『週刊ダイヤモンド』4月20日号の第1特集は「半導体 これから買える株 160社図鑑」です。株式市場で大きな支持を集め、日経平均株価の最高値更新を支えた半導体関連銘柄。
株価急騰した日本企業の実名
半導体市場の活況は止まらない。熱狂の中心にいるのが米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)だ。生成AIブームの波を受け、同社の画像処理半導体(GPU)を組み込んだ「AI半導体」は、世界中のデータセンターで争奪戦が巻き起こっている。
その勢いは数字に表れた。ライバルの米インテル、韓国サムスン電子、台湾TSMCが、パソコンやスマートフォンの低迷で、2023年の決算が軒並み減収減益の中、独り勝ちだ。時価総額は2兆ドルを超え、世界ランキングは、米マイクロソフト、米アップルに次ぐ3位に躍進し、半導体企業では群を抜いている。
「エヌビディア旋風」は、日本の半導体企業にも波及した。
エヌビディアのAI半導体は台湾TSMCが受託生産しており、日本企業は生産現場に製造装置を供給しているためだ。さらに、エヌビディアのAI半導体に不可欠な半導体メモリーDRAMの「HBM(広帯域メモリー)」を製造する韓国SKハイニックス、サムスン、米マイクロン・テクノロジーの3社も、日本企業の製造装置の供給先である。まさにこれら半導体製造装置メーカーが、日経平均株価の4万円超えの立役者となったのだ。
半導体企業の熱狂の正体は、エヌビディアのAI半導体の躍進に行きつくのは明らかだ。だが、半導体の実態は、それだけで論じることはできない。
存在感放つのは大手だけじゃない!知られざる有望な半導体企業も多数
日本の半導体大手といえば、ルネサスエレクトロニクス、ソニーグループ、キオクシアホールディングスの3社だ。いずれもAIブームには乗り切れているとは言えない。それでもルネサスとソニーは、車載用マイコンやアップル向けのセンサーという特定領域で存在感を放つ。非上場ながらキオクシアはメモリー業界世界大手で、他社との再編を通じて立て直しを図ろうとする動きに目が離せない。
このほかにも日本には、製造装置や材料メーカーを含めて知られざる有望企業が多く存在する。
足元では潮目の変化もある。