1位はユニクロやGUを持つ
ファーストリテイリング

 ダイヤモンド編集部の大好評企画、年収ランキング。今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い小売り企業ランキング」を作成した。

対象は、2021年4月期~22年3月期。従業員数は単体ベースで、50人未満は除外している。

 早速、ランキングを見ていこう。

 1位はファーストリテイリングで、平均年収は963.7万円だった。衣料品のユニクロやGUを経営するファーストリテイリングには最近、明るいニュースが舞い込んだ。23年8月期通期の業績予想を上方修正。

売上高にあたる売上収益を従来予想の2兆6800億円から2兆7300億円(前期比18.6%増)に、営業利益を同3600億円から3700億円(同24.4%増)にそれぞれ引き上げた。いずれも過去最高を見込むというのだ。

 このランキングの対象となる21年8月期の業績は、売上収益が2兆1329億円、営業利益が2490億円だった。実は、23年8月期の好業績を牽引(けんいん)するのは海外ユニクロ事業で、特に、ゼロコロナ政策が続いていた中国大陸での売り上げが復活しているのが理由だ。この調子でグローバルに販売が回復していけば、従業員の平均年収もさらなるアップが期待できそうだ。

 2位はイオンで、平均年収856.2万円。

言わずと知れた総合スーパー最大手であり、このランキングの対象となる22年2月期の業績は、売上高が8兆7159億円、営業利益が1743億円だった。

 ところで、イオンの長年のライバルであり、総合スーパー業界2位のセブン&アイ・HD(イトーヨーカ堂やヨークなど)は、トップ5に入っていない。順位は何位だったのか、平均年収はいくらかなどは、ランキング完全版で確認してほしい。

4位マツキヨココカラ&カンパニー
平均年収は834.3万円

 3位はニトリHDで、平均年収835.8万円。家具・インテリアのニトリや島忠を傘下に持つ持株会社だ。本社は東京都だが、子会社(事業会社)のニトリの本社は、創業の地である北海道のまま変わっていない。

 4位は、マツキヨココカラ&カンパニーで、平均年収は834.3万円。聞き慣れない名前だと思う人もいるかもしれないが、同社は21年10月に、ドラッグストア運営のマツモトキヨシグループとココカラファイングループを中心とする持株会社として商号変更した。

 ドラッグストア業界は競争が激しく、企業規模の大小を問わず、統合・合併などの再編を繰り返してきた。同社の他に、クオールHDやアインHD、ツルハHDがランキング完全版で上位にランクインしている。ぜひチェックしてみてほしい。

 5位はアスクルで、平均年収785.2万円。

オフィス向け用品の通信販売の先駆けであり、現在はソフトバンクグループ傘下のZホールディングスの連結子会社だ。

 ランキング完全版では、6位以下の計92社のデータを掲載している。トップ5にはさまざまなタイプの小売り企業がランクインしたが、各社のライバルは何位になったのか。他の種類の商品を扱う小売り企業は、平均年収いくらなのか。小売り企業に勤める人以外も、一見の価値ありだ。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)