セレマの解約手数料はどれくらい高いのか。
例えば「2500円の200回積み立てコース(支払総額50万円)」の場合、支払い1回目から9回目までの間は解約しても契約者へは1円の返金もない。
10回目の後に解約しても、解約金が2万4650円引かれ、返金額はわずか350円だ。11回目以降は、支払1回ごとに250円の手数料が差し引かれるため、50万円を積み立てた後の解約手数料は実に約7万2000円にも上る。
だが、大阪高裁は、契約者が解約した際にセレマで生じる損害額は、毎月の積立金を自社の口座に振り替える手数料60円および支払額の通知等で年間約14円にとどまるとして、残る費用を契約者に返還するよう命じた。
今回の判決が業界に与える影響は甚大だ。
そもそも冠婚葬祭互助会の解約手数料が高いのは、セレマに限ったことではない。
互助会の多くは、業界団体である全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の標準約款に沿った解約条項を定めており、全互協によれば、「解約手数料は平均で積立金の20%弱」という。
そのため、冠婚葬祭互助会に関しては消費者トラブルが後を絶たない。国民生活センターによれば、互助会に関わる苦情・相談の件数は、2002年度に2844件だったが、11年度には3767件と3割増加している。
とはいえ、解約手数料は数万円と少額なため、弁護士費用を払って裁判を起こすわけにもいかず、これまでは契約者が泣き寝入りするケースがほとんどだった。
こうした状況が変わったのは07年6月のこと。改正消費者契約法が施行され、一定の消費者団体(適格消費者団体)が業者に対して訴訟を起こし、不当行為の差し止め請求をすることが可能となった。
そして、冒頭の京都消費者契約ネットワークは08年12月、セレマに対して裁判を起こした。
今後、双方が最高裁へ上告するかどうかは定かではないが、仮にセレマの敗訴が確定すれば、互助会各社に対して解約手数料の見直しを求める声が高まるだろう。
すでに昨年12月末には適格消費者団体のNPO法人、消費者支援機構福岡が大手互助会の日本セレモニーに対し、解約手数料条項の使用差し止め訴訟を起こした。
また、昨年12月には互助会の元会員ら40人が、葬祭会社4社を相手取り、解約手数料の返還を求める訴訟を金沢地裁で起こしており、こうした集団訴訟が増える可能性もある。
京都消費者契約ネットワークの事務局長である長野浩三弁護士は「(標準約款を掲げる)全互協および解約条項にお墨付きを与えた経済産業省は早急に約款の改正をすべきだ」と主張する。
今後、標準約款が見直されて解約手数料が引き下がれば、互助会を解約する動きが加速しかねない。その結果、経営に行き詰る互助会が増える可能性もありそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

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