した記事をお届けする。
本調査はブランド総合研究所が実施している「第3回企業版SDGs調査2022」で、インターネットを使い全国2万人以上の消費者が、日本の有力企業およびSDGsへの取り組みが熱心な企業260社を評価するもの。その調査の「SDGsの取り組みの評価が高い業界別ランキング」(※1)から、「紙・化学・繊維」「エネルギー」「建設・不動産」の業種に絞ってランキングを紹介する。
【紙・化学・繊維】前年に引き続き花王が1位
SDGsゴール別で高評価
紙・化学・繊維業界では、花王が1位(18.8点)、2位は富士フイルム(18.8点)、3位に資生堂(17.1点)がランクインした(※2)。
紙・化学・繊維グループ36社のSDGs評価の平均は13.1点で、前年の13.2点よりわずかに減少している。10業種グループの中で唯一の減少となった。
エネルギー業界は、1位にENEOS(16.9点)、2位が東京電力(16.0点)、3位はコスモ石油(15.9点)となった。
エネルギー業界の中で、最もSDGs評価が高かったのは前年に引き続きENEOSだったが、総合評価を見ると、前年の18.9点から16.9点と評価が低下している。
調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、「SDGsのゴール別(※3)における『7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに』の評価で最も高いのはコスモ石油で、前年の15.7%から18.7%へと3.0ポイントも上昇した。この項目でENEOSは前年の23.0%から18.7%へと評価する人が大きく減少したのが、SDGs評価低迷の要因と思われる」と指摘した。
一方、建設・不動産業界では、1位が住友林業(17.5点)、2位が積水ハウス(16.0点)、3位にトヨタホーム(16.0点)であった。
建設・不動産グループの中で、最もSDGs評価が高かったのは住友林業。
「SDGsのゴール別評価における『15.陸の豊かさも守ろう』では、7.3%で2年連続全体1位を獲得している。この項目で同社に次いで高かったのは飲料・食品業界のカゴメで4.6%、建設・不動産業界では大林組の2.8%より大幅に高くなっている」(田中社長)
(フリーライター 西嶋治美)